2024/09/19 のログ
アキアス > 危険さの程度が問題ではないと言われれば大きい肩を小さく竦めておどけてみせる。
男も長く冒険者などやっていれば、解った上での物言いといったところなのだろう。
どちらにせよこの場所は男にも有難いのだ。海賊たちは気風も良く、商談相手と認められれば話は早い。
もっとも、カモにされたりボられたりもあるのだろうが、そこはこちらも持ってくる物の出自が出自。

今バーテンが出してきた金額も、そのスクロールを自分でうまく捌けるなら、それをしたときより安いのだろうが。
危険な橋を自分では渡らずに済むと考えれば十二分に満足できる額で、バーテンと視線を合わせればにんまり笑い。

「売った。金はステンロ商会のほうに預けといてくれ。
 ぃやぁ、ロベルタ様々だなぁ。あとは島でバカンスして帰るだけだ」

懇意にしている、今回島に来るのに使った商会にと代金を預けるのは、持ち歩くのはそれなりの大金だからだろう。
バカンスとは海賊島には向かない言葉かもしれないが、
あとは同道した商会の船なり他の船団に仕事で潜り込むなりで帰るだけ。
そういう余暇を過ごす身になった、という意味合いでの言葉だろう。

隣の商談相手にと乾杯とばかりに気分よさげにグラスを掲げて見せる。

ロベルタ > バーテンが示した金額で、男が妥結すれば、口元笑みを深めて

「まいどあり。ああ、いつもの商会ね。分かったわ。ただ……」

バーテンに視線を向けて目配せをすれば、中央に割り印を打った三通の書類をアキアスの前に差し出して。

「もう何度もやってるから分かってるとは思うけど、念のため。
一通は、アキアスに。もう一通は、ステンロ商会に。最後の一通は、アタシが持つわ。

滅多な事じゃないとは思うけれど、ステンロ商会がアキアスへの支払いを渋った場合、ステンロ商会はアタシのターゲットになり収奪物でアキアスへの支払いを完遂する。

アキアスが、ステンロ商会かアタシたちを騙したことが判明したら、アタシたちとステンロ商会が組んで、アキアスを追い詰める。

そして、アタシ達が支払いを反故にしたら、アンタ達の手元にある二通の書類をもって、参事会に申し出れば、アタシはこの島を追われる。」

いつもの契約書をきちんと説明したうえで、問題なければサインを、と促す。
ステンロ商会もクレヴ海賊団との取引があるので、書名があり、元々クレヴ海賊団発行の契約書なのでロベルタの署名も既に書かれている。
最後に支払金額をそれぞれに書きつけた上で、アキアスに三カ所へのサインを促して。
それが終われば、一通をアキアスに渡すことで商談はおしまい。

「商会が帰るまでのバカンスね。
最近、レディ・イン・ザ・ポートに凄い上玉が入ったって聞いたわよ。
アキアス好みなんじゃないかしら。」

色が好きなことは会話からも推測できるがゆえに、そんな言葉を向けてみる。
勿論、商談を終えた後の乾杯は己もグラスを掲げて受け入れて。

アキアス > 差し出される三通の書類。
貧民出身の男は学が無いが、理屈や道理は身に染みて解っている。
それゆえにこの年まで冒険者などという稼業を続けていられるのもあって。
美人海賊を前にして緩んだ表情のまま、視線は差し出され説明される契約書のほうへ向けられる。
その瞳の動きから、内容をしっかりと確認している抜け目なさが知れるだろう。

彼女を信頼していないわけではなく。そうして気を遣うべきところには気を遣うのが、誠意だと考えている。
金に、酒に、女にだらしない。そういった普段の振る舞いとは別の、
仕事やら約束ごとやらに真摯な男の性格は、彼なりの冒険者の在り方も垣間見えるようで。

「……おう、確かに。……よし。ん、あそこか。ケチらなきゃ外れもねぇとこだが……。
 好みで言えば、目の前にいっとぅ好みな女が居るんだがよ。
 大事なお姫サンとの出発まで、も少しあるんだろ?」

内容を確認すれば、大柄な体に見合わぬ丁寧な字でサインをし、一つを受け取って懐に納める。
それで商談は成立と頷き、彼女と杯を合わせながらに、振られた話題には彼女の方にと矛先を返すようにして。

取引の折に彼女へこうして声を掛けるのもいつものことだろうか。
船を姫と言い換えながら都合を探る様子からは、彼女の海賊団の出航予定も大まかに探って来ているようで。

ロベルタ > 軽薄で、ずぼらに見せていても、知るべきところはきちんと知って、理解すべきところはきちんと理解する。
そういう抜け目ない所も好感が持てる相手でも会った。

そうでもなければ、故物の取引を長く続けることもない。

水を向けた娼館の話に帰ってきた反応。
いつもの調子ゆえに小さく笑いをこぼしてから

「言いたいことはわかるけど、アキアスの『具合』の噂をアタシが探ってないはずもないでしょう?
今日これから、なんてなったら、次の出航の時に両足できちんと立ってられるか分かんないわ。

そんな冗談は置いといて、噂通りだとしたら、こんなちょっとした時間でつまみ食いなんてつまらないじゃない。

いつも言うことだけど、アタシと寝たきゃ、それだけのためだけにこの島にいらっしゃいな。
何日も何日も滞在するつもりで。
そんな時に、アタシが3日以上の休みを取るときだったら、そん時は最低2日は抱かれてあげる。」

口元意味深な笑みを浮かべてそんな言葉を向けて見せた。
抱かれることはない、とは言わなかった。
だが、抱きたいのなら、もっと追いかけて来いとは口にした。
空振りになるかもしれないけれど、それでもいいと追いかけるなら、そして運命が重なったなら濃密に楽しめばよいだろう、と。

アキアス > いつもの調子でかけた言葉には、冗句めかしつつに具体的にも聞こえるような。
それでいて、その気で来たとて結局は彼女の都合とうまく合致するかは行き当たりばったり、というような話が返ってくる。
彼女の浮かべる笑みにからかい以外の意図が籠っているかどうかはわからない。
多少、上等な客相手のリップサービス込みかもしれないとも思いつつ。

僅かの間、先程まで浮かんでいた笑みを口元をグラスで隠し、碧眼細めて彼女の蒼い瞳を覗き。
そしてふは、と、息を吐き出すように笑って。

「そりゃ簡単じゃねぇ。ロベルタが三日もお姫サンに乗らず我慢できるとも思えねぇからな」

船に三日乗らない日など稀だろうと、海賊相手に思えば当然とも言える言葉を告げながら。
もちろん天候、船の整備、トラブル――いろいろな要因で彼女が休暇を取らざるを得ないこともあるだろう。
とはいえ。それをあてにして足繁く通ってみるのは、資金的にも、根気的にも準備が必要そうで。

「じゃ、港の上玉にでも逢いにいってみるかねぇ。……またな、ロベルタ」

今日の所は、と言わんばかりにグラスの残りを煽り、カウンターに置いて。
代金は取引の分から引いといてくれ、と告げては、ひらりと後ろ手を振って商館から去っていく。

また、と語った日が商談の日になるのか、彼女を抱くためだけに来訪する日になるのか。
次の邂逅の折には、それが解り、結果も解るのだろう。

ご案内:「海賊島レオガン・都市レオガン」からアキアスさんが去りました。
ロベルタ > どこかのおとぎ話にある、無茶振りをする姫のような言葉にアキアスが漏らす感想は、それもまた正しい。
なかなかに、そうめったに起こり得ることではないのだが……

「OK、酒代は引かせてもらうわ。
……ええ、楽しんでらっしゃいな。」

そんな言葉と共に見送る背中。扉をくぐって消えるまで見送った後で、バーテンが書けてくる言葉。
だいぶ無茶振りをしたのでは?と。

その言葉にくすっと小さな笑いをこぼせば

「言葉通りに受け止めればそうでしょうね。
ただ、お前もあいつも大事なことを一つ、見落としているわ。」

その言葉にバーテンが怪訝そうな表情を浮かべて見つめてくれば、楽しげに大笑いをしてから続ける言葉。

「船の運航は、アタシが好きに決められる。
アイツが本当にやらなきゃいけないのは、覚悟だけよ。
ああ言われても、このアタシのケツを追いかけてくる覚悟だけ。」

だって抱かれないとは言わなかったでしょう?といたずらっぽく笑えば、今日は休むわ、とバーテンに告げて、奥の自室へと消えていく。

この後は、店番をするバーテンが、閉店まで切り盛りしていたが、次の来客はなかったとか。

ご案内:「海賊島レオガン・都市レオガン」からロベルタさんが去りました。