2025/02/21 のログ
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ご案内:「平民地区 繁華街」にエウヘニアさんが現れました。
エウヘニア > いつだって賑やかなその場所。けれどその本領を発揮するのはおそらくは街灯に灯が入る頃合いから。
今は遅い朝の時間といった閑散とした通りを一人歩いている。

下がっている看板、というか、むしろ多いのは飾り窓。
特徴的な外観の建物が多いそこは一般的に夜の街と認識されているところ。
どうしてそんな場所に足を踏み入れているのかというと───。

「あ、おはようございます」

にへら、と緩い笑みを浮かべて。窓辺に寄り掛かってるしどけない姿の女性へと挨拶を向ける。
顔見知りの相手と世間話めいた言葉を交わしながら、体の調子を窺った。

「調子がよさそうで何よりですね。最近は朝や夜がちょっと冷えるでしょう?」

相手の好みや、今の状態。それから気候を考慮してカバンから取り出す小瓶。
効果はさほど強くはない分、他に影響を及ぼさない常備の水薬をいくつか女性に渡して。
かわりに代金を受け取った。

あるいは宝石なんかの物々交換も成り立つのは、女がその鉱石を薬に用いることもあるからだ。
装飾目的ではなく素材しか目に入ってないあたり、宝飾職人がきっと泣くのだろうが、それは女の手に渡ってしまった運の悪さを呪うほかないのだった。

「あんまり体を冷やしてはだめですよ?それじゃあまた御贔屓にー」

軽い調子で窓辺を離れる。客でも、売る側でもなく。
所謂うさん臭い薬売りの一人としてかかわっている。それなりの量はきちんと注文を取って店とやり取りもするし、こまごまとした需要を拾って個人ともやり取りをする。
そんな様子で、夜の本番に向けて火を入れ始めた街並みをふらふら。
あらかたの顔見せを終えたなら、どこかでお茶してもいいのかな、なんて思いながら。

「……今日は日雇いの方はなかったはずだし、うん」

ご案内:「平民地区 繁華街」にガルディさんが現れました。
ガルディ > 多分、これまでにもあの三つ編みを何度か目にはしていたのだと思う。
なのに目をつけなかったのはそれがほとんど飾り窓の上から眺めて、その面差しも仕草も知ることがなかったからだろう。

しかしいまはそれを知ってしまった。

踵をかえそう、という三つ編みの揺れを見て――気づけば窓を開け放つと共に飛び降りていた。

「――よぉ、こんなトコにも出入りしてたんだなあ……気づかなかったぜ、お仕事か?」

女の道のりにその巨躯で立ちはだかる。
幾分派手な参上の仕方になったけれど、女の尻をひょこひょこと追いかけて三つ編みを引っ掴むよりはいいだろう。

こちらはこちらで女衒の仕事に区切りがついて、そろそろ夕飯でも決めなければなあと思っていたところ。
彼女は……確か、錬金術師が本業だと言っていた。
その身の売り買いでなければ何かと入り用な女たちへの小売か。
その小売の仕事は、――区切りがついたのか。尋ねてみる。

エウヘニア > 「!?!?!?」

突如として、高所から降り立った何かに小動物よろしく身を強張らせる。
ついでにその声と、こちらに影を落とすのが何なのかを正しく理解すると、悲鳴上げて逃げたほうがよかったな、なんて思いもした。

逃げたところであっさり捕まってしまいそうな気がしたけれど。

「…………どこから降って来たんですか、今。
 ……ええ、仕事ですよ。こっちが本業ですから」

何処かで雑用こなしてたり、書類仕事してたりもするけど、そちらは日雇いの臨時稼業。
そんな事情は知る由もないだろうが──律義に応じて。

それから自分の行く手を塞ぐ相手の向こう側に行きたそうな表情をちらりと見せつつも、とりあえず足踏み。
引き返して別の道からでもいっかあ、と消極的選択肢を考えたくなりつつ。

とりあえず軽くなってしまった営業用の鞄の中身が悲しい。
これが無ければ仕事中です!と言い張って逃げる道が無くもなかった。

ガルディ > 逃げてくれた方がとっ捕まえて話が済んだ分、こちらとしても助かっただろう。
その時は未だ人気の薄い通りを堂々と追って――路地裏にでも連れ込んでしまうだけだった。

善良なる錬金術師の女は、この街において少々律儀にすぎる。
そういった獲物から甘い蜜を啜らせてもらってる身としては、いなくなってもらっても困るのだが。

「そりゃ、あそこ。うちが……つーか俺が金出してる店なんでね」

飛び出してきた窓から派手な下着の女が何事か声をかけてくる。
意識は目の前の女から逸らさぬまま、「適当に片しといてくれ」と一瞥と手振りの気安い様子で指示を投げて。
女の方へ一歩、また一歩。

「ん、で、……区切りはついたのか?“本業”の方は」

見下ろす距離まで近づくと腕を伸ばし、ほそっこい肩を抱いて胸元へ前腕を流す。

もう一方の腕で、小脇に抱えられた鞄の腹を雑に掴む。
中身が十分に残っているのなら、小瓶が音を立てるに違いない。
それで破損したならしたで、弁償金を支払うのも構わない。

エウヘニア > 男の目論見がわかってたら、逃げださなくてよかったと───は言えないだろう。
どちらにせよ逃げられてないのだし。
じりじり埋まる距離に、自然と見上げる視線に角度がついてゆく。

「へ、………てっきり冒険者さんとか何かだと……」

着こなしの仕方はだらしないが、汚れのないシャツ。
いい加減に止められた胸元から覗く筋肉や、火傷の痕は夜の店を取り仕切ってるような人物には見えづらいから素直な感想。
釣られるように見上げた先で、先ほど挨拶を交わした女性と似たようないで立ちの女性が何か言ってるのに目を細めた。
あんなところから降りてきたんだ、とどんくさい属性の女にとっては若干理解しがたい。
着やすいやり取りは、それだけに彼我の信頼関係を感じさせはしたが──。

「ん、ぐ……重たいんですけど、ってああ、鞄潰しちゃだめですって」

肩に回される腕はしっかりがっちり自身を捕まえてるように感じつつ。
相手がつかんだ鞄の中身はさほどないのがすぐにわかるくにゃっとした感触が返される。
多少揉まれても中の薬品が壊れないよう細工は施されているものの、今はそんな心配は杞憂だった。
売上金と、売上金代わりの宝飾品と。
おまけの雑多なものが残っているだけだった。

「………えーと、はい、帰り道、です」

誤魔化しても仕方がないので首を上下に振って頷いた。

ガルディ > もうちょっと逃げる素振りなり誤魔化した物言いなりをしたって怒りはしないのに。
せいぜい、その後がちょっとハードになるだけで。
肩から胸元まで流した手首から先は、憚らず女の乳房へと被さる。
鞄の次は、今日はきちんと下着に補正されているらしい膨らみを揉む。揉み込む。

「正直モノってのは美徳だよなあ……俺ぁ好きだね」

腕の部分で女の細身を強引に引き寄せる。
胸板へというのではなく、自身も合わせて爪先の向きを変える。
目の前の帰り道から、たったいま飛び降りてきた店へ向けて。

「ヒマっていうなら“約束”果たしてもらわねえと。
 なあに、給金ついでにメシと酒くらい、奢ってやるよ――御主人様が」

手隙である。暇をしている。
女がそう認めた瞬間から、先日勢い余って雑に仕込んだ紋が胎で蠢きはじめる。

まだ閉じた店先の脇から裏口へ引き摺って――

ご案内:「平民地区 繁華街」からガルディさんが去りました。
ご案内:「平民地区 繁華街」からエウヘニアさんが去りました。