2023/10/06 のログ
ご案内:「薬屋テント開店中」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都を転々とする妖しい薬屋のテント、人通りの少ない空き地で営まれる出入り口には「気力体力回復」「疲れた身体に」「元気いっぱい!」など、日々の疲れに効くという売り文句の看板がいくつも立っている。

本日の薬屋は、そういった精力増強や疲労回復に役立つ薬の素材が大量に入荷したため、それらのタイプの薬の特化大バーゲンセール。
テントの外へと漏れ出す薬を煮詰めた桃色の煙は、心身ともに疲れ切った道行く人には、
これ以上無く甘く、匂いをかぐだけで飢えた部分を癒されるような…心と体の奥底の欲望を発散させてスッキリしたくなるような、
甘美な誘引剤となっていることだろう。

誰かがそのテントの天幕が開く気配がすれば、てとてと客の前に歩み寄り、ぺこりとお行儀よくお辞儀するだろう薬師とは思えないほどあどけなく、
裸んぼうに桃色シャツ一枚という蠱惑的なファッションの幼く、可愛らしい子供店主の姿。

「いらっしゃいませっ…きょうは、どんなお薬をごきぼうですかーっ?」

下げた頭を上げた顔は少女のように長いまつ毛の中性的なもの。
つややかな黒髪からのぞく赤い目が捉えた客への挨拶は、ここを訪れたことのある客への定形のものだっただろうか、
それとも初めて此処を訪れた新規の客に向けてのものか―――。