2023/10/30 のログ
ご案内:「平民地区 何処かの店舗」にグルエルさんが現れました。
グルエル > 平民地区のどこかにあるとある店舗の前。
ガラガラと車輪が立てる音をさせながら王国の徴税官の紋章を掲げた馬車がゆっくりとした速度で向かってくる。
そして店舗の前で馬車は止まり、御者席から従者が下りてドアを開ける。
中から現れたのは王城勤めの徴税官が着る官服を身に纏った背が高く、やせ気味の男。
つかつかと店舗の入り口へと向かえば、従者が先んじて店のドアを開き、男は店内へと入っていきおもむろに懐から丸められた一枚の紙を開く。

「私は王城勤務の徴税官、グルエル・リカーフォートである。
この店は未納の税金があり、その徴税及び税を納めなかったことによる追徴課税金を回収に来た。
大人しく払うなら良し、もし払わぬなら店主の身柄を拘束させて頂く。
これは王城より発行された徴税命令書である」

従者は徴税官を名乗った男の背後に立ち、護衛であるかのように店内へと鋭い眼差しを向けていく。
男が広げた命令書は確かに王城から発行される書式であり、押された印もまた徴税の為に発行される書類に押される正式なもの。
しかし、店主、もしくは店にいる者には未納の税金、と言うのは寝耳に水であるかも知れない。

グルエル > そんなはずは、そう言い訳をする女店主へと書類を見せる。
正式な書式で作られた書類であることは、店を経営している店主にも分かり、ぐうの音も出なくなってしまう。
そして税金を未納した、ということで付される追徴課税金の余りの高額さにこんな大金は払えない、と言う女店主に男はいやらしい笑みを浮かべ、待ってやる代わりに……と取引を持ちかける。
取引を断るなら、この店の営業許可を取消しになる上に身柄を拘束させて貰う、そういえば女店主はなくなく取引に応じるしかなく。
従者に入り口を閉じさせ誰も入らないように指示をしてから、自分は女店主と店の奥に入っていき、しばらくすれば響くのは女のすすり泣く声、いつしかそれは女の嬌声に変わり、また一人、無実の民が不正の毒牙にかかったのであった…………。

ご案内:「平民地区 何処かの店舗」からグルエルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にフィオナさんが現れました。
フィオナ > 「ありがとうございました」

平民地区の一角にある小さな錬金術工房。
たった今去って行った客を見送っては大きな息を吐いて力を抜き。

「まだ接客はなれないですね。早くなれないと…」

そう口にしては椅子から腰をあげて工房入り口に置かれた棚へ歩み寄り。
今売れた薬品を確認しては、在庫はあったかな、作った方が良いかな、などと考えて。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にネクタルさんが現れました。
ネクタル > たったいま出てきた客と入れ違いに、後ろ姿を見遣りながら工房の中へと足を踏み入れるエルフがひとり。
迎える言葉もなく思索に耽っている女の気を引くべく、こんこん、と棚をノックする。

「こんにちは。……例の薬、出来そうですか?」

にっこりと笑みを向けるのは、ブレのない品質を気に入っている固定客のひとり。
僅かに尖る耳を下げて、首を傾げて、研究を依頼した薬の首尾を問う。
率直に言ってしまうと、依頼したのは『媚薬』と『惚れ薬』だ。
どちらか片方だけでもとっかかりくらい掴めてくれていると、嬉しいのだけれど。

フィオナ > 「ひゃい!こ、こんにちわ」

これは在庫にあった方が良い、これはいらないと考え。
その思考は棚を叩かれた事で我に返って驚きの声をあげ。

「いらっしゃいませ。例の薬ですか?出来なくはないですけど…」

にこりと笑みを向けられるとびくりとしながらも笑みを返し。
数少ない固定客、エルフの男性を見返しては注文を思い出し。
確か媚薬と惚れ薬だったと思い出しては小さく頷き。

「惚れ薬は材料が手に入りにくいのでまだかかります。
でも媚薬でしたら効果が薄いのでしたら用意は出来ますよ」

どちらも使う目的は余り良いものではないと思う。
しかし固定客の頼みなら断れずで、その二つの進展を説明しては工房の奥の普段から座る椅子へと向かって。

ネクタル > 間の抜けた声に自然と笑みも深まって、口元を隠して肩を揺らして、もう少し笑った。
妙な付加をされないよう、催眠の類も使わず半ば強引に依頼したものだったが、頷いてみせる彼女に更に目を細める。

「あの材料でそこまで言えるんだから、やっぱりフィオナさんはやり手ですね」

取っ掛かりになりそうな僅かな原料を瓶詰めに渡しての依頼だったこともある。
本当にアレから作れたのかと、称賛の拍手は素直なもの。
自分をして目を引かれる艶やかな黒髪を眺めて彼女の背を追い、工房の奥へと着いて歩き。

「出来るというんだから、それはきちんと待ちますよ。
媚薬の方も……いえ、それなら一度用意してもらいましょうか。効果が薄いというのは、どの程度?」

フィオナ > 驚かしてくれた男性を恨めし気に見るも直ぐに恥ずかしそうにしてしまい。
本来ならその手の薬品は引き受け無しないが、強引に押されて引き受けてしまっていて。

「材料があれば作れますから。そんな事はないですよ。
大きなところでしたらもっと早いです」

僅かな材料でもあれば作れなくはない。
勿論足りない分は他で補うので効果はどうしても薄くなるのは仕方なく。
工房の奥へと戻れば椅子に座る前にと、しまい込んだ小瓶を取り出し。

「でも、材料が希少なので気長に待ってくれますか?
これが媚薬です、と言っても…材料が少ないので薄めたり代用品を使ってますから…ちょっと体が熱くなるぐらいです」

そう説明しては本当に小さな小瓶を差し出して。

ネクタル > 「こういうのは早さよりも信頼性、っていうのを貴女はちゃんとわかってくれてるでしょう?」

だから普段遣いの薬品で固定客であるのだと嘯く。
低く、澄んだ声で褒めそやす。
瓶を取り出した彼女と目が合えばその都度笑みを向け。
その手腕と薬が完成へ近づいていることをとても喜んでいる、ようにみせる。

「勿論、フィオナさんがいつも通り良い薬を作ってくれていれば末永く贔屓に……と。
どちらかと言えばこちらが本命ですしね、……効果時間の方は?」

小瓶を受け取り、きゅぽ、と栓を開く。
繰り返し効果が薄いと告げる薬の香りを手で扇いで嗅ぎながら、より細かい説明を求め。

フィオナ > 「錬金術は早さよりも信頼ですから。
早くて効果のない薬を受け取ってもこまりますよね」

男性の言葉、誉め言葉に恥ずかしそうにしながら信頼がと口にして。
渡す小瓶を取り出し視線を戻せば、微笑みを向けられ恥ずかしそうに視線を逸らせ。
しかし強引だったとはいえ発注の品の完成が近づき、嬉しそうにされると嬉しくて。

「出来る限りになりますけど…作らせて頂きますね。
効果時間ですか?今ですと長くて1時間ぐらいだと思いますよ?」

渡した小瓶の栓を抜く姿を見つめ。
材料と量的にそれぐらいが限界ですと説明をして。

ネクタル > 「そちらの完成も楽しみにしておくとして、……一時間ですか」

小瓶の中身を回して眺め、こちらを見つめる彼女を見つめ返して。
悩む素振りを見せた後に、小瓶を少しばかり掲げてみせて提案する。

「効果の方を確かめてみたいのですが、……付き合ってくれますか?
フィオナさんが飲んでくれてもいいし、無理だっていうなら私が飲んでみてもいいですけども」

開けた小瓶の口を彼女の鼻先へ向けて、どこか甘い香りを近づける。
首を振るようなら、今度は自分の口元へ。
笑みはただただ喜びを浮かべたものから、僅かに悪戯な挑発を含んだものへ変わり。
どうせちょっと熱くなるだけというのなら、この場で効果のほどを実感してみたいと言う。

フィオナ > 「こちらは貴重な材料が多いですから、本当に何時になるかわかりませんよ」

楽しみにと言われては何時になるかと告げて置き。
何かを悩んでいるように見える男性、手元の小瓶を掲げられるのを見て。

「効果をですか?だ、駄目ですよ。そう言うのは家でやってください。
私は効果を知っているので飲みませんよ」

栓の空いた小瓶を鼻先に向けられると、駄目ですと首を振り。
そう知れば口元へ運ぶ男性に家でと告げる。
効果は弱いものではあるが、それでも媚薬。
何か間違いがあっても困りますと慌ててしまって。

ネクタル > 「……おや、ちょっと体が熱くなるくらい、……ではないのですか?」

慌てる様子を愉しげに見つめて、目を細め。
ころりと視線の色を変え、今度はじとーっと疑いの色を載せて見つめる。

「お家でやってもしもがあっても私が困ってしまいますし。本当にちょっと熱くなるだけなら、誓って何にもしませんから。
ほら、“早くても効果のない薬を受け取っても”……、でしょう?」

自分で飲んで試して、責任を押し付けて遊ぶつもりだったけれど。
そこまで慌てて、のみません、なんて名言されたら。
傾けた小瓶をもう一度、今度は彼女の口元へ差し出して。
これからも信頼のおける錬金術師として、飲み干して欲しいとより強く見つめる。

フィオナ > 「そうですよ。それぐらいのしか、まだ作れませんから」

例え効果が微微たるものだとしても媚薬は媚薬。
それを飲めと言われると拒否は当然だが、疑うような視線に動揺してしまい。

「もしもなんてありませんよ。それでも媚薬なんですよ…?
ぅぅ……ここに卑怯な人が居ます」

先ほどの発言を言われては唸るしかできず。
口元に小瓶を差し出されるとそれを受けとり、意を決して飲んでしまう。

ネクタル > 彼女が作ったものに正真正銘、もしも、なんて有り得ないだろう。
相手が自分でなければこのやり取りもちょっとしたイタズラで終わるようなもの。
しかし彼女の言葉が尤もな、卑怯な人、だった。

「それだけしか出来ない、っていうんだからテストも出来ているんだか怪しいですし?
出来ているんだとしたらそれはそれでその一時間について聞きたいですが……」

どうやって『少し熱くなる程度』が『一時間』と知れたのか、その辺りを問い詰めたいところ。
その前に、依頼時点からの思惑通りに自ら飲み干してくれる可愛らしい錬金術師をしっかりと見つめる。
絡ませた視線を使って、催眠を仕掛ける。
『彼女の作り上げた媚薬は何かがあって最高級最高品質の媚薬に出来上がってしまっていた』――と。

「――……さて、効果はどうですか?」

素知らぬ顔して綺麗な青色の瞳を覗き続け。
彼女の手から小瓶を取り上げ、空けた手と指を絡ませて繋がせる。
本来なら、気安すぎるがただ体温を強く感じられるだけの握り。
媚薬が間違いなく効果を発揮していれば、とびきりの性感帯を手籠めにする行為。