2024/09/04 のログ
影時 > 「そうなんだよなァ。
 暑い時はちと勘弁蒙りたいところもあるが、……何だかでな。気づけば定位置になっちまってるのがね」

初めて遭った時も、そんな塩梅でもあったか。
モモンガを連れて出歩く際は、おのずと定位置が決まっている。肩上か頭髪の守り神よろしく頭上か。
暑い夏場ばかりは流石にと思うこともあるが、それはモモンガ側も同じらしい。涼しさが欲しい時は場所を変える。
小袋を開いて差し出し、中身を摘まみ出す姿に頷けば、見えるご飯に二匹がぴこっと尻尾を立てて反応する。
こっちー、こっちーと身を乗り出すように前足をそれぞれ出せば、はい、と差し出されるものにきらきらお目目。
無事受け取れば、しゃくしゃくかりかり……と響き出す、無心な食事タイム。

「手っ取り早い片づけ方にしては間違いないが、出すときに困るのも御免蒙りたいがね。
 際限なく放り込める何かがあるにしても、其れは避けたい。

 ――俺のような手合いは、物を投げてナンボ、ということもある。投げ物が胡乱過ぎるのは、しまらんだろう?」

それは、取り敢えず物を集めて、布団だか何かで強引に包み隠すのと、大差がないのではないだろうか。
ふと内心でそんな感想を抱く。男所帯はついつい雑な片づけ方をしてしまいがちにしても、把握が行き届かない事態は避けたい。
忍者のとりえの一つとして、物を投げる、投擲するという遣り口も軽くない。
その場その場で手裏剣を投げる、石を投げる、他の得体の知れないものを投げる――等々。分かっていないとまずい。

「外で食べる分にならご自由とは云うが、例えば俺達が麺麭を食う時の欠片とかばかりは如何ともし難い。
 ……この感じじゃア、掃除はやっぱり避けられねェかね、こりゃ」

特にヒマワリの種を出されたとき、だろう。齧って種の中身を出して、景気よく殻を捨てる処までが心地いいらしいのか。
二匹の食事、嗜好品で間違いなくゴミが出る、空が残る食べ物の代表例と言える。倉庫内でよく掃除するものの筆頭。
その辺りも含め、止められない。止められない。
じー、と。二匹を見る。可愛げたっぷりにウィンクしても、射止められるのは乙女のハート位だというのに。

「正解だ。……気に入ったなら、どっちか持ってくかね?」

剣自体も悪くはないが、普通の域を超えない。今外に出したもので白眉たるはこの二つだ。
それと出来自体は並ぶか超える屠龍の太刀たる愛刀もあるが、此れは屋敷に出入りする際の慣習として、家令に預けている。
そんなものが無造作に出され、並ぶ情景に、指差される品々に小さく笑いながら問うてみよう。

リザ > 「そうすると、この子は自分の可愛いと感じてもらえる見せ方を知っているのかもしれませんね。」

可愛いと認識されれば、敵意は大きく減衰する。自分の身を守るためにはとても有用なスキルだろう。
勿論、そんなことなど微塵も考えておらずにただただ本能のままに突き進んだ結果が可愛いだけなのかもしれないけれど。

差し出したごはんと欲しがる様子と食べる様子をよく見れば

「ふふっ、可愛い」

ごーはーんーの所作もまた、とても可愛い。
その感想が、そのまま普通に口を突いて出て。

「なるほど。先生の特性からすると、きちんと片付いている方が都合が良いのですね。
それに、片付いている方が時間を無駄にはしなくて済むと思いますし。
とはいえ、いざという時にとんでもないものを投げてしまう先生も見てみたくはりますが。」

軽口めかして向けた言葉は、少し前の会話とさほど相反していないもの。
なればこそ、向けられる言葉もしっくりと入ってきた。

「そうですね。この子たちは自分のやりたいようにやるつもりとも見受けられます。
だとすると、掃除ばかりは避けられないかもしれません。」

そんな言葉を口にする。半ばあきらめの境地とも言えるが、これはこれで可愛いので掃除くらいはしてもいいかなとか考えていた。

そうこうしていれば、指摘した二つの武器が良いものであることを成果厭いされ、どちらかを持っていくかと問われる。
暫し二つの武器を見つめていたが、ゆるり、と頭を振って。

「多分、今の私ではその武器に振られてしまうでしょう。もう少し腕を磨いたときにまだあるのなら、その時は譲ってくださいませ。

影時 > 「……――否定し難いな。

 俺は兎も角、こいつらは大人が苦手な子でも寄っていくと、嫌われねェんだ不思議と。
 若しかしなくとも――俺よりそっと心に踏み込み、歩み寄るのが上手いのかもしれねェ」
 
ただでさえ可愛い、可愛いもの好きに踏み込める上に賢く、道具も使える。そんな凄い獣たちである。
その実、小動物ではなく妖精だった、と言われても納得しかねない。
仮に万一そうであったとしても、そうでなくとも、可愛いこそが正義を体現できる生き物であることに否定意見を持てない。
胡乱げな男が小さな女の子に寄るのは如何わしいが、この二匹が近寄るなら、それは美しい情景でもあるだろう。

「お嬢様も、な?」

聞こえてくる言葉に、見える情景を見返せば自ずと零れるものもある。
可愛い小動物に餌を与えながら笑う美女の姿とは、これもまた立派に絵になる情景に他ならず。

「そういうこった。
 整理とは言い過ぎでも、最低でもどこに、なにが、あるか。認識が行き届いてねぇ状態を俺は避けたい。
 ……あんまり想像はしたく無ぇなぁ、そりゃ。
 拵えるに手間暇かけた大巻物とか、うっかりぶん投げて使っちまった日にゃ大損が過ぎる」

俗に在りがちな情景、ケースとして、“散らかっているが何処に何かがあるか分かっている”。
最低条件まで、それが保てる状態でなければ、戦闘時に雑嚢の中身を適宜取り出し、有効活用は出来ないだろう。
自分から見て倉庫の中が莫大と感じられるのは視野が狭いのかもしれないが、極力無駄を避けておきたい。
想定できる限り、あっては困る“うっかり”を思う。倉庫の一角、装備や忍具類の置き場に割り当てた先に置かれたものを思う。
大きめの掛け軸よりも尚大きく、長い特製の巻物は、書き記した呪言と密度的に、使う場面を選ばねば無駄になること疑いない。

「……散らかって困るなら、散らからない餌持ってこい、とも言いそうなツラしてンなぁ。
 “ちぃず”だけじゃ偏るから、結局無理な相談じゃねえかおまへら」

実際、二匹の毛玉がそう喋るのではない。そう言ってそうな気がする、だけである。
だが、意味は間違っていそうと思わないのは、それなりの付き合いであり、それ位気心知れているからと思う。
人間と同じように餌が偏るのは、彼らにとっても良いことではない。種やナッツ類のあげすぎも良くない。
それに殻剥き済みの餌というのも、齧歯類らしい咀嚼力の維持の問題でも善くない――という。やれやれ、と息を吐き。

「ン、心得た。俺から一本取れるようなコトが出来たら、その時にでもかねぇ」

そして、続く言葉に目尻を撓らせつつ、承知したと頷こう。
この倉庫がある限り、中に安置し続けていても困らない。ただ、模擬戦で一本取れるようになるかは、どうだろうか。
改めて毛玉たちが寄り付く美女の姿を頭から、足先までじぃと眺め遣る。
見目の器は出来ている。早熟でありながら、此処まで為せるは見事。あとは中身。器に注ぐ水、酒の良し悪し次第。

リザ > 「そうすると、この子たちは素晴らしい才能の持ち主でもあるのですね。」

子どもに好かれるというのも一つの才能だろう。
そう考えれば、この二匹も素晴らしいの才能の持ち主という事になる。
そして、そんな才能こそが、いざという時に好きになることもあるかもしれない。

そんなことを考えていれば、彼から向けられる言葉。
その意味を受け取れば、はにかんだような笑顔を見せて

「ありがとうございます。つい漏れた言葉でしたが、そう言ってもらえると少し恥ずかしいけど嬉しいものですね。」

そんな言葉の中で、整理整頓の話をひとしきり耳にして。
大巻物の話に頷きながら

「そんなことになってしまったら大損ですね。やっぱりどこに何があるかくらいは把握していた方が良いのは間違いなさそうです。

笑い話で済むものなら良いのだが、笑い話で済まないものを投げてしまうというリスクは避けられないことになる。
それを避けるための準備と考えれば、整理整頓の必要性は、より大きくなることだろう。

「あら、散らからないエサなんてありませんよ?どうあっても、気を付けなければ散らかるものです。
チーズにしてもチーズくずは出ますからね。」

リザは二匹に行動を矯正するような話は一切しなかった。
だが、こうした方がより良いのではないか、と言う情報提供は続けていた。
それが届くのかどうかはわからないし、そもそも言葉が通じているのかどうかすら怪しいものだ。
それでも通じていると考えて話をするのは楽しいものだから、それでいいのだろうとも考える。

「先生から教わる戦闘技術を使った実戦も、別でもう一人教わっている武器扱いのの実戦も、
形は違えど目指すところは一緒で、それでもルートがこんなに違うんだなと面白く思っています。

まぁ、まだまだ未熟ものですので、今後ともご教示をお願いいたしますね。」

影時 > 「カワイイを抜きにしても、なぁ。……中々居ないんじゃねえかな、こいつらみてぇな凄いのは」

子供に好かれるのも凄い。見た目が胡乱げな大人には出来ない所業だ。
だが、この二匹はそれだけではない。同種と比べて頭がよく、力があり、賢い。そんな凄い毛玉である。
可愛い上に、人語も解せて、色々と器用なのは、野生の生き物でもどれだけ居ることやら。
二匹の丸っこいのが、飼い主と令嬢を交互に見て、えへんと白いふわふわの毛を見せるように胸を張る。

「どういたしまして、だとも。
 これで言わなきゃあ――何と言うか、な。言わない奴は色々と見る目がない、とは言い過ぎかね」

竜種の証である角を抜きにしても、元々からして美女だ。
文字通りの絵になりそうな情景がついつい決まってしまうのが、素地の良さがそれだけで見て取れる。
女性側からの考えは兎も角、男側として思うなら矢張り思う処の一つや二つ、素直に漏れてしまうもの。
続く言葉には、全くだ、とそっと息を吐く。大巻物などのような、大物、大仰な道具は中々使うものではないが――、

「まぁ、今のは極端な例ではあるが、ね。
 そうでなくとも、魔法の有無にかかわらず、何処に何を納めたかは明瞭にしておくこと。
 それに越したことはない。此れは日常も、咄嗟に襲われそうになった時にも通じる」

――こう述べると、教訓らしくとも肩書の一つらしくともなるだろう。
所定のどこそこに何を入れているという習慣付け、認識を固めて、都度確認しておくのは、どんな場面にも役に立つ。

「おっと。確かにそりゃそうだ。此れは一本取られたね。

 面白く感じられるのは、良いことだ。自分にはこれ、と固めちまうには今はまだまだ早過ぎる。
 今はあれこれ試して、取捨選択する意味においても、学びが多い方が良い。
 
 畏まりました、お嬢様。――なんて云うまでもなく、俺が教えられるものがあるなら、存分に、な?」
 
子分たちには注意やら苦言を向けても、それ通りに振る舞ってくれるとは限らない。
それはそう。彼らは人間ではなく、動物だ。飼い主が飼っていると思っている側に振り回されるのは、自分たちの間柄でも同様。
取り敢えず適度な掃除は今のように欠かさず続けよう。ゴミくずが散っても、倉庫の中は不思議と蟲が沸かない。それだけで十分としよう。
そして、もう一人の師と聞けば気になるところもあるが、とやかくは言わない。そのつもりもない。
こう言うこともある、こういうこともできる。大なり小なりの気づきと学びを示すことが、自分の仕事であると認識している。

こちらこそ、と、冗談めかせるように芝居がかった仕草で会釈をしてみせ、笑みと共に小さく片目をつぶる。
身を伸ばせば、二匹を呼び戻して巣箱の点検と掃除、片づけにかかってゆこう。
片付けの途中、この箱には何が入っているとか、茶の湯も興味あるかね?と問いつつ、楽しげに。

リザ > 「ふふっ、そうですね。言葉を話せないはずなのに、なにを言っているのかわかる気がするというだけでもすごいものです。」

彼の言葉に同意して、応じていけば、己の礼に返ってきた言葉。
今少し顔に朱が深まれば

「ふふっ……お上手ですね、と言いたい所ですが、先生がそう評してくださるのは先生がそう思っていただけたという事ですので、
そのまま受け入れさせていただきます。」

感覚は人それぞれだけれど、それでも彼がそう思ったのだ、という事ならば、その事実は受け入れるべきと考えた。

「はい、それはまさにおっしゃるとおりかと。
故に、私も心しておきますね。」

整頓については必要性を改めて認識した。
何となくやった方が良い位の感覚だったからこそ、イメージがアップデートされたのは大きいことだろう。

そして、面白く感じられることをよいことと言ってもらえることで、
自分の感覚、考え方は誤っていなかったと理解する。
何よりも、学ぶことはどのようなものであれ楽しいことなのだ。
故に、また授業に限らずこうして語らうことでも学びを得ることも必要だろう。

そうこうしていれば、二匹を招く彼の様子。
そして、それに応じて離れていく二匹。
これから片付けにかかる様子に、今日はここまで、と己も考えて。

「改めまして、貴重なお話ありがとうございました。
また、よろしくお願いいたします。

……バイバイ。」

彼に丁寧な例を口にして、そして離れた二匹には、フランクな挨拶を返せば、踵を返して建物の中に。
今日も有用な学習ができた、と喜びながら自室の方へと消えていった。

ご案内:「トゥルネソル邸」からリザさんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル邸」から影時さんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都マグメール店」にリスさんが現れました。
リス > トゥルネソル商会、王都マグメール店。
 富裕地区と平民地区の中間点にある、大店舗。
 煉瓦造りの建物地下1階地上四階の大きな店で、それぞれの階層でそれぞれの商品を売っている。
 大きな、大きな雑貨店。
 品質は高いが専門店のような高級品はなく、唯、様々な物品が、安く高品質で並べられている。
 その店長であるリスは、一階に有る事務室で作業を行う。
 何かがあれば直ぐに店員が呼びに来るし、事務室の窓から店の仲は良く見えるのですぐに出る事も出来る。

 リスは、書類を見やり、様々な事情を決定して通達して。
 本店であるダイラスへの報告書を―――

「うん。」

 他にもこういう風に事務が出来る人がもっと欲しい。
 一寸たまーに、そんな風に思い、思わず入り口の方面に視線を向ける。

ご案内:「トゥルネソル商会 王都マグメール店」に美梅さんが現れました。
美梅 > そんな中で、入り口のドアがノックされる。

「入っても、よろしいかぇ?」

どこか嫋やかな、どこか幼いそんな声。
特徴的な口調からその声の主が誰かを知るのはさほど難しくはないだろう。

居候にも近い東洋龍。実年齢はそれなりに経ていて、知恵も知識も深いのに、人化した時の外見年齢故に、学院に潜り込んで遊んでいるもの。
用事がない時にわざわざ現れることはないが、幼児と知っても大したことがなくても現れることはあるもの。

それでもノックしたドアを返答なしに先にあけるような無礼はしない者。

色々ちぐはぐで面白いかもしれない、そんな存在が扉の向こう、声をかけてきた。
今日の用事はなんだろう?切羽詰まった様子もないから、きっとたいしたことではないのだろうけれど。

リス > 入り口のドアのノックの音に、リスの意識は現実に引き戻される。
 無意識でもちゃんと仕事をしている所は、リスのリスたるゆえんだし、竜の能力をいかんなく発揮しているとも言える。

「はい、どうぞ。

  ……少々お待ちくださいまし。」

 ノックの声の主に対して、リスは穏やかに返答を返す。
 そして、ああ、そう言えば仕事場だし、と気が付いて、言葉を追加。
 椅子から立ち上がり、入り口の方に移動してから扉を開ける。

 部屋の中は、綺麗に整理されていて、部屋の中に書机が5つほど。
 机は、書類を部門別に分けてあった。
 奥には、休憩用の個室が作られていて、其処でお茶を飲んだり、お客様の相手をしたりするスペースもあって。
 リスの机はさらに奥に有り、部門ごとの書類の報告などををまとめて作業をしている。
 今は、リスを含めて三人が、そのテーブルで作業を行っていた。

「あら。
 どうしたの?シロナは学校だし……?」

 来訪者の事を見て、リスは目を瞬いた。
 リスは作業をしている二人に、休憩に入るね、と伝えて。

「こちらへどうぞ。」

 と、奥に向かう部屋に案内した。

美梅 > 「特に何か問題があるというわけではないのじゃがの。ここの所、シロナは新しい先生について良く、郊外の方へと冒険訓練に行くことがあるのじゃ。
その場合、わらわがついていくこと自体は咎められぬのは知っておるが、シロナの訓練としては、術主体のわらわは避けた方が良いかとおもうての。
ここの所は、わらわは単独行をしていることが多いのじゃ。」

そんな状況説明をしていれば、奥へと促され、こくり、頷けば、リスの招くがままに奥の部屋へと案内されて、その部屋へと入っていく。

リス > 「あぁ……。
 成程、あの子、戦士ギルド所属しているし、自然とそっち系の授業は、難易度が高いのを選びがちだから。
 それでも、魔法も学ぶつもりらしいし、その時はね。

 せっかく来てくれたのだし、娘の彼女に、お茶の一つでも御馳走しないとね。」

 久しぶりに見る、娘の恋人の解説に、ああ、成程、仲違いしているわけでは無いのね、と。
 それなら、奥で、娘とどんな授業を受けているのか、親として気に成るところもある。
 だから、お茶を飲みながら、その話でも聞こうか、何かやら課してたなら、娘を叱るところも必要だろうし。

 そう笑いながら、奥の部屋へと―――。

リス > PL:部屋移動します
美梅 > 【部屋移動】
ご案内:「トゥルネソル商会 王都マグメール店」から美梅さんが去りました。
ご案内:「トゥルネソル商会 王都マグメール店」からリスさんが去りました。