2023/11/05 のログ
ご案内:「奴隷都市バフート~山賊街道~港湾都市ダイラス」にレディ・レッドさんが現れました。
レディ・レッド >  
 月明りの無い曇り空
 バフートとダイラスを繋ぐ短い街道
 其処は街道の中で唯一孕む何かを匂わせるかのように、山沿いの道なりから
 “山賊街道” そう呼ばれている。

 狙われる危険性から、奴隷や品 ゴルドを運ぶ際の警備や雇われ者は
 タナールの先、ゾスまでは濃く彩られることは多いだろう
 逆に一介の冒険者やまだ浅い商人は、狙われやすいということにもなる。
 消去法でいけば、だが。


   ―――“ぼぎゃっ”―――


 肉の断たれる音


   ―――“ばぎゃっ”―――


 肉の砕かれる音


 貴族用のやや重厚な馬車が一つ
 護衛用の騎馬が左右に列を成しているわけでもない
 大型の乗合馬車が行き来する際のように、一つそこにあるだけ。

 それを狙うように脅かした山賊
 山脈での現在の血の旅団から気持ちが離れ、また唯の山賊へ戻った者達の行動
 それに対し、開かれた扉から放たれたのは強い力で放たれた数枚のゴルドによるめり込み
 そして柘榴が弾けるように飛び散る桃色の物体。

 次いで、首から下 両の腕諸共に“薙がれた”ことで三つをぶつ切りにした感触を与えた蛮刀
 それを握るレッドが、コロナサイズの葉巻を片手に降りてきては、こうして赤と殺しに興じ始めてしまっていた。


   「“昔”は、もっと貴族であろうとなかろうと、王族ですら売り飛ばす気概のある奴が多かったのにな。」


 所詮抜け者かと、右手に肉厚な刃 左手に鉄筒とハンドルグリップを持った何かを携え
 ため息交じりに甘ったるい煙を吐き出した。