2025/04/03 のログ
ご案内:「平民地区 路地裏」にメアリさんが現れました。
■メアリ > 夜の帳が落ち、先ほどまで降っていた雨の名残でいつもよりも寒さが厳しく感じられる夜。
比較的治安の良い平民地区では生活の火が灯り、日中に比べれば数が少なくなったものの、
大通りにはまだそれなりに人通りがある。
通り沿いの酒場からは賑やかな喧騒が聞こえ、いつも通りのなんら変わりない街の姿はそこにはあって。
だがそんな街の裏通り、その人気がなく薄暗い路地裏に影が潜む。
一見していつもと変わらない路地裏に誰かが迷い込めば、誰もいなかったはずの路地裏の影から、
その誰かを攫おうとする悪い手が伸びるだろう。
「ひとつ、人助けをしていただけませんか?」
路地裏に響くひどく優し気な女の声は、その誰かに向けて手を伸ばす者の声。
人助けを求めておきながら、女はその誰かの手を後ろでまとめて縛り上げようとする。
抵抗することだって勿論可能ではあるだろう。その女の人外並みの腕力に叶うなら、の話だが。
ご案内:「平民地区 路地裏」にクロスさんが現れました。
■クロス > (ギルドの依頼も終え、貰った報酬を使いながら良質な酒を飲もうと平民地区で一人酒場を訪れていた。
賑やかな周りとは対照的に一人で静かに飲み、一匹狼らしく酒の味だけに気を負かせていた。
程よく酒が回りそろそろ帰路に付くかと思いながらも街を歩く。
煙草を蒸かし、夜の中で明るくなる街を眺めながら自分の居場所、貧民地区へと歩を進めようとしたのであった。
そんな時にふと手を伸ばされ、掴まれる。)
「ん?何の用だ…?
金の話なら、別の所へ頼んだ方が身のためだぞ…」
(薄暗い裏路地から伸ばされた手に掴まれて立ち止まり、目線だけをそちらへと向けた。
金がらみならば少々面倒なことになりそうだなっと思い、顔もそちらへと向けるが二つの目がその姿を捕らえた時には思わず両目を大きく見開いた。)
「お前、メアリじゃねぇか…驚いたぜ、こんなところに居たとはよ…」
(久しぶりに見かけた知人の姿に思わず驚いた様子を見せ、そのまま向き合う様に裏路地の方へと身体を向けたのだった。)
■メアリ > 「あれ……?」
さっさと適当な人間を捕まえて協力を求めよう、逃げるようならば、否、逃げられる前にとっ捕まえて
しまおうとそんな算段であったのだが、手を掴んだところでその覚えのある姿に気づき顔を上げる。
「あらぁ、クロス様ではないですか!こんなところで奇遇ですねぇ。」
久しぶりの知人の再会ににこやかな笑みを向けるが、手は捕まえて逃がすまいと痛いほどに腕を掴んでいる。
「お金の話ではなく……いえ、今回はお金の絡む話でした。
突然なんですが、クロス様向きの、とっておきの美味しいお話があるんですけど、良かったら聞いていきませんか?
安心安全、痛いこと辛いことなんて全く無い美味しいお話です。」
毎度の如く首を横に振ろうとしかけて、ふと今回は違うと思い出して止まる。
そしてつらつらといかにも怪しい単語を並べては、どうです?なんて首を傾げて。
メアリとしても見知らぬ相手よりかは知り合いの方が都合がよかったのだ。
■クロス > 「あぁ、全くだ…しかも、まさかお前がこんな裏路地から出てくるなんてな?」
(にこやかな笑みを向けてくる相手に対してこちらはあまり変わらない表情で対応する。
だが、ほのかに尻尾は小さくゆらゆらと揺れていたのだった。
だが、どこか変な所にも気付く。
掴んでいる手が痛い程に腕を掴んでくるのを見れば、思わずそれに抵抗して捕まれている個所に力を入れてしまう。)
「…お前、一体どんな依頼を受けたんだよ?」
(若干呆れ気味にメアリの話を聞いた。
いかにも怪しい単語を並べた上に知人であるが故に彼女からそんな言葉が出てくるはずがないとも思っていた。
どう考えても面倒なことに巻き込まれるに違いない事、普通なら断る様な誘いである。
だが・・・)
「ハァ…仕方がねぇ。
めんどうだが、付き合ってやるよ…
それで?一体どういう依頼だ?」
(ため息を吐きだしながらも了承したような返答をする。
ここで断ってしまえばおそらく泣きつかれるか、それとも今握っている手で一本持っていかれることだろうと察した。
その方が今後のことも考えて問題にもなりそうであったため、避けるためにも受け入れるしかなかったのだった。
それに加えて、久方ぶりの知人故に断る気も無くなったのも本音であったのだ。)
■メアリ > 「依頼ではないのですよ。今のご主人様からの命令と言った方が正しいでしょうか……。
面倒な事と言いますか少々特殊な内容を言いつけられてしまいましてねぇ。」
口元に人差し指をあてながらうーん、と考える素振りを見せる。
男が考える通り面倒事に巻き込まれている事には違いなく、特殊な内容と言うメアリはどこか面倒くさそうな物言いだった。
「まぁここで話すのもなんですし、近くに与えられている部屋があるのでそこで話しましょう。
この間ご主人様からいただいたワインもありますし飲みながらでも……
あぁでも、そういえばクロス様は高いワインはあまりお好みではなかったのでしたっけ。」
そういえば以前高いワインを微妙そうな顔で飲んでいたなぁと思い出せば、部屋にあるワインは口に合うかどうか不安になって。
もし口に合わなかったときは宿の人間に頼んで自分たちの口に合う酒を見繕ってもらおうと思えば、
「ひとまず行きましょうか」と声をかけて男の手を引いた。
■クロス > 「主人様ぁ?なんだ、富裕地区の貴族共の手伝いってことかよ…」
(彼女の口からあまり聞きなれない単語を聞くとまた眉間に皺を寄せる。
貧民地区育ちの男にとってあまり関わり合いになりたくない様な輩でもあるため、増々面倒であると思い始めたのだった。)
「…まぁ、たまには高い酒を飲むのも悪くはないだろうし…ありがたくいただくとするかねぇ…」
(貧乏舌が染みついているせいで高級品となれば舌が狂うこともあるからあまり好みで飲むことは無かった。
だが、今は彼女の誘い出し乗って少しでも貴族への嫌悪感を薄れさせようと思い、彼女の後ろへついていくことにするのであった。)
ご案内:「平民地区 路地裏」からメアリさんが去りました。
ご案内:「平民地区 路地裏」からクロスさんが去りました。