2024/01/05 のログ
■キズナ > 男貴族の護衛という話になると、わかるとばかりにうんうんとうなずいて見せた。
この町にいる女性は、いったいどのようにして貴族から逃げているのか、
ぜひ聞かせていただきたいものだ。
「別にさ、すんのはいいし少しくらいなら触っても別にいいんだけど、
いろいろと盛られそうなんだよね。」
頬杖を突きながら、口を尖らせる。
さらっと何か妙なことを言った気がするが、気にしないでもらおう。
「そゆこと、私は一応ビギナーってわけじゃないと思ってるし、
ソロ活動してるわけだから、こういうのは組んで早々のパーティに
任せちゃったほうがいいと思うんだよね。」
とはいえ、ビギナーすぎて入ったはいいものの、
壊滅して甲冑の男に助けられる展開になったりして、などと
冗談なのか本気なのかわからないような笑いと共に答えた。
「え、もう仲良くしてると思ってたのは私だけ?
ふふっ、私はキズナっていうの、よろしくねロイナ」
そういって、握手を求めようと右手を差し出した。
薬草の知識があるのならばありがたい、ぜひ手伝ってもらいたいところだ。
「この依頼、歩合制なんだよね。
ロイナ、よかったら私にその知恵を授けてくれないかな?」
要は、報酬は山分けでいいから一緒に行ってくれ、ということだ。
■ロイナ > 働いているかどうかは個人によると思うが衛兵もいるのだし。
この王都に住んでいるのだから彼女らなりの自衛策を持っているのだろう。多分。
「……ふぅん?」
口を尖らせつつ何やら呟いた妙な言葉を耳が拾って、可笑しげに相槌を打った。気にしないよ、大丈夫。
「ギルド側としても、冒険者に腕を磨いてもらうのは良いことだろうしねぇ」
慢心した結果、壊滅して上級の冒険者に助けられる…なんてことは案外ありがちだ。
「ま、それはそれで良い薬ってことで」なんて気楽に笑って返す。
「おぉ、積極的。あたしそういうの好きだよ。よろしくね、キズナ」
差し出された右手を握って揺らす。
友達として、そして手伝いを了承しての握手だ。
「あたしで良ければ勿論いいよ。王都の外、普段はあまり出ないんだけど…面白そうだからね」
まぁ、報酬はぶっちゃけあってもなくても…どちらでも良いのだが。
「ふふ、かわいい子と旅をするのは久々だ。すっごく楽しみ」
そんな心の声も思わず漏れ出ようというもの。
■キズナ > いい薬だと笑って返されたが、こちらは苦笑して肩をすくめるだけだった。
それは別にその冒険者が心配だからとかそういうものではなく、
慢心した結果の自業自得だ、というようなあきれたもので。
「それじゃあ、明日私が使ってる宿に来てくれる?
平民地区の一番安い宿なんだけど、あとで案内するね。」
この町で住んでいるならば、ある程度の散りは把握していそうだが、
一応後で案内しておこう。
4枚の羊皮紙をくるくるとまとめ、ひもで縛ると、
後でギルドに持っていくために、しっかりと手にもって置く。
「あははっ、おだててもご飯くらいしか出せないよ?」
だが、これから親交を深めるという意味でも、
酒場で一杯やるのはどうだろうかと提案して見せた。
エルフが酒を飲むのか、という突込みは野暮というものだ。
■ロイナ > まぁ、自業自得という意見もわからなくはない。
冒険者業はしばしば命の危険に直面する物騒な職業だ。それに従事していながら、慢心で腕が鈍るのは非常によろしくない。
「了解。平民地区で一番安い宿っていうと…」
あそこだろうか。おおよその見当はついたが、まぁ素直に案内を受けておこう。
勘違い、間違っている可能性だって大いにあるのだ。王都は広い。
「ふふ~。ご飯を出してくれるだけ優しいじゃんよ」
提案には、勿論良いよとばかり頷いてみせる。
見た目こそ少女だが、まぁ酒は割といける口。ダメならご飯だけでも良いし。
行こう行こう、と笑いつつキズナの腕に腕を絡めて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からキズナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からロイナさんが去りました。
ご案内:「王都 酒場」にサウロさんが現れました。
■サウロ > (──年も明けて相変わらず賑やかな王都マグメールの繁華街の夜。
寒いせいか温かいメニューを出す店も増えて、酒場は変わらぬ喧騒を見せている。
滞在している村からの遣いと、自由騎士団の本部への顔だしを済ませてから訪れた繁華街。
半年くらい前までは足繫く通った記憶のある場所だ。
そうそう店の顔が変わるわけでもなく、今年も温まるものでも食べていこうかと、店先を覗いていく。)
「温まるものと言えばシェンヤン料理もいいな…」
(沢山の香辛料を使った料理を思い浮かべる。
知人の営業する店もそう遠くはないが、今からでは店じまいしているかもしれない。
薬草のお茶やスープなどを日常的に食すようになってしばらく経つが、久々に肉が食べたい気もする。
そうして転々と歩きながら、路地の合間にこじんまりとある店を見つけて足を止めた。
入口は狭く、中も覗けない。知らない店には興味があるが、取り扱ってるものもわからないので入るかどうか思案顔で腕を組む。)
ご案内:「王都 酒場」にキーラさんが現れました。
■キーラ > 酒場の扉を開けて、そこから薄着の獣人がヌッと出てくる。
一瞬だけ開いた酒場の中からはそこそこに賑わっている様々な客の声が響いただろう。
熱唱する声もあり、中では誰かが宴会気分で歌っているようでもあった。
「ふぃ……やっと一服が出来る……あん?」
そんな白い被毛で全身を包んだ獣人―――格好と体付きからして雌―――が店先で足を止めている青年を見る。
黒革のジャケットとパンツに身を包み、青年と背丈はほとんど変わらないほどの高身長。
今の季節にはいささか以上に薄着だが被毛がそれを感じさせないのだろう。
紫の瞳は人のものであり、怪訝な顔をして青年へと口を開く。
「どうしたの? 冷やかしはお断りだよ。
中に入るなら早めに入ったほうがいいわ。こんな寒い中でこれから探すのも苦でしょ?」
と、口早に言いながら青年へと手を差し伸べる。
悩む様子を感じ取ったのか、腕を取っても取らずとも獣人はさらに口を開いて。
「あぁ。それともお酒より食べ物がいいの? いろいろ取り扱ってるつもりだからまぁ、とりあえず見てから決めたら?」
■サウロ > 「……!」
(不意に扉が開いて店内の喧騒が漏れ聞こえてくる。
出てきたのは人──のようで、人ではなく。
獣のようで、獣でもない。その中間、ミレー族とはまた違った、動物性に偏りが強い獣人、と呼べるか。
魔物として人の真似をする獣を見ることはあるが、王都の中でその姿を見るのは初めてだった。
白い被毛に覆われた身体、大きな耳、怪訝そうな表情の変化も見て取れる。
何せ初めて見る種族、思わず言葉を失って碧い双眸を見開いて驚きの表情で彼女を見てしまうのも、無理からぬことで。
声を掛けられてようやく、困惑のまま、頷いた。)
「ああ……いや、そうだね。
すまない、あなたのような人を見たのは初めてで……気を悪くさせていたら申し訳ない。
ここは君の店、なのかな? お酒よりは、食事を頂きたいんだが」
(そこまで告げて、差し伸べられる手を見る。
白い。人の手の形とは、やはり少し違うのだろうか。肉球はあるのだろうかと真剣に考えてしまう。
が、ここでまじまじと見続けてしまうのも悪い気がして、頷きながら店内へ入らせて貰おうかと。
ちょっとまだ動揺が隠れない様子である。)
■キーラ > ぴょこぴょこと彼女の動きに合わせて大きな耳もしっかりと動く。
耳も身長に含むのなら、その大きさは青年とほぼ同じかさらに上になるかもしれない。
黒い鼻は人間のものではなく、その鼻を「スン」と鳴らしながらにおいを感じる姿は間違いなく人ではない。
驚いた表情を浮かべる青年に気を悪くする様子はない。気付いていないのか、慣れているのか。
どちらにせよ、すぐに青年の謝罪の言葉に頷いて。
「まぁよくある反応だから気にしてないよ。
あぁ、ここは私の店さ。私はマスターのキーラ。
さ、何をするにしても中に入りなさいな。立ちんぼしてても体が冷えるだけよ」
そうまくしたてれば、青年のコートの腕を白く大きな手で掴んで引っ張る。
人の手ではなく、狼の前足に近い手。その掴んだ際の感触は衣類の上からでもかなり暖かく柔らかいことがわかる。
少々強引だが、無礼を働かないように頼まれたりすればあまり断れないタチだと勝手に推測した故の行動。
店の中を見れば、木製の内装を基本に天井は大きな客が来てもいいようにかそこそこ高い。
暖炉が2か所設置されているようで、こじんまりしていると思ったが奥の方に宴会用の部屋もいくらか用意されている。
入った先にまず目につくのは、カウンター席とテーブル席。
どちらもそこそこに入っており、賑わいは悪くないことから犯情はしていると考えられるだろう。
「一人ならカウンターに座ってね。とりあえずお湯でいい?」
■サウロ > (改めて体躯などを見ても目線はやや下だが、その頭頂部で揺れる耳も作りモノなどではない本物の獣の耳。
この王都で、ミレー族以上に獣寄りの姿をしていて、迫害されたりしないだろうかという心配がまず真っ先に浮かぶ。
とは言え、店を持てている時点で役所と交渉済みではあるのだろうし、何かしらの事情があったこの姿をしているとか? という深読みまで。
どうにもこういった反応には慣れているのか、気分を害した様子もなく頷く反応と紹介を受けて──腕を引っ張られた。
人の手より温かいことが布越しでも伝わるが、その作りもまた人のそれとは違う。
半ば強引に店内へと引っ張られて、そのまま扉が開き、二人の姿は冷たい風が吹く屋外から店内へと消えていった。
────キーラと名乗った女性の獣人が構える店内。
高い天井に奥行きのある建物と、カウンター席にテーブル席が見える。
人も入っているようで、酒に食事にと楽しむ声がする。独特の空気感。
促されて頷きながら、空いているカウンター席へと腰を下ろせば、
外の冷たい空気から暖炉で温かい空気が循環する室内に入ったことで、白い頬や鼻先も赤らんで、ほっと息を吐く。)
「ああ、お湯で大丈夫。ありがとう、キーラさん。
俺は自由騎士のサウロです。お勧めはなにかあるかな?」
(客が名乗るのも変な感じはするが、店主が名乗ったのだから礼儀として名乗り返しつつ、
軽く店内を見渡した後彼女へとまた視線を戻す。
メニューがあればそれを見るだろうし、その中で温かいものがあれば、それを注文するだろう。
料理やお酒も、彼女が作るのだろうかと驚きから興味へと意識が移りつつある。)