2024/10/13 のログ
■ラヴィニア > 一度空腹を感じると、だんだんとそれが堪えきれない物へ変わり、空腹が飢餓へと変われば、その感情を人間に向けるのは危険だと、それとなくであるが魔物はそう思えば、貧民地区へと足を向ける。
「ア、あ、おなか、空いた。
ぱん、ガ、たべたイ………。」
小柄な人影は大きなため息とともに言葉を吐く。
途中で先ほど落としたぼろ布を拾い上げて、人影は闇の中へと消えていく。
ご案内:「平民地区 路地裏」からラヴィニアさんが去りました。
ご案内:「貴族の屋敷」にメレクさんが現れました。
■メレク > 享楽と退廃を愛する王都マグ・メールにて今宵も催される舞踏会。
贅の限りを尽くした調度の数々が彩る部屋で、お抱えの楽団が艶やかな音楽を演奏する。
振る舞われる食事や酒も庶民では生涯で口にする事も叶わぬ至高の絶品で、
招かれた客人達も、華やかなドレスで着飾った王侯貴族や大富豪といった上流階級の名を馳せた人々。
持て成す側は侍女を始め、奴隷の男女や高級娼婦、果ては事情も知らされぬ女達だが、見目麗しい容姿端麗な者ばかり。
更には多様なニーズに応えるべく、出生地、人種も問わず、王国人以外にも北方帝国人、ミレー族や魔族まで混ざり込む。
だが、煌びやかな夜会で行なわれているのは、王都に相応しい一夜の享楽に耽る欲望まみれの宴であった。
招かれた人々は酒や料理に舌鼓を打ち、会話に花を咲かせ、音楽に合わせて踊り。
同じ招待客同士、或いは、用意された奴隷や女を見繕い、会場の片隅や別室で情交に耽る。
其処に男女の垣根はなく、人数の制限もなく、如何なる制約も存在しない、正に背徳の交わり。
ただただ、欲望を晴らす事のみが、この宴の席に於いて唯一無二の共通認識である。
その会場全体を見渡せる席にて一人の男がソファに腰掛けて高級ワインを嗜んでいる。
でっぷりと肥えた身体に、醜悪を絵に描いたような容貌の主、それがこの夜会の主催者である。
傍らに最上級の奴隷達を侍らせて、時折、近寄ってくる貴族達との他愛もない会話に興じながら、
彼は人々が快楽に堕落する姿を眺めて、心底愉しそうに只々ほくそ笑むばかりであった。
ご案内:「貴族の屋敷」からメレクさんが去りました。
ご案内:「近郊の砦付近」にクレイさんが現れました。
■クレイ > 王都近郊の砦。言ってしまえばここは王都の最終防衛地点のひとつ。
しかしそこに今翻っているのは王都の旗ではなく、黒塗りされた漆黒の旗。
そしてその最上段。傍の付近にいる男は眼下の敗残兵を見てニヤリと笑う。
反乱? 反逆? 否である。彼の目的それは。
「おい騎士共! てめぇら1から鍛え直してこい!!」
仮想敵。
今回、彼は面白い依頼を受けていた。それは王都の仮想敵をしてほしいという依頼。
王都付近まで攻め込まれたという想定で行う仮想戦争。その敵国というロールプレイを行っていた。
実際は欲に釣られた貴族があの銀鷲を負かしたという功績欲しさに雇ったのだが……結果は見ての通りである。
「さてさて。まさか、負けて終わり……なんざおもってねぇだろうな。なぁてめぇら!!」
引き連れた傭兵はおう! おう! おう! と大合唱。荒くれ共はただ戦うだけで満たされるわけがない。そして傭兵だけではない。こちらに着くと宣言した冒険者や騎士もまた。勝利という狂気に酔う。そうなるように男が仕向けていた。
敗者には敗者の苦渋を。殺す事はしない。言い方を変えればそれ以外はやってもいい。そう言われていた。その悔しさが恐怖が後の戦力増強に繋がるから。
実際は彼が雇った傭兵や冒険者を滅茶苦茶にしたいという目的だったわけだが。
逆に騎士や王国側が雇った冒険者や傭兵が滅茶苦茶にされる事態に至る。
とはいえ彼はあまり興味も無く、適当なタイミングで砦内に戻ると椅子にドカッと腰を下ろす。