2024/10/03 のログ
ご案内:「平民地区 繁華街」にエウヘニアさんが現れました。
エウヘニア > 胃袋を刺激するいい匂いが、食事処から漂ってくる。
昼時というには少々時間は遅いのかもしれないが、現状飢えてる女にとってあまり意味はなかった。

ぐう、と主張してくれる胃袋のあたりを服の上からさすりさすり。
若干前かがみでふらふら歩く足元はおぼつかない。

もう、わかりやすく 「オナカ、スイタ」 を体現中だし、視線がうろうろとすぐ入れそうなお店を探すのだけど。

(んんん、どこも並んでるぅ………)

美味しい匂いは漂ってくるのに、ちょっと出遅れ感が否めないせいかどこも盛況で、人気の店は人が並んでるような状態にうぐ、と二の足を踏んでいる。

これはもう市場の露店ご飯に視点を切り替えるべきかと美味しいもの探求への欲求のまま、うろうろしている様は実に怪しかった。

エウヘニア > いくら比較的治安は確保されているとはいえ、人通りの多い通り。
時間帯もあって気を抜きすぎるのは良くなかった。……あくまで結果論ではあったが。

ゆったりというか、よろよろというか。普段よりはとろい足取りは、他者のそれと合わせられるわけもない。
うつむきがちなせいで視線は下。それをカモとみなす誰かもいたようで──

ドン、と誰かとぶつかる衝撃に体がよろける

「ああ、ごめんなさ」

ぶつかったことを謝罪するよりも早く、する、と懐が軽くなったのに気が付いた。
「ちょっと!?」と呼び止める声や行動よりも早くにその人影は雑踏の中に埋もれていってしまう。

「ちょ、え、あーーー!?」

上がった間抜けな悲鳴に周囲の人混みが自分を避けるように広がった。
もっと早いうちにそうしてくれたら…!っていう恨み言はともかくも。

昼食代は誰かの手の内へと転がっていってしまったのにがっくり。
いったん自宅兼工房に戻れば貯えがないわけじゃないんだけど。

(う"ーーー)

「どうしようかな…」

面倒くささと食欲を秤にかけながら、うろ、うろ。

エウヘニア > しばらく歩いて──知り合いの食事処に事情を離してご飯だけ食べさせてもらおう、なんて結論に至る。
お金は後で、あるいはそのまま皿洗いか何かという肉体労働を引き換えに。

「うん、もう、ついてなーい」

しょんぼりしながら見知った食事処の一つへと足を運ぶのだった。

ご案内:「平民地区 繁華街」からエウヘニアさんが去りました。
ご案内:「空き地」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都平民地区の空き地、原っぱ。

地主の許可を得てここに宿泊用 兼 薬屋のテントを設置させてもらった少年薬師は、
テントの外で何やら鍋を焚き火にかけて煮込みながら、
その近くに王都の兵士が剣の訓練で使用するようなダミー人形を立たせ、
3mほどの距離を保って向かい合うと、ゆったりと着込んだ桃色シャツの袖に仕込んだ極細の薬瓶を取り出して。

「――――ぇいっ…!!」

薬瓶の栓を抜いて、中身を人形めがけてふりかける。
ほんのスプーン1杯ほどにも満たない液体がダミー人形に降りかかり、空気と反応した途端に、
ぼわり、と激しく炎が巻き起こり、15秒ほど燃焼を続ける。

「……やっ!!!」

続いて、別の薬瓶の中身を同様にふりかけると、今度は着弾地点が一瞬で氷結し、
初級~中級の氷魔法のような効果で、ダミー人形から野太い氷柱が複数本飛び出してきて、消火される。

「…ぅん、発火薬と氷結薬はこんなかんじ…、とっ。」

おもに戦闘用や支援に使えそうな、炎と氷を巻き起こす薬の使い心地と威力を確かめる、
いち薬師として少年が行うには珍しい、一種の戦闘訓練(素振り)であった。

タン・フィール > 「つぎは……これっ!!」

びゅっ と風を切って放り投げられた薬瓶が、ダミー人形にあたって割れ、中の液体が氷結した上半身部分にふりかかる。
途端、じゅわじゅわと表面が泡立ち、ゆるやかに布地部分や金属部分が溶解してグズグズに滴っていく。
―――延焼や氷結よりも殺傷力のある、切り札に等しい、腐食効果のある酸による攻撃。

「―――これはできれば、つかいたくない、なぁ……」

これまで暴漢や魔物に襲われた際には、炎や氷の薬を振りまいて自分を追う道を塞いだり、
相手にごく少量ふりかけて軽い火傷や凍傷を負わせる程度で撃退することで難を逃れてきた幼子。
独り言で発した通り、この腐食の酸は強力すぎる故に使いたいとはとても思えず、
どうかそんな瞬間が訪れないことを祈るばかり。

「えっと、あとは幻惑剤と、睡眠剤と、麻痺の薬のヤツとーーー…っ」

他、戦闘や支援・闘争に使えそうな状態異常効果のある予備の薬をあらため、一見すると見えないように袖口に仕込む。
投げナイフの達人のお客様から教わった、極細最小の薬瓶を持ち歩くのに適した内ポケットに、隠し武器を揃えて。
ふわっ…と香ってくる鍋の中の甘い匂いに、はっとなって鍋に駆け寄る。

「っととと、いけないっ! 煮えすぎちゃうっ」

あわててその、ジャムでも煮詰めてるかのように甘い薬汁をかき回して煮詰まるのを防ぐ。
鍋の中身は、冒険者にも夜の性活にもおすすめの、体力向上・精力充実に役立つ強壮剤のたぐいだ。

ご案内:「空き地」からタン・フィールさんが去りました。