2024/10/28 のログ
ご案内:「花咲く通り道」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 「んー……このお花、なんて種類だろ…?あんまりこの辺じゃみかけないけど、
―――おくすりになるのかな?」

王都の路地にひっそりと咲いた蛍光色の小さな花を見かけたのは、
つややかな黒髪に長いまつ毛の赤い目をくりくり興味深そうに動かす、
裸身に桃色シャツ一枚羽織っただけという格好の小さな薬師の少年。

自分の素材知識のデータベースにひっかからないその花に興味を惹かれた幼子は、
かがみ込んでその花の観察にのめりこむ。
何度か触れてみてその感触を楽しみ、同時に痒みを呼び起こす成分や生態ではないことを薬師として確認し、
しゃがみこむ態勢からさらに低く、四つん這いになってすんすんと匂いを嗅いでみる。

刺激臭や悪臭の類は感じられず、花らしい清涼感あふれる香りが漂い、
香気成分にも特に薬効や毒の作用は無さそうに感じる。

傍目から見てみれば、小さな子供――一見すると少女のようにも見える姿の幼子が、
子猫の真似でもしているかのように四つん這いになって桃色シャツの裾から
可愛らしい白いお尻を突き出し丸出しにして花と向き合う光景。

そのようなとんでもない体勢・格好になっていると思いもしないで、
んーーーっと伸びをするように腰をくねらせ夢中で花の匂いに酔い痴れつつ、
頭の中では慎重に薬効に繋がりそうな情報を拾っていく小さな薬師。

タン・フィール > 「よ、っしょっと……、いっぽん、しつれいっ……!」

ぷちりと根本からその花を手折り、半身を起こしつつぺたんと座り込んだ姿勢のまま、
根本の色や断面を観察し、匂いを慎重に嗅いで、似た香りのものをこれまで取り扱ったことがないか、
記憶とひとつひとつ照合していく。

一枚、ぷつんと花弁を引き抜くと、角度を変えて凝視して

「きれい…… どれどれ、ちょっとだけ。」

花びらに少しだけ歯を立てて、じゅわ、と花の細胞が押しつぶされて、成分を纏った汁気がにじみ出る。
それを舌の先に付けて、数十秒待ってみる。
ぴりぴりと痺れる感覚があれば高確率で毒性があるので、ぺっと吐き出して入念に口をすすいで、毒素を取り込まないよう心の準備。
しかし、苦みや痺れどころか甘みに似た刺激を感じれば、どうやら毒物ではない、と判断して。

「ふんふん、花びらに毒性はナシ……と、 根っこや茎はまだ判別できないから、
お店に持って帰っていろいろ検証してみないと……っ」

花を目の前にしていたときの、無邪気な様子とは一転して、
薬、薬効に関してはそれを扱うプロとして真摯に真剣に向き合い、慎重に取り扱う姿勢を見せて。
いくつか比較検討のためにも詰んでいこうと、路地に咲く様々な種類の花に目を向け、採集していく。