2024/02/16 のログ
ご案内:「野外演習場」にクレイさんが現れました。
クレイ > 今度戦争をすると聞いた。故に今回傭兵仲間を集めてアグレッサーをやれと依頼を受けた。
 だから知り合いとか知り合いの知り合い。冒険者なんかに依頼を出してアグレッサー部隊を設立。騎士団と真っ向から激突中……なのだが。

「アホらし」

 戦争のプロ集団である傭兵、総大将が街より戦場の方が長い男VSろくに表に出ず酒と女に溺れた貴族。勝負など火を見るより明らかだった。
 序盤こそ装備差で少し押した騎士団だがそれを理解され一瞬で逆転。
 現状、騎士団は最終拠点を包囲殲滅されている状態だった。

「貴族権限で無茶苦茶な増援でも出さないと負けるぞあいつら……」

 とはいえ、その増援すらあり得る可能性として接近する部隊などを全て報告するようにしてあるし、なんなら敵から鹵獲した装備を使って他の場所へ誘導する部隊、捕虜という事にして敵を色気で篭絡する娼婦部隊等々、禁止はされてないけど演習という前提を投げ捨てすぎたガチ戦法でもって迎え撃っているわけだが。

「ピンキリなんだよな、騎士団って」

 強い部隊はマジで強い。それは本当だ。
 だが、今回みたいに腐ってる部隊はマジで救いようがない。自軍拠点で上がってくる情報を聞きながらそんな事を考えていた。

クレイ >  
 今回の模擬戦争。ルールがある。当然だ本当の戦争じゃないのだから。
 当たり前だが殺害は禁止。死に直結しかねない攻撃、例えば火や毒、水などでの攻撃は禁止。
 だがそれ以外は普通に有りだ。下種な思考だろう。貴族側ではこんな思考だったはずだ、冒険者や傭兵の女を捕えて楽しむチャンスだと。

「それがあの様だもんなぁ」

 目線を外す、逆に今まで散々偉そうにされた怨みとばかりに傭兵に好き勝手にされる貴族の姿を見る。えらそうに傭兵は犯罪者だと吐き捨てた騎士が傭兵5人がかりで弄ばれる。
 殺人が無いだけで魂レベルの殺人は容易に行われる戦場であった。
 とめるつもりはない、向こうもそれをするつもりだったわけだし、そもそも開戦前の時点でお前達は踏み台だという雰囲気を放っていたのだから。クアァと欠伸をする。

「でも、火が使えないのは面倒だなぁ」

 最終拠点など本来は火を放てば一瞬で落とせる。それが出来ないのは面倒だ。
 自分が出るというのもありだが、他の奴らに止められている。曰く、こんな楽しいお祭りを邪魔すんじゃねぇとの事。
 何だかんだ貴族に思う所がある奴らは多いのだろう。
 結果としてただ座っている総大将という名のスポンサー爆誕であった。指示なんて出していない。というか、自分はそういうのは向いていないので策略が得意な奴に任せて前線で自分は暴れるつもりだったのにストップかけられたし戦略担当には後詰でと言われた。
 最終拠点を落とすのを後詰と呼ばず何と呼ぶのだろうか。
 空と紙を見ているだけで金が入ってくるのは悪い仕事ではないが。

クレイ >  
 さて、いつ動けるかを探っていたが……結果はもっと悲惨だった。

「あん? ……根っからのクズだな。了解」

 潜入させた娼婦部隊が敵総大将を連れ出したと報告が入った。正確に言えば敵の総大将から一緒に逃げようとなったらしい。部下に敗北を押し付けようとしたのだろう。そうはいくか。
 チラリと策略担当に目線を向ける。策略担当頷く。ニヤリと笑う自分。

「よし、じゃ大物だけ貰いに行くって事で」

 それから数分もしない内に縛り上げられた貴族を突き出して模擬戦は終了した。

ご案内:「野外演習場」からクレイさんが去りました。