2024/05/12 のログ
ご案内:「冒険者ギルド 訓練場」にエレイさんが現れました。
エレイ > まだ日の高い時間帯。
冒険者ギルド裏手の訓練場へと、男は足を進めていた。
戦闘術の指導をしてほしい、という依頼を受けてのことで、手の空いていた男が引き受ける流れになったわけなのだが──

「さて、どんなヤツが出てくるかねぇ……」

どこか楽しげなつぶやきが口から漏れる。
男はまだ、その依頼者の顔も名前も、男か女かも知らない状態であった。
伝えられなかったわけではなく、『知らないほうが面白い』と男が敢えて聞かなかったのだ。
どのみち人となりは直接会わねばわからないのだから、自分の目で
見定めたほうが早い──それが男の理屈である。
依頼の内容にもよるが、この男は時にそういう雑なノリで依頼を受けることがしばしばあった。

「まあああっちの態度次第では即刻お帰り願うが……そんな案件でないことを祈るばかりだな。
──およ、時すでに先に来ていたようだったな。感心感心」

そうして訓練場に足を踏み入れれば、先客の後ろ姿が見えた。おそらくあれが今回の依頼者だろう。
ちゃんと先に来て待っている姿勢にまず感心しながら、ざしざしとそちらに近寄っていって。

ご案内:「冒険者ギルド 訓練場」からエレイさんが去りました。