2024/01/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキズナさんが現れました。
■キズナ > 時刻はちょうど夕暮れ時といったところ。
所属している冒険者ギルドから、依頼内容の書かれている羊皮紙をいくつか受け取り
公園でかなり早めの夕食をとりながら、一枚一枚吟味していた。
先日、メンテナンスに出していた弓矢を受け取り、
ちょっとしたお小遣い程度の稼ぎになりそうな依頼はないかと
冒険者ギルドの顔を出してきたのだが…。
「ゴブリン退治に……薬草採取の依頼…。
こっちは貴族様の護衛に、一日だけ道具屋のお手伝いを…か。」
どれもこれも、これといった目を引くような依頼は見つからなかった。
しいて言えば貴族の護衛を引き受けてもいいかなと思ったけど、あまり気乗りはしない。
「こういった貴族様って、大体男なんだよねぇ…。」
美人なご婦人とか、お嬢様とか。
そのあたりならやる気も出るというものなのだが、貴族の護衛は
大体が男を護衛するというものである。
頬杖を突き、冷たい空気の時期ならではの
白い息を大きく吐きながら、肩をすくめていた。
スキンシップは歓迎なのだが…、男に触られるのは、さすがにごめんこうむりたい。
そんなことを考えていたのだが…。
「いやいや、それ目的ってわけじゃないでしょ、私…。」
そんな一人突っ込みを入れてみた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキズナさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイナさんが現れました。
■ロイナ > 夕暮れ時。夜よりは過ごしやすい頃合、淫魔の少女はいつものように辺りをぶらついていた。
人影も疎らな公園に足を踏み入れると、ふと休憩スペースめいた東屋ら辺に気配を感じる。
寄っていくと、羊皮紙を数枚片手に食事している少女を見つけた。
悩ましく息をつく姿が気になり、草葉を踏む足音を立てながら歩み寄る。
「……どうしたの? なんだか考え事をしてるみたいだけど」
話くらいなら聞くよ?のテンションで問いを投げてみる。
見目が良いので気になってつい…という下心もあったけれども。
とはいえ、紙に書かれた内容を覗き込んでみればそこには冒険者ギルドの依頼内容がびしり。
成る程、冒険者か。となれば、自分に役立てることは果たしてあるだろうか。
「ふ~ん……」
小さく白い息をつきながら首を傾ぐ。
──勿論。役立つ代償として、一夜を共にすることは考えた上でのことだ。
■キズナ > 手にしている食事を口に運びながら、4枚の羊皮紙を見比べつつ、
依頼を受ける長所と短所を頭の中で並べていく。
ゴブリン退治を請け負った場合、確実に野営することになるだろう。
しかもゴブリンの数に至っては、パーティを組まない自分にとっては
危険度が跳ね上がってしまうリスクがある。
そして何よりも、ギルドの依頼なので報酬がケチだ、なのでこれは却下。
薬草採取の依頼を請け負った場合、早ければ日帰りができる。
ただし、自分は薬草の知識がないので間違える場合がある。
そこ、エルフなのにとかいわない。
「……え?」
最後の、道具屋のお手伝いを考えていたところで、声をかけられた。
彼女が羊皮紙をのぞき込めば、明らかに手書きであろう依頼内容と、
報酬の詳細、そして依頼主の名前が書かれ、
ギルドのハンコが押されているのがわかるだろう。
「いやね、お仕事を受けようかなって思ってるんだけど、
どれもパッとしなくてさ、どうしようかって悩んでるところ。」
お金が欲しい、というのはあるのだが
正直暇だから何かしようと考えているだけのことなのだ。
別に隠すことでもないし、羊皮紙を並べたまま悩みを打ち明ける。
■ロイナ > 少々驚かれたかもしれないが、彼女は素直に悩みを打ち明けてくれた。
依頼がどれもパッとしない。人によっては贅沢だと言うだろうが、まぁそんなこともあるよね、と頷いてみせる。
ざっと目を通す。ゴブリン退治、薬草採取、道具屋の手伝い、貴族の護衛──
まぁどれもこれもギルドで募集されるありがちな依頼といったところか。
「楽そうなのはこれだよね」
言って道具屋の手伝いを指さす。
最も、字面は気楽だが実際激務だった…ということだってあり得なくはない。だからこれはあくまで一見の感想。
「めんどくさそうなのはこれとこれ……うわ、報酬しょっぱい」
指さすのは貴族の護衛、そしてゴブリン退治の依頼。
彼女と全く同じところに気付き、思わず呟いてしまったり。
「でも君一人なんでしょ?なら道具屋が一番無難かな~。
他にパーティを組んでくれる仲間とか、知り合いはいないの?」
ソロで活動している冒険者なのだろうか。
特に断られなければ彼女の隣に腰を下ろそうとしながら、何気なく問うてみる。
■キズナ > 男性だったらもしかしたら警戒したか、最悪逃げていたかもしれない。
だけど、話しかけてきたのが女性ということもあり、警戒もなかった。
しかも体つきを見れば結構いい感じである。
自分と同じか、もしかしたらそれ以上のものがあるかもしれない。
いいなぁ、と少しだけ頭の中で思ってしまうのであった
「うん、私もそう思うんだけど…これさ。
力仕事とかだったらまず無理なんだよね…、私って非力なんだ。」
と言いつつ、割と引き締まっている細腕を見せてみる。
十分美人、と言われるかもしれないけれども、力は本当に弱い。
弓を弾く程度の力しかないので、力仕事に向かないことは、
自分でも十分に分かっているつもりだ。
「でしょ! ゴブリン討伐だから安くなるのは仕方がないかもしれないけどさ、
この値段はちょっとないよね!」
自分と同じ意見、ゴブリン討伐の報酬の安さにぼやく彼女に、
軽く食い気味に同意してみた。
「……あ、うん、まあね。
私、実は男性恐怖症でさ…、パーティを組めないんだ。」
冒険者の大半は男性である。
そんな中では思ったように体が動かなくなるので、
自身は基本、ソロで活動していることも打ち明けた。
■ロイナ > 体つきを見る彼女の視線に気づく。
まぁ此方も相手の見目に惹かれて声掛けたのだし、そこは気にしない。
「成る程~……力仕事が苦手なら無理そうだなぁ。となると…貴族サマの護衛?」
見せられるのは、引き締まった筋肉こそ見えるけれど如何せん細腕だ。
重たい荷物を2つ、3つと持ち運ぶことは難しかろう。それくらいならパッと見でもわかる。
比べるように自身の腕を横に並べてみた。こっちは筋肉も十分にない、傷ひとつない白い肌だ。
細さは同じくらいだろうか。
「これ、一人ならまだしもパーティとかなら揉めて大変そうだなぁ…」
それとも、一人につき…なのだろうか。そうであってほしい。
冒険者ギルドはそこまでケチじゃないと思ってはいるけれど…
「あ、そうなんだ。あたしも男のヒトは好きじゃないから一緒…ってわけじゃないけど、似た者同士だね」
ならば、女性冒険者を探してみれば良いとも思うが……
現状、空きは少なそうだ。彼女のように、女性としか組みたくないという者は恐らく少ない。
「あたしも一応魔法が使えるから手助けできなくもないんだけどね。でもギルドに登録してないしな~…」
■キズナ > 「却下」
貴族様の依頼をというセリフには、即座に首を振った。
「だって、奥様とか女の子ならまだしも、
大体が男の貴族とか男の子の護衛に回されるんだよ?」
この国の貴族事情を知っているなら、彼らがいかにスタイルのいい女性に対して
どういう扱いをするのかイメージできるだろう。
頬を膨らませながら、報酬がよくてもそういった依頼は受けないと告げる。
チップは弾んでくれるだろうけど、それと扱いを天秤にかけて
どっちがいいのかは、選ぶべくもないのだ。
「まあ、いっても相手はゴブリンだから仕方がないと思うけどね。
下級種みたいだし、冒険者なり立てとかに回してあげたらと思うんだよね」
報酬の安さはそのまま、難易度に直結する。
ギルドが出す値段は、基本的に経費もろもろ込みの値段を出してくるはずだから、
これが報酬の全額、という認識で間違いないだろう。
苦笑しながら、『一人でやるにはしんどいんだよね』と答えた。
「あれっ、お姉さんもなんだ?あははっ、確かに似た者同士だね?」
なんて、ウィンクしながら答えて見せた。
「えっ、魔法使えるの?いいなぁ、私そういうのはからっきしだからさ。
じゃあ、もしかして薬草の知識とかあったりする?」
■ロイナ > 却下、という言葉を聞けば、ですよね~とばかり笑ってみせた。
「男の子ならまだしも、中年の脂ぎった男貴族の護衛とかに回されたらきっついよね~」
この王都に割と長く棲みついている身。女性の扱い諸々、ろくでもないのはわかりきっている。
当のロイナも、人目を惹くスタイルをしているのだが──その辺はうまく切り抜けているので問題なし。
たとえ報酬を多く得られようとも、ほぼ確実に失うものがある。故に受けない──のは賢い選択だと頷いた。
「ま、ビギナーが腕を磨くにはちょうど良い依頼かもね」
よっぽど腕に自信のない者か、あるいは気負いすぎてヘマをしない限りゴブリンは問題なく討伐することができるだろう。
その程度の存在なのだ。この安価な報酬と釣り合うとなれば、ここで受けることもなかろう。
「ふふ、似た者同士。ここで会ったのも何かの縁…ってことで、仲良くしてくれると嬉しいな。あたしはロイナ」
自己紹介しつつ、悪戯っぽく微笑みウィンクを返してみせて。
「薬草の知識?無くはないけど……えーとね」
言って、薬草採取の依頼が書かれた紙に視線を落とす。
「──あー。これくらいならわかるよ。うん、間違わないと思う」