2024/10/14 のログ
クレイ >  男の戦術はまさに見事であった。最新の兵法。攻めに特化したそれが来ることを見越した陣形。少数の中心を囮に左右からの挟み撃ちで一気に蹂躙する方法。
 そして更に火を用いる事で相手の逃げ道を完全に潰し。後は徹底した蹂躙。まさに攻めの弱点。守りを突いた形。
 しかもその目的を隠すためにわざと負けっぽく見せて撤退したり、わざと発見される役割の意味のないバックアタック目的の部隊を用意したりと事前の準備を怠らない。
 
「まぁ、いい感じにお灸をすえたって所で良しとするか」

 実際、今回の依頼。受ける気は無かった。貴族の目的が透けて見えていたから。
 銀鷲というネームバリュー。それを打ち破ったという功績。そして自身が雇うであろう冒険者や傭兵。それらを滅茶苦茶にしたい。女ならば犯し。男でも犯すかもしれないし、拷問などで遊ぶかもしれない。
 勿論自身もその対象だったのだろう。恨まれている自覚はあった。
 だからこそ受けた。自分を恨む貴族に明確に宣言する為に。
 てめぇらが喧嘩を売る相手はてめぇらじゃ勝てねぇんだと。

「ま、配下の騎士や雇われ諸君は可哀想にな。まぁ始めから全部伝わってる話だ。勝ち馬に乗れなかったって事で。いい勉強だ。死ぬよりましだろう」

 ホントの戦場ならば死んでいるか魔族の国に連れ去られているか。どちらにしても今よりも悲惨な目に合うはず。
 であればこの程度で済んだのはまだ幸いだ。
 そもそも依頼の時点で。配下の騎士の時点で殺す以外は全て許可されるというのは伝わっている話。であれば同情などする方が無礼だ。
 砦内。殺しがないだけでそこはリアルな戦場。その敗者と勝者の構図が明確に描かれていた。
 敗者は奪われ蹂躙され、勝者は奪い蹂躙する。そんな構図が。

クレイ >  
 こうして狂気の戦場は幕を下ろす。
 たしかに死人は出なかった。だが、戦争を知らない騎士は。そして王都という背景によって守られた。つまりは敗北を知らなかった騎士にはトラウマを刻み込む。乗り越えた者は強くなるだろう。しかし乗り越えられなければ……騎士を引退していく事だろう。

ご案内:「近郊の砦付近」からクレイさんが去りました。
ご案内:「テント」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 昨夜、薬の素材となる薬草や動植物の素材を採取するために、
寝袋と旅道具を手に夜の冒険に出た薬師の子。

目当ての場所でそこそこの成果の素材の収集を終えて、
寝袋に焚き火に調理器具と、旅道具を展開し、
ホットミルクを飲んですやすやと寝入ってしまった。


「―――んぅ、ぅ、あ……? ふぁあ……~~~っ。」

寝袋の中で大あくびをかまして、今にも目覚めんと覚醒に向かう幼子の意識。
もし目を覚まして半身を起こし、少女のような貌の目元を擦りながら寝袋からもそもそ抜け出してくれば、
繰り返された寝返りで裸身に羽織った桃色シャツの懐ははだけて乱れ、薄い胸板の先端から桃色の突起が覗く。

次いで、きょろきょろ不思議そうにあたりを伺うだろう。
ここはどこだっけ、どこで眠ってしまったんだっけと。

王都の平民地区か貧民地区か、どこかの地区の空き地かもしれないし、
郊外の平野や森林かも知れない。

あるいは、洞窟や…
無名遺跡のどこかかもしれない。

タン・フィール > 「……~~~~~~……にゃむっ……」

はだけた胸元を整えるのもおっくうそうに、テントの中でもそもそと寝起きの軽食の準備をする。

テントの出入り口を軽く開けて換気し、軽量化された炭を適量、地面に積み上げる。
そこに、空気に触れただけで発火する特殊な薬品をぽたぽた垂らせば、あっという間に足跡の火起こしが完成し、
そこで昨日のうちに組んでおいた水からお湯を沸かし、夕食の小型の鍋を煮込み…

出来上がったのは、眠気覚ましになる効果のハチミツ入りハーブティと、
ドライトマト・干し肉・豆の入ったスープ。

「――――あちっ……っ っつつ、 ふーっ…ふーっ……♪」

まだ完全に覚醒に至らず、眠気と惰眠を貪りたい欲求でぽやっとした意識のなか、
熱々に熱されたハーブティのカップと容器の中のスープに息を吹きかけて、適切な暖かさまで冷ましていく。

その、家庭料理としては質素だが、旅人の食事としては十分な朝食の匂いが、
換気のために開け放たれたテントの隙間から外界に漂っていて。

ご案内:「テント」からタン・フィールさんが去りました。