2024/08/13 のログ
ご案内:「乗合馬車」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「……」
まだ日の高い時間帯。
曇り空の下を走る幌馬車の中、申し訳程度に拵えられた長椅子に腰掛け、ぼーっと佇んでいる金髪の男が一人。
依頼の遠征先から王都への帰途につく折、たまにはこういうのに乗ってみるのもいいか、などという気まぐれから
たまたま通りかかった停留所に居たこの馬車に乗車したのだが──
最初は他に数人の乗客が一緒だったものの気がつけば自分ひとりになっていた。
意外にも王都に直帰する客が自分以外にいなかったことに驚き、こんなこともあるモンだなあ、なんて
しみじみしながら最後の一人が降りるのを見送ったのが十数分前。
ガタゴトと車輪から伝わる振動に揺られながら、話し相手も居ないので何をするでもなく
ただぼんやりと王都に到着するのを待つばかりだったが──
「……む」
不意に馬車がゆっくりと減速し、やがて止まる。
まだ王都までは距離があるはずなので、新たな乗客でも現れたか。
そう考えてゆるりと馬車の後部に顔を向ければ、ちょうど馬車に乗り込もうとする
一人の乗客の姿が視界に入った。
■エレイ > 果たして乗客はどんな人物だったのか……ともかく、馬車は走り続け──
ご案内:「乗合馬車」からエレイさんが去りました。
ご案内:「街道の検問」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都から離れる事、数刻。近隣の村落に通じる街道。
普段から人の往来が多い道を遮るように柵が設けられ、
脇には幾つかの天幕が建てられて、簡易的な陣営の趣きを為していた。
街路に立ち、通行する馬車や通行人を差し止め、積み荷や身分の検査を行なっているのは王都の兵士達。
曰く、最近、山賊や盗賊の類が出没するために検問を敷いているという名目であるが、
実際は隊商からは通行税をせしめ、見目の良い女がいれば取り調べの名を借りて、
天幕でしっぽりとお楽しみという兵士達の憂さ晴らしと私腹を肥やすための手段に他ならなかった。
「――――よし。次の奴、こっちに来い。」
でっぷりと肥った商人から受け取った賄賂を懐に入れて、隊商の馬車を通せば、
列をなしている次の順番待ちの通行人に近寄るように告げるのは一人の兵士。
何よりも厄介なのは、彼らが紛れもない王国兵士であり、市井の民が逆らえない事だ。
そして、その事を理解している兵士達は、国の為ではなく利己的に民を食い物にしている最低最悪な屑揃いであった。
ご案内:「街道の検問」からジェイクさんが去りました。