2023/09/12 のログ
ご案内:「辺境」にメレクさんが現れました。
メレク > 王都から離れた辺境の地。
魔族領と隣接するその土地を治める領主の館で夜会が催されていた。
控えめに照明を落とした薄暗いホールには管弦楽団による艶やかな音楽が鳴り響き、
華やかなドレスで着飾った男女が肌が触れ合う程に身体を近付け、会話や舞踏に興じている。
そして、灯りの届かぬ会場の隅からは男女の熱い吐息や嬌声が、音楽の途切れる合間に漏れ聞こえてくる。
彼等は皆、一様に仮面を付けており、己の素性が何者であるのかを分からなくしていた。

表向きにはやんごとなき者達の社交の場である不埒な夜会。
だが、その実、この屋敷で行なわれているのはただの乱痴気パーティではなかった。
王国貴族と魔王、二つの顔を持ち合わせ、人界と魔界の各々にて隣り合わせる領土を有する大領主。
そんな彼が莫大な富と権威をちらつかせて集めた客達には人間、魔族、双方が存在した。
しかも、認識阻害の魔法の影響で来客の殆どは仮面の内側の正体が何れであるのかを知らずに接している。

結果、羽目を外した教会の司教が淫魔の女王とまぐわい、精を搾り尽くされて、
魔軍を率いる勇猛な将軍が、擬似陰茎を身に着けた人族の姫君に尻穴を掘られて嗚咽を漏らす。
普段であれば敵対する人間と魔族が、仲良く揃って快楽に翻弄されて堕落する様を、
会場中央の壁際にて二人掛けのソファに腰掛けた夜会の主は愉快そうに眺めて嗤うのであった。

ご案内:「辺境」からメレクさんが去りました。
ご案内:「妖しい薬屋」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都を転々とする妖しい薬屋のテント、人通りの少ない空き地で営まれる出入り口には
「気力体力回復」「疲れた身体に」「元気いっぱい!」など、
日々の疲れに効くという売り文句の看板がいくつも立っている。

本日の薬屋は、そういった精力増強や疲労回復に役立つ薬の素材が大量に入荷したため、それらのタイプの薬の特化大バーゲンセール。
テントの外へと漏れ出す薬を煮詰めた桃色の煙は、心身ともに疲れ切った道行く人には、
これ以上無く甘く、匂いをかぐだけで飢えた部分を癒されるような…心と体の奥底の欲望を発散させてスッキリしたくなるような、
甘美な誘引剤となっていることだろう。

誰かがそのテントの天幕が開く気配がすれば、てとてと客の前に歩み寄り、ぺこりとお行儀よくお辞儀するだろう薬師とは思えないほどあどけなく、
裸んぼうに桃色シャツ一枚という蠱惑的なファッションの幼く、可愛らしい子供店主の姿。

「いらっしゃいませっ…きょうは、どんなお薬をごきぼうですかーっ?」

下げた頭を上げた顔は少女のように長いまつ毛の中性的なもの。
つややかな黒髪からのぞく赤い目が捉えた客への挨拶は、ここを訪れたことのある客への定形のものだっただろうか、
それとも初めて此処を訪れた新規の客に向けてのものか―――。