2025/05/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 酒場」にラナさんが現れました。
ラナ > もうだいぶ夜も遅くなってきて、普通のお店はだんだんと閉まっていたりもう閉まる直前であったり。
そんな頃になってくると、そこからまだ暫く居られそうなのは、やはり酒場ぐらいなもの。
シスター、正確にはシスター風、の少女などが酒場に居る、と言うのは多少浮き気味ではあるかもしれないが、そういう格好の趣味なのかもしれないなどと、案外根掘り葉掘りはされないもので。

なんだか少しぐったりと疲れているような様子のその少女は、小さな店内でもやや明るめの隅の席で、時折うつらうつらと居眠りしそうになったり、純粋に心配した様子の他の客達が飲み物やちょっとした食べ物を勧めてくれたりするのを、そっと微笑んでお礼を言ったりしながら。

他の似たような店よりも内外ともに灯りが多く、雰囲気の良い印象の所を選んだのが正解だったか、この時周囲に居た客達は悪い者達ではなかったか、シスター見習いですと名乗る少女を、本当にただ疲れていそうだ、とあまり煩く集まったりはしないでくれていた。

ラナ > 「あ……久しぶりに、気持ち悪い――」

祈るように合わせた両手、指先を唇に押し当てるようにして、不意に喉の奥から上がってくる不快感を押し留める。
たまたま近くの席へ給仕しに来ていた店員らしき女性が、その呟きを拾ったのか、もともと何となく気にしてくれてもいたのか、悪酔いでもしたかと覗きに来てくれるものの。
何人かが置いていった飲み物の中に、酒もいくつかあったけれど、それに口を付けた様子はなく。悪酔いするほど飲んでいたとは思えないし、そもそもお酒自体を口にしていなかったような、と気づいた女性が、何か具合悪くなったのか、とむしろ酒以外の所為での何か、を案じてくれて。

「あっ……ごめんなさい、大丈夫です。 ちょっと……嫌な事があって、思い出すと、こう――」

お店のせいではないんですよ、むしろ皆さん心配してくれて……と、そこはにこやかに応える。
一人で居るのが少し辛い気分で、賑やかなお店の中なら気が紛れるかもと思って。そう伝えれば、少し暗くなり気味だった店の中の空気を、よし皆いつも通り騒いでちょうだい、と女性が煽る。
それ何か察したのか、他の客達もあまり少女の方を気にしているのはやめることにして、あるものは笑い話を始めたり、あるものは単に酔いが回ってきたのか荒くれ者らしい歌を歌い始めたり。

その様子を眺めていたら、少女の方も少しずつ気持ちが落ち着いてくるのか、ふふ、と可笑しそうにしているようで。