2024/10/30 のログ
カイルス > 今日も今日とて冒険者ギルドで仕事探し。
単独でこなせる仕事もあるが、それよりは複数人でこなすヤマの方が稼ぎが良い。

「ワイバーンの退治と巣の駆除……」

目撃情報からすると、番ができているようだ。仔を育てるために親は多くを襲い、被害は拡大するだろう。
縄張りを追われた他の魔物や獣が人間の領域を侵すこともある。生きるのに必死なのは人間だけではない。

この手の難しい仕事はしばらく放置し、値段が釣りあがった頃に仕留めるという手合いもいるが、男の考えは違う。
別の冒険者が先に片づけてしまうのはまだいい。もとよりギルドの仕事は早い者勝ちだ。
力不足の冒険者が血気にはやって挑み、犠牲が増えることを男は心配していた。
とっとと片づけて、ギルドにも依頼人にも安心してもらうのが一番だ。

「とはいえ、一人だとさすがにきついな……」

前衛を任せられる仲間が欲しい。番のどちらか一方を急襲すれば、もう片方が戦場に到着する前に瀕死にできるはずだ。
中級の冒険者複数名に声をかけるよりは、実力をもった冒険者一人と組んだ方が割がいい。誰かいないかと店内をみやる。

カイルス > 目ぼしい冒険者が見つからずに腕組みをした男にギルドの受付嬢が声をかける。
いわく、王城から使いが来て、出頭するよう伝言を頼まれたと。

「……あぁ、もう年金が貰える季節か。しばらく働きづめだったから、ちょっと骨休めするか」

一瞬全ての感情が欠落したかのような真顔になったが、すぐに笑みを浮かべた。
平民の身で城に向かうのは億劫だが、金のためなら仕方がない。
冒険の同行者探しを切り上げて、男はギルドの扉から出て城へと向かっていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からカイルスさんが去りました。