2024/05/21 のログ
ご案内:「連れ込み宿 ──遅い朝」にドリィさんが現れました。
■ドリィ > 女は薄い目蓋をひらく───。
陽射しの遮断された薄暗い室内の齎す視覚情報よりも、
どんな香水よりも馴染み深い、立ち籠める饐えた匂いが、先ず。女に昨晩を思い出させた。
──…あぁ、そう。酒場で出遭い、何となくそういう流れになった。
明け方近く迄、さんざにまぐわい情を交わし。意識が途絶えての、今である。
カーテンの閉まった窓。隙間から漏れる陽射しは白み、既に日が十分に昇りきった時刻であることを伺わせた。
随分と遅い朝。なんならもうお天道様は傾きはじめているやも。
傍らの“相手”は──…此方には背が向き、貌は窺えぬも、恐らくまだ眠っているのだろう気配。
「…ふ、 ァ。」
欠伸ヒトツに上体を起こす。ブランケットから、豊かに膨らんだ重い乳房がまろびでる。
相手が寝ている内に、先にシャワーでも浴びてしまおうか。
気怠い緩慢な動作に、…ぎ、し。寝台が僅かに軋み、女の先んじた覚醒を“相手”に知らせるだろうか。
ご案内:「連れ込み宿 ──遅い朝」にグライドさんが現れました。
■グライド > (何かの振動を感じる。 身体が揺れたのは、寝台の軋みのせい
熟睡に近い状態から、すぅ、と意識を覚醒の浅瀬迄浮き上がらせるのは
眠りこけて居ては生き延びれない戦場に、身を置く事が多い故
其れでも、此処が戦場で無いのなら、焦る事は無い
背後で、気配が動く。 己を襲う訳では無い。 其れが誰かは知って居る
故に、ゆっくりと身体を傾け、仰向けとなれば、女の背に視線を向け。)
「――――――……お目覚めかい…。」
(目覚めたばかり故の、何処と無く気だるげな声音。
舞い上がった片掌が、離れようとする女の指先に触れるだろう
まるで、何処に行くのだと、引き留める様に
とは言え、其の儘振り解くのは容易だ。
汗を流すと言うなら、其れ以上止めはしないし。
もし、其れで引き留める事叶うなら、其の時はまた、腕の中に誘うだけだ)。
■ドリィ > 褥を抜け出んとした女の動きが、とまる。
シーツへと置いた片手に、触れる感触を覚えたが故。
振り返れば、真白の肩口へと明るい煉瓦色の髪房が零れた。
「えぇ。そう。 ──…お 目 覚 め 。
男の寝てる内にシャワーに行くのがいちばん、“朝”を迎えるのに手っ取り早いのよ。」
男というものは、存外に甘えたがる。
故に、先手を打って身支度を整えてしまうのが、最もスムーズなのだと女は悪びれずに告げた。
女のまろやかく形の整った爪先を載せた指が、相手の掌に滑り、擽り。
「そぉしたら、 そっちがお目覚めになっちゃった、ってわけ。
──────… おー…はよ ♡」
女は、猫のように目を細めて笑う。にぃ、っこりと。
■グライド > 「……確かに…、……女の処世術だな…。」
(実際、こうして手を伸ばした己の様な輩が多いのだろう
理に適って居ると、呟いてから、ふ、と小さく口元に弧を描けば
掌を滑る指先を、軽く握り、絡め返し。 ――そうして、力を緩め。)
「……まぁ、良い女が離れてくのを、惜しむ気持ちは良く判る。」
……元気そうで何よりだ。 ……良く眠れたか?」
(この時間に目覚めたと言う事は、心配要らぬのかも知れないが
目覚めの言葉に、そう返しては。 くい、と、指を引いてみる仕草。
此の儘、指を離せば、きっと、この女は先刻の言葉通り
すんなりと、身支度を整えて仕舞うだろう。
故に惜しむのだ。 女の言う甘える、と同じかは判らぬが
女の笑みを見上げながら、適うなら、己が腕の中へ
区切りを与えぬ事で、これが――昨夜と地続きの、"一晩"の始まりとでも言うかに)。
■ドリィ > でしょ? と女は頚を傾いでまた、軽快にころりと笑う。
男と対比を描くかの女の白い手指が、相手の褐色を甘く引っ掻き、滑っては暫くの馴れ合いを演じ。
「お陰様で、よぉく励んでスッキリ快眠。
惜しまれるくらいで離れるのが、イイ女でいるコツだもの。
好い男だってそう。 もぉっと食べたぁい…てくらいで別れてー…、余韻を肴に一人飲むのがスキなの。」
腰は倦怠を訴えるけれども、目覚めはすこぶる良い。
未練、の匂いは欠片も無いところに、女の割り切った気質が知れた。
故に、指が離れるが縁の切れ目。これはそういう手合いの女である、そのくせ。
男の指先が惜しんで情を訴えれば、──それを甘やかすこともする。
引かれる腕に、 ふ、と息抜きユルく笑って、女は容易く寝台へ──男の腕に逆戻りするだろう。
そして、腕の中で、男の漆黒の瞳に悪戯に問うのだ。
「惜しくなるほど、イイ女だった?」