2024/10/08 のログ
ご案内:「王都郊外」にヘレナさんが現れました。
ヘレナ > 「あの、よ、よろしく、おねがいします……」

力仕事を率先して受けている内にある程度優先的に回してもらえるようになった。
実際のところは労力の割に安くて人気のない仕事が押し付けられているだけなのだが、おかげで食いっぱぐれる事はない。
とはいえこのままだと収入を増やすあてもなくジリ貧である。
解呪の手がかりを探すどころではなくただ生き永らえているだけであった。
そしてこの風体と性格なので細かいセクハラは絶えない。
貞操だけは守っているものの、心身をすり減らす毎日だ。
今日も郊外で荷運びという仕事で、冒険者というよりも荷運び屋として認知されつつある。

「あ、ま、またお会いしましたね……。いえ、その……、この格好は、特に意味は……」

似たような仕事ばかりをしていると何となく顔見知りが出来てくる。
今日はそのうちの一人から、何故こんな格好をしているか直球で聞かれてしまった。
無視するなり適当に聞き流しても良いようなものだがヘレナの性格的に難しい。
そして本当の事も言えず、好きでしている格好と思われても仕方のないような受け答えになってしまう。
そのまま作業に入り、当たり障りのない日常会話を振られながら手足は止める事もなく。

「あ、このごろは、秋っぽく……。、いえ、寒さは、別に、平気ですけど……」

ほぼ裸というよりもギリギリ裸ではないという露出度だが、時折冷え込むこの時期でも特に寒さを感じない。
元々寒さには強い方だったが、もはやそのようなレベルではなくほぼ素肌を全て晒しているのにいつも適温という感覚である。
よく考えれば妙なのだが、何故かこれが当たり前だと受け入れていて。
こうして話題に出されてもそれ以上深く考える事はなかった。