2023/09/09 のログ
ご案内:「平民地区:中央区画傍」にヒヤマさんが現れました。
■ヒヤマ > 「はー、疲れたぁ。」
配送ギルドの傍にある積み重ねた年代物のワイン樽。
露店と露天の間を区切ったり、時にはテーブル代わりに貸し出されたり今自分の様に行儀が良くない人間が椅子の代わりに使ったりするもの。
1メートルちょっとの高さがある樽の上に腰を下ろし、今日の自分の配送物を全て配り終えた充足感と、ポシェットの様に腰の皮ベルトに括りつけられたゴルド入れの重さを楽しみながら、干した魚に甘酸っぱいタレと野菜を挟み込んだケバブの様な物を食べていた。
丁度他の数人と帰ってくるタイミングが被った事もあり、順番待ちと言った感じでギルドの外で往来を眺めつつご飯タイム。
もちろんこれは自分の財布から出したお金での購入品だ。
足元に何時の間にか歩み寄っていた黒猫になんて上げるわけにはいかない。
「あげないぞー。」
訴えかける様に見上げる黒猫を見ない様にしながら、魚のケバブ風何かを食して往来を見ている。
配送ギルドは基本人が足りない。荷物を受け取ってもすぐに届ける人員、中の事務作業、経理、警備と華の無い仕事の上に収入も地味だ。
冒険者になれなかった人が流れ着く先の1つでもある。
■ヒヤマ > にゃー、という声が足元から聞こえる。
足をぷらぷらさせているのが猫じゃらしの様に見えるのだろうか。
黒猫は足元から動かずにただジーッと見上げてきている。自分ではなく、自分が食べている物に入っている魚を。
ちょっと困った。見ない様に見ない様に通りを見たり、通りの向こう側に出来ている露店やお店を見ているのだがどうしても鳴き声が聞こえてしまうとそっちを見てしまう。
金色の瞳を丸くしつつ、目線が合えばまた一声鳴くのだ。ぽろ、と野菜が一欠けら偶然にも落ちたが、それには目もくれない。
「そりゃ猫の手も借りたいけどさぁ、君はギルドの子じゃないでしょ。だーめ。あげません。」
小さめの口を目いっぱい大きく開き、かぶりつく。
少しだけ生地の破片がぱらぱらと地面に落ちるが、それは舐めとる様に猫が食べている。
言葉が通じないだろうけれど、それでもあげないと言う意思表示を見せる。
平民地区だけに野良猫の1匹がいる事は珍しくないが、ここまで人懐っこいというか人に近寄って来る猫も珍しい。
そう思うと、ついつい視線が足元に。
そしてまた往来に向けられ根気勝負になり始めていた
■ヒヤマ > ギルドの扉が開かれて自分の名前が呼ばれた。
まだ手にはほんの少し残された魚のケバブ風の品。
そこから干魚の塊を、指でつまむ。ちょっと甘酸っぱいタレと白身の相性が良かったので勿体ないけど――。
ぽと、と足元に落とした。と同時にかぶりつくのではなく、口に咥えて凄い速度で建物と建物の間の細道へ消えていく黒猫。
手にした残りを口に運ぶと、きっちりと飲み込んでからギルドの建物に入っていった。
後は売上を渡して報酬を貰い、自分の家に帰るだけだ。
黒猫には、そう。ちょっとだけの時間つぶしの御礼みたいなもの。
「勿体なかったけどさ。」
ご案内:「平民地区:中央区画傍」からヒヤマさんが去りました。
ご案内:「空き地」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 「よしょっ… ぃよいしょっ……!」
王都の空き地に許可を得て、開閉しやすい特別性の大きめテントをはっていく小さな幼子の姿がひとり。
整備された雑草と土の土地に裸身に桃色シャツ一枚という出で立ちで少女のように華奢な両足を踏ん張らせ、
つややかな黒髪を浮かぶ汗で前髪に張り付かせて一生懸命にテントを広げれば、続いて簡素な薬品棚を設置し、
四畳半ほどの広さのテント内を薬屋に仕立てていく。
そこは幼子の居住であり、店でもある不思議で愉快で妖しげなテント。
苦くて飲みにくい薬を甘く飲みやすくした、シロップを煮詰めているような甘い香りはお菓子屋さんのよう。
近くを横切る人影の気配があれば、8割がた組み上がったテントからくるりと振り返りひとつの店の店主とは思えぬあどけなさと小ささの黒髪の子が、てとてと歩み寄り、
「いらっしゃいませーっ おくすり、いかがですかっ?」
様々な甘い薬を日頃から試飲しているために香る甘ったるい体臭を振り撒きながら
にっと赤い目を細めてはしゃぐように元気に挨拶していく。
声をかけられたのは顔見知った誰かか、初めてこの店を訪れた誰かか。
ご案内:「空き地」にジラさんが現れました。
■タン・フィール > 【移動します】
ご案内:「空き地」からタン・フィールさんが去りました。
ご案内:「空き地」からジラさんが去りました。
ご案内:「九頭龍の水浴び場」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > 濛々と湧き出る湯煙に向かってそっと足を忍びいれようとして。
直前でかけ湯をするのがマナーだと思い出し頭から湯を被る。
盛大な水飛沫の音を三度あげ、水滴る黒髪を盛大に震わせ水気を払った。
そして改めて湯の中へ。
白濁の湯は暑く、寒くなってきた夜気で粟立っていた毛穴が開くようで。
ぎゅっと目を瞑りながら肩まで一気に浸かる。
暫くすれば微笑むように顔から力が抜けて。
あとは「傷に効く」との効能に二の腕や肩の浅い切り傷に刷り込むように手でかけ湯していった。