2023/09/30 のログ
■タン・フィール > そうして小一時間ほどじっとした後、
僅かな血痕を残して幼子の姿はその場から消えていた。
ご案内:「坂道」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「平民地区 路地裏」にサタンさんが現れました。
■サタン > 日も落ちた平民地区の路地裏。
闇に紛れて男は表とは別の『仕事』に取り掛かる。
獲物は平民地区詰めの衛兵二人。
表向きは勤務態度も真面目で人当たりも良く、男に選ばれるような人種ではないはず。
だが、其の仮面の下にあるのは残虐な獣という素顔。
人当たり良い顔で若い娘に近づき、人気のない場所でその獣の本性のまま犯し愉しみ、そしてその蛮行が発覚させぬ為に殺す。
「―――…執念とでも言うべきか。」
ポツリと呟くのは、その仮面の下の素顔にまで辿り着く事の出来た、愛する者を失い残された者の強い『憎悪』
訴えたところでまともに取り合えってもらえず、募る強い負の感情は、男にとっての糧。
丁度路地裏で次の獲物を相談し合う男達へと、革靴の硬質な足音は次第に近づいて行く音を奏で、
誰かが近づいてくる気配を感じ取れただろう―――
―――それが、最後に聞いた彼らの音色。
処刑者は『仕事』を終え、物言わぬ存在と化した者は既に、黒く煤け灰へ還るように炎が燻っている。
人気のない路地裏で、一仕事終えた男は何時もの如く煙草を燻らせ、
其れが無へと還るのを待つかのように、紫煙を中空に立ち昇らせていた。