2023/08/13 のログ
影時 > 「ははは、アリのままのお前さんでいてくれりゃイイぞう」
 
想像は自由なんだがなぁ、と。
ばちーん!と飛ぶウィンクの射線から首を器用にずらし、躱してみせながら複雑な面持ちで零す。
男としては胸尻の肉はどれだけついても良いし困らないが、それらを支える肉が整い過ぎるのは――どうか。
実際にトレーニングを遣ってみないことには、勿論最終的な結果は分からない。
昨今の仕事として“鍛える”という語句に関して、思うものが色々とある。
筋肉が意外とつくのかもしれないし、そうとなると、食生活の面も考えなければならない。つまりは稼げる仕事も要るかもしれない。
ほどほどにしとけ?と気遣うような眼差しは、届くと良いのだが。見える眼差しの真剣さは微かに不安になる。

「なぁるほど、同種繋がりとかのツテときたか。
 世間が広いように見えて意外と狭いのは、ヒトじゃないものも同じなンだな。嘶きと書いて“メイセイ”と読めとかいう奴と解釈しとくよ、と。
 ……あー、そいつは忝いと答えとくか」
 
動物の言葉は分からないが、否、子分二匹を間に挟むと若しかしたら分かる気にはなれるかもしれない。
ともあれ、そうした色々や事の運び方は知性がある分、人間と然程変わらないのだろう。そう思っておくことにする。
人間同様に思考し、心を動かして人世に混じる竜種の具体例が身近に多く居るとなれば、不思議ではない。
あとは実際に現物に遭遇、エンカウントしたときの感想次第か。
そう思っていれば、ご利益という言葉に、へいへいと云うような顔つきで肩を竦める。ハゲそうな歳でも身体はまだそうではない。きっと。

「どれすこぉど――とやらがあンのかよ。今日頼んだ奴をちゃんと着こなしてりゃ良いか?」

夢が叶うのかどうかは、保証できる語句と権利は己の裡の何処にもない。
夢見る子供と言わんばかりの仕草と表情が紡ぐ内容に、うへぇ、と、思いっきり嫌そうな顔を見せる。
毛玉たち二匹に席がありそうなのは、それは良い。ほっとする。
取り敢えず、今している地味極まりない格好はきっと、ファッションチェックをやらに落ちるのだろう。
新調するとは言っても、着古した草臥れ感はまだない筈。
次回の仕立て直しの際、ちょっと流行りに寄せてみるかとは思いながらも、最終的な城の出来上がりに懸念を抱く。

「……こいつァ、お嬢様ん家の子になンのかね。一応、俺が譲ったモンから孵ったなら」

そして、このコガモっぽい何かである。
魔法を吹き込んだのか、それとも違う手管かは分からない。或いは内包された何かを目覚めさせたのか。
本で読んだが、地に埋もれた宝石は年月を経て魔力を帯びる際、地霊を取り込み抱くこともあるとか。
上質な宝石類を含有していたとなれば、それくらいはきっとある――のかもしれない。
そう思いつつ、毛玉二匹たちがコミュニケーションでも取るかのように、コガモ?の周りを回り、鳴いたり身振り手振りをしてみせる。

親分や姉御の子分になるなら、自分たちが先輩だ、とでも宣っているのではあるまいか?

NPC > (……わたしの知っている魔法じゃないわ。これは多分……)

さて、今その場で孵り――否、覚醒したコガモめいた何かを店主の半エルフはじぃっと見る。
上から下から、更にはしゃがんで目線を合わせるように色々な色が混じったものを見聞し、心当たりを脳裏に結ぶ。
眠っていたものを起こしてあげた、ということだろう。
そうしたら、出元にして由来となる魔物の姿の縁を辿って形を成したら、こうなった、と。
此れは真似できないかなぁ、と。たはは、と微かな笑い声を零し、眉を撓らせたところで状況が動く。

「……ちょっとビックリしたけど、そんなに高いものじゃないから、気にしないで。
 材料自体は元々そうむつかしいものじゃないわ。けど、こうしたいなら工夫が要るってハナシ」
 
鉛細工も真鍮細工もピンキリだが、何処ぞの職人に頼んで、特注した類ではなくてよかった。
内心でそう思いながら、摘まみ上げた鉛の重みを確かめる。質の変動は非常に気になるというほどではない。
心なしか、良くなったか。そう考えながら呪文を唱え、摘まんだものの上で文字を描くように指を動かす。
そうすれば、小さなカタマリが形を整え、ダリアの花を描くように繊細な形状をかたどり出す。
最後に裏面に糸を通す箇所まで生成し終えれば、最初の形状とは違っても使いものになるものが出来る。

「ね?」

工夫の一例を実演して、ウィンクをひとつ。そのあと、出来上がったボタンを元の置き場に戻す。
魔力の通り含め、扱いやすい金属物であれば、鋳型や鏨などを使わずに魔法的に加工を行える。その力量がある。

ジギィ > 「任せてくださいませオジサマ! わたしきっと、理想のアリのままになってみせますわ」

ほどほどにしとけ、と言う視線は『ほどほどに無理せずガンバレ』というものに脳内変換をして、確かに、と頷くエルフ。
(頑張って『そうなる』のではなくて、 アリのままでいて『そうなる』のが本物ってことよね)
さて、明日から王都に『マッスルをナンパするエルフが出没』予報が出るのか。冒険者ギルドに行けばあっさり見つかりそうだから、案外と収束は早いかも知れない。

「髪フサフサは毛の生えている動物全てで魅力の象徴ですから。何でしたらツヤを増すオイルを2割引きで卸しますわよ。
 ンー そうですわね。ディアーヌ様の仕立てなら文句無いと思いますわ。
 …こらオジサマ、嫌な顔しない。まあ何といっても清潔感ですわね。その辺りはどんなファッションでも共通ですから。その後は彼の気分次第…おっと」

彼が露骨に嫌そうな顔をするとエルフはぶー垂れ顔で抗議をする。それからやれやれと言った表情で肩を竦めるとアドバイスとばかりに説教をたれ、次いで滑らせた口元にはそれを片でを押さえ、最後はほほほと笑って『何でもない』と言うようにもう片方の手をひらひらとさせた。

「うーん…そうですわねぇ、 わたくしの手荷物に入らなかったら、オジサマ面倒見て下さいます?多分トイレのしつけは要らないと思いますわ」
腕組みをしたエルフが視線を注ぐ件のコガモは、毛玉たち2匹にかこまれて立ち往生している。たまに囲いから抜け出ようとすると『仕草が先ずそのお尻に現れる』のを早々に悟った毛玉たちが先回りをするので、延々とその場でくるくると回っていそうだった。

そのくるくると回っていたコガモをエルフはつまみ上げる。『ピィ!』と上げられた鳴き声は抗議か、それとも毛玉たちに対する捨て台詞か。
もともと材質が石だ。形が決まれば早々に変わらない筈ではあったが
エルフがそのコガモを両手で暖めるようにしてから掌を開くと、そのかたちは元の卵型に戻っていた。袋から取り出された時よりは純度の高い光を放っているが、大きさはやや小さくなったようでもある。

「あーん、ごめんなさい。
 ……すごいですわね。わたし、実は魔術らしい魔術は使えないので術の難易度とかは解らないのですけれど… こういった小さいものを加工するのは確かに『工夫が必要』だということは解りますわ」

元の置き場に戻されたボタンを覗き込む様にしてから、エルフは簡単の溜息と共に店主へ尊敬のまなざしと言葉を向ける。
それから卵型へともどったそれを、掌の上で『ごめんなさい』させるように彼女の方へ傾げさせてから、無造作にジャケットのポケットへぽとん、と落とし込んだ。道中、はずみで取り落としたりポケットに穴が開いたりしないことを願うばかりである。『ぴーちゃん』が自力で飼い主のもとに戻って来るには相当時間がかかるであろう。

「えーと…
 ディアーヌさまと観劇の約束もしてもらったし、あわよくばお母さまとコイバナさせてもらう事もお約束頂きましたし
 まるちゃんたちも衣装がきまって……あああとオジサマも…
 今日は、この辺りで失礼することになりますかしら?」

エルフは指折り指折り、自分の興味関心度の高い順に指折り数えて、首を傾げるようにして彼の方を伺う。
窓の方を見ると陽の色が橙色に染まって、傾きかけてきている事が知れるだろう。

影時 > 「――はははは。俺と思うアリのままとお前さんのアリのままがだーいぶ違ってそうだよなァおい」

ちょっと不安になってきた。まっそーという語句を考えれば、己が体躯もそう遠い筈ではない筈。
しかし、エルフが考えていそうなマッスルとその実例の比較はおそらくというか大分違う。そんな悪寒を覚える。
冒険者ギルドであれば、恐らく前衛職の皆さまであれば、筋肉質の実例は枚挙に暇があるまい。
何は兎も角、面倒が無ければ良いが。そうひっそりと願わずにはいられないのであった。

「さよか。それだったら椿油あたりが欲しいトコだな。ありゃ色々使いであるンだよ。
 ならいいが――……って、こらお嬢様よ。
 身なりを整えるのは人前に出る時の基本原則と思うが、気分次第とか聞こえたのは気のせいか。ン?」
 
髪ふさふさ、毛フサフサの動物と聞いて、何となく鬣と尻尾がフサフサのペガサスが思い浮かんだ。
現物はまだ見ていないだけに本の挿絵に描かれた図と、馬の姿を重ねて思うと、思う以上にしっくりきた。
そんな思考を首を振って払い、整髪の用途含め、色々と使いでのある植物油の名を口に出す。
こちらにあれば良いのだがと願いつつも、表情に浮かぶ不安が向こうの仕草を見ていると晴れない。……大丈夫だろうなぁ?と重ねて問う位に。

「……回答に困るコト聞くなぁ。
 あいつらにも聞いてくれねェか? 主従関係にうるさい手合いとは思わんが」
 
今見た生態やら何やらを見ていると、不安げになる。
仕事柄、色々と鉱物を採取したうえで自前で加工を行うことはあるが、その助け等にもなるのだろうか。
いや、それ以前に。食事の問題がある。子分のような毛玉たちと同じ食事を摂れるのか?
動きと仕草の法則を早々に見切ったのだろうか。二匹の連携プレイで先回りされ、延々と回るコガモがちょっと可哀そうになる。

だが、それも長く続かない。
摘まみ上げられたコガモが、非難か抗議か。それとも捨て台詞か。鳴き声を残して元の形状に戻る。
表面に覗く宝石の光は宿っていた精霊が目覚めたせいか、澄んだ光を放っているように見える。
少しばかり小振りになったのは、きっと内部構造が整って姿かたちが変われるようになったからだろう、と。そう思う。
それも匠な加工の技を見せた店主の技に、ほう、と直ぐに興味が移る。
金工や彫金の技には心得はあり、会得はしている。だが、ああもいかないとなれば、やるものだな、と零して。

「……一先ず、用事は粗方済んだし、な。凡そはこンなところか」

さて、色々あったけれども果たすべき目的は達成できた。連れてきたエルフには色々と縁やら何やらが出来た。
そのかわり懐具合はだいぶ軽くなったが、武具と茶器類、そして茶菓子以外で散財する機会とは多くない。
であれば、あとは身なりに投資するというのは、これまた結果的に問題は無かったろう。
窓辺を見れば、ずいぶんと日の色が橙色に染まってしまっている。明日はきっと、晴れるだろう。そう思わせる色だ。

NPC > 「ふふー。鏨とか使い辛い時はこうするに限るわ。
 こういうやり方が邪道っていう人は多いけど、最終的に作りたいものが固まっているからこそよ」
 
虫眼鏡を台に据えて、鏨や鑿を振る――と。彫金は神経を使う作業が色々と重なる。
が、魔法的なアプローチ、加工法としてこうする術士も決して少なくない。その一例がこの店主だ。
最終的な完成形が構造含め確定し、精緻に脳裏に浮かんでいるからこそ、工具を介さずに金属を魔法的に加工できる。
勿論万事がそうでない。そうした加工術が通じない場合の対処は、古式ゆかしい加工法に訴えるに限る。

「いーわよ。お代ももらえるだけもらってるし、文句はないわ。仕事もしてあげられる。
 一先ず、おじさまは帰りにお茶か花屋さんに寄ってあげること。……良いわね?」

さて、卵状に戻ったそれをお辞儀させる姿に、ぱたぱたと手を振る。
引き取ってあげても良かったが、一応はあげた対象が異なるのだ。
念のためにアドバイスというか、釘差しともとれる言葉を男に投げかけつつ、一通りの注文内容を脳裏に並べる。
毛玉たちの装束、飼い主の装束、そしてオマケ的なアクセサリーの加工と仕上げ。
明示した金額のやり取りは済んで、それで契約成立。そうとなれば仕事を果たす義務が残る。
来客の片割れに対する約束もまた同様。諸々整ったら、受け取った紙を燃やして場所を示すことだろう。

男にいついつ頃にまた来てね、と言い添えつつ店主はカウンターを回り、店の入り口まで歩く。
外に向かって歩き出す姿を認めれば、そっと扉を開いて送り出すために。

ジギィ > 「そりゃそうですわよ! お互いのアリのままがお互いの想像通りだったとしたら、私はまず相手が夢魔か何かでないか疑いますわね。
 ―――オジサマは違いそうですからその点では安心ですわ」

エルフは少しトンチンカンな返答をして、最後は彼をまた上から下まで見て『夢魔ではない』と太鼓判を押すかの如きに重々しく頷く。
どの点で確信できたのか、彼に問い詰められる前にエルフはピースサインと共にバチ―ン!とまたウインクを送った。

「椿油? 確か作ってたコが居たようなきがするなー…ちょっと、聞いてみる ますわよ。
 気分次第っていうかー… まあほら、真夏の天気が良いときにあんまり赤とか見たくないじゃない?そんなカンジ?
 不安だったら都度ディアーヌ様に見立てて頂いたらいいと思いますわ。顧問料月額100000ゴルドぐらいで。」

大丈夫だろうかと重ねて問う彼に解決策(現実味があるかどうかは別として)を提示して、ドヤァと謎の腕組みと満足顔をするエルフ。少なくとも商売人を目の前にしての金銭感覚は、もう少し、かなり、鍛えた方が良い様子である。

「ぴーちゃんはカゴでも被せて、金属製の食器か何かを一緒に入れてあげれば大丈夫
(…だと思いますわ)
 まるちゃんたちは、そーですわねぇ… お兄ちゃんたちになってもらうしかないかもしれませんわねえ。
 
 取り敢えずぴーちゃんは、観て良し、愛でて良し、投げて良しの3拍子揃ってるから、貸し出してほしいときはいつでも貸し出しますわよ。」

ポケットに収めた感じからして、自分の荷物に納まると判断したらしい。基本的には自分が飼うつもりであると示しつつ、『でも兄弟いたほうが寂しくないよね』という親心か、彼の元に時折派遣するような旨を毛玉たちに向かって語る。
当の毛玉たちは『どうする?』と顔を見合わせて、それから揃っておやぶんを見上げた。『おやぶんが良いってェなら…あっしらは…』もじもじ。ちいさな爪先が机の上に『の』の字を書く。

「そーですわね。私もその考え方賛成ですわ!
 過程に意味が無いとは言いませんけれど、何もかもに手をかけていたら本命を逃がすこともありますでしょうし。
 … ディアーヌ様、 感謝しますわ」

エルフは店主に向かって優雅なカーテシーを披露してみせて、顔を上げると「また伺いますわ!」と笑顔と共にピースサインを送る。
『また』の機会は観劇になるのか注文の品々を見に来るときになるのか。何れにせよそう遠くない未来のことだろう。

エルフはそうして入って来た扉のほうへ向かう店主の後を追いかけて、ドアから外へ滑り出ししな、彼女へ握手を求める。
応えて貰えたなら「今度ぴーちゃんに、お手伝いできるような芸を仕込んでおきますわ」と笑顔を向けるだろう。

影時 > 「その辺りを詰めるのが対話って奴なんだよ。
 ……夢魔かぁ。いや、その安心の仕方はどうなンだか」
 
特に商談や何か物品を発注、取り寄せる時がそうだ。どれほど気心知れていたとしても例外ではない筈。
すれ違いが無いよう、誤りがないように可能な限りを細かく聞き取り、詰めて最終的に確定させる。
今のやり取りもまたそういった工程、プロセスが必要ではなかっただろうか?
突っ込み無用とばかりにウィンクを送られ、面食らい――、もとい顔に喰らえば、微かによろめくような仕草を見せよう。

「搾れる種が採れる木がある、宛てがあるってならイイや。何分こっちじゃまだ見た記憶が無くてな。
 なァ、お嬢様。そーゆーのをな。気分次第って云うンだよ。あと、その値段は高すぎだ。暴利が過ぎンぞ」

あるのか、と。故郷と同じ木があるのか、同種同類の木が別途この国でも現存してるのか。
どやぁ、とキめるエルフに対し、口調口調と突っ込みをしつつ、続く言葉にため息もたっぷりに肩を落とす。
何処からどう突っ込んだものか。確か、中流階級の平民が一日暮らすには凡そ200ゴルドほど必要になるのだったか。
それを基準に考えると、手段を問わなければそれなりに稼げる自信がある己でも支払いが難しい。そう判断する。
故郷のおとぎ話に出てくる姫君の逸話よりは有情だが、つまりは無理難題が過ぎる。そう思いながら。

「それは様子が見れねェなあ。
 仕方がねえな。錆びた手裏剣をざっと磨いておいときゃ、おやつにはなるだろ多分。
 観て愛でては分かるが、投げる生き物でもあるめぇ。流石に俺も投げづらい。
 
 ……おまいら。ったくよう。遊び相手が欲しそうな顔しやがって」

食器も色々あるが、少なくとも銀食器は論外だろう。そうなると銅か錫か。いやいや、と。
今孵ったばかりのコガモが落ち着く先が一先ず決まったが、預かり、または借りる際の食事の問題が引っかかる。
鉛がイケるなら、鋼もイケないと言い切れる理由がどこにあるか、と。そう考える。
忍び装束の隠しポケットに突っこんだままの手裏剣は、おやつになるかどうか。それとも硬すぎて別をせがまれるかどうか。
己を見上げ、何やらもぢもぢし出す毛玉たちの仕草を読み取れば、仕方がないといった体で許可を出す。
わぁいと前足同士を持ち上げ、ハイタッチを決めるような二匹のコンビは眺めていると、おのずと目尻が下がる。
遊び相手が欲しそうな顔は、きっといろいろな人間の心を打つ――ことだろう。

「――……ははは、そうさせてもらうかね。取り敢えず、出来上がり楽しみにしてる」
 
店主からの釘差しと出来上がりの予定日となる日付、時期にそれぞれに趣向して、扉の方に向かいだすエルフのあとを追う。
その姿に二匹はぴょーいと大きく飛び上がり、親分の背中へと貼り付く。
そうして攀じ登り、二匹で左右の肩にそれぞれ陣取れば、店主に前足と尻尾を振って別れの挨拶を示す。
店主とエルフの用事とやり取りが済めば、片手を取って歩き出すだろうか。

それぞれの寝床や定宿に向かっても良いが、近場の花屋と喫茶店を経由するように先導しながら――。

NPC > 「そんなに取らないわよ、わたしだって鬼でも魔族でもないもの。取って……そうね、50ゴルドくらい?」

頼まれたら見てはあげるけど、と。
そう述べて流石にそこまでは取らない、と。乾いた笑い声を零しながら営業スマイルを浮かべる。
それでもちょっと金額は高めの設定、なのかもしれない。
比較対象を踏まえると良心的かもしれないのがタチが悪い以前に、エルフの金銭感覚が心配になる。
両親に話を通した際、母親にその辺りの教育や共有を頼もう。そう決めつつ。

「結局行きつきたい場所と形が決まっていれば、過程はわりとどーとでもなるの。
 それが多分仕事ってことを学んだわ。頼まれた分はきっちり仕上げるから、ちゃんと取りに来てね」

エルフが見せる優雅な挨拶に、店主も胸に手を当てながら優雅に一礼を返して見せる。
見えるピースサインに営業向けではない素直な微笑を向け、その時はお茶でもご馳走しよう。
例のコガモ君を連れてきていれば、何か適当なご飯を見繕っても良いかもしれない。

そう思いながら、最後の見送りに掛かろう。
扉を開けば、鈴の音ひとつ。足音みっつ。

店の外に見送りに出つつ、「楽しみにしてるー」と握手を返しながら応えよう。
それが済めば、帰路か寄り道につく後ろ姿を雑踏に紛れるまで、手を振りながら見届けたことだろう――。

ご案内:「富裕地区・商業エリア」から影時さんが去りました。
ご案内:「富裕地区・商業エリア」にジギィさんが現れました。
ジギィ > 「…確かにそうですわね」

対話の必要性は確かにある。エルフは彼の身体つきをあらためてしげしげ、品定めするように見ると、うんうんと神妙な顔で頷く。
確かに魅せマッスルと使えマッスルは違うだろう。彼の身体付きは身軽に動ける事とのバランスをとった使えマッスルだと思えるが、このエルフの目指すマッスルはもう少し魅せマッスル要素を付け加えたいところ。取り敢えずその動けマッスルの彼の抗議をウインクで撃退(?)。

「へえ、そうなんですの? 確かに多くは無いかもしれませんわね。私も実際密生しているような場所はあまり知らないですし…あの花、落ち方が独特で印象的ですわよね。
 もーオジサマ、 ファッションなんて気分次第の要素盛り込んでナンボですわよ。
 …あらディアーヌ様、いいんですの?」

服についての『気分次第』の主語は主には着る本人によるものだと思われるが、服装が相手の印象を操作するという事実においては相手の気分次第、と言えないことも… エルフも内心『それはない』気はするが、尤もらしく説得を締めくくる。
店主が思った以上(このエルフ基準)のディスカウント価格を提示すると、心底びっくりした顔をして彼女に顔を向ける。それは金額があまりにも安すぎると心底思っている顔で、自分の金銭感覚を疑うものではない。

「錆びたものなら、たぶん錆びたまま食べて貰ったほうがいいですわよ。 多分ぴーちゃんは、混ざったものを分けるほうが得意だと思いますの。
 そーですわねぇ、下手な石ころを投げるよりはかなりの攻撃力があると思いますけれど…ダイヤモンドが相手なら、ちょっと考えた方が良いかもしれないですわ?
 ――――うふふ」

宿った精霊の性質を考えると、何かものを食べて消費する存在と言うよりも、経年変化などが起こったものをもとに還すほうが好きな気がする。そう考えると、ある意味トイレの躾は必要なのかもしれない。
投げる云々に疑問を呈されると、エルフは不思議そうな顔で首を傾げて彼を見た。『ぴーちゃん』は触れてよく見ると解るが、表面はダイヤモンドを纏っていた。ので相当な硬度のものが相手でなければ投げつけられて割れるということはないだろう。だが投げるためにそうなっているわけでは(多分)ない。それに抗議したものか、ポケットの中がぷるぷると何か震えたような。

弟分らしきものに嬉しそうにする毛玉たちをみてエルフはしてやったり、と笑って
新たにつなげられた縁と、再びここを訪れる時を思ってまた笑みを浮かべて、エルフは店主に付き従うように店を出る。
戸口で見送る店主を振り返って大きく手を振って、彼の後ろを着いていくのだろう。

辿り着いた先でまた
やれ『私に似合う花をオジサマが選んでください。店員さんに聞くのはNGですわよ』だの『喫茶店を選ぶときはシェアできるものがあるお店を選ぶといいですわよ。あと音楽が何系かは要チェックですわね』だの
彼には結局、懐具合以上に精神的に消耗が激しい日となったかもしれない――――

ご案内:「富裕地区・商業エリア」からジギィさんが去りました。
ご案内:「セレネル・レジャービーチ【海の庭】」にメリアスさんが現れました。
ご案内:「セレネル・レジャービーチ【海の庭】」にローリエさんが現れました。
メリアス > 夏だ!海だ!
太陽が照りつける光の下で、そんな童心めいたテンションとは真逆の女性二人の姿がある。
一人は桃色の髪を軽くまとめて、黒の水着の三角ビキニの姿はいかにもな大人の雰囲気を漂わせているだろうか。

さて、此度二人がここにやってきたのはほかでもない。
思う存分休暇を楽しむためだ。
夏となり、各地で娯楽を求めた動きがある中、自分たちは任務も任務、また任務。
このままではこの季節を一切楽しまぬまま、寒い季節を迎えてしまう。

「…流石に、そういうのはイヤだもの。
 ただ宿で休むにしてももったいないし、気になってたのよね…」

そう、仕事の相棒であり友人であるエルフへと話しかけながら砂浜を歩く。
普段歩かない、不思議な感触だ。
任務で歩かないわけではないけれど、サンダルや波風を感じながらといったことは久々だ。
特に、ここまで整備された場所ならばなおさらだ。

「せっかくお高い場所に来たんだもの。
 今日は楽しみましょう?

 ローリエはやりたいこととかあるかしら」

そう訪ねつつ、湿った浅瀬をぶらりとゆく。
指先に冷たい水が流れ込んでくる感覚が心地よい。
どう?なんて言いたげに、そちらを見つめた。

ローリエ >  
「これが海……初めて見た」

もう一人はブロンドの長髪はそのままに、首元から伸びた布が豊満な胸を持ち上げるデザインのビキニとパレオを身に着けている。
普段の服装と布面積が大差無いため、特に恥ずかしがるような様子もない。

「こんなに広い水場が貴族の貸し切りだなんて信じられない。
 人間の考える事って時々よく分からないわ」

エルフ特有の若干ズレた感想を抱きつつ、初めての海に高揚を隠せないのもまた事実。
感触を楽しむように、柔らかな砂を踏みしめながら歩く。
しかし、はしゃいでいるかというとそうでもないようで……

「そうは言っても、水場は水場でしょ?
 あんたはともかく私は別に……水浴びなんていつもの事だし」

そっけない反応。
これは完全に海をナメている。

メリアス > 「…そういえば、海辺まで一緒に来たの初めてだったわね」

思えばいつもゴブリン狩りだとかちょっとしたダンジョン攻略だとか内陸側の仕事ばかり受けていたのを思い出す。
何故海で遊ぶという文化が流行りだしたのか…疑問に感じるという一面においてその感想は同じくとしながらも、彼女のことだ。
おおよそ、楽しみにしていた~…だなんて、素直に言えないのだろうとおおよその察しをつける。

「娯楽なんてそんなものよ。
 遊ぶためなら空間の一つや二つ専有してしまうのは色んなところでもそうでしょう?
 貴方は行かなさそうだけど…カジノとか、娼館とか」

わざとらしく不健全な施設の名前をあげつつ、膝辺りまで浸かる程度に歩を進めれば。
釣れないことを言う友人の方を振り向いて。

「あら…?
 エルフ様とあろう方がもしかして怯えてるのかしら?
 無理もないわね…湖なんて比べ物にならないほど大きいもの…」

なんて、こちらはこちらでしれりと煽って見せる。
無論本心ではないけれど、わざとらしく水音を立てる姿は早くこっちに来いと言わんばかりだ。

ローリエ >  
「ええ、船に乗って移動するようなこともなかったし。
 魚が獲れるってことは知ってるけど、それなら川も同じでしょ?」

なんなら川は海に通じているので、同一視している節すらあった。
物心ついた時から森暮らしのため一般教養に乏しい。

「そういうものなのね……って、チョイスに悪意を感じるんだけど」

挙げられた施設がどういうものかは、街で見たことがあるので知っている。
客引きに騙されて入りかけたのをメリアスに止められたこともあった。
総じていかがわしい場所という認識であり、怪訝な顔をする。

「はぁ? 誰が怯えてるですって?
 あんたね、エルフが水を怖がるわけないでしょうが!」

安い挑発に乗せられて、ざぶざぶと飛沫を上げながらあなたを追いかけた。

メリアス > 「……軽くでも海に出る依頼でも受けてみようかしら…」

少しでも海の果てしない景色や、世界の広さを知っていれば出ることもないであろう言葉にこめかみに軽く手を添える。
魚もだいたい同じ種類のものだと思っていそうだ…。

「悪意に聞こえたなら…行ってないみたいね?
 少しばかり安心したわ?」

興味半分で行くようなヤンチャではない認識だけれども、必死に頼まれたら断れないのが彼女の性だ。
ある意味放っておけないのだよな…なんて思いつつ。

「ふふっ
 それなら折角の休みなんだもの。
 少しはただの水遊びでも楽しみましょう?」

折角の休日だ。
ほどほどの場所まで泳いで見せつつ、挑発に乗ってきた貴方にわざと捕まりながらクスクスと愉しげに笑うのだ。

ローリエ >  
「あ、いいわね。
 そろそろゴブリン達の相手するのにも飽きてきた頃だし、ちょうどいいわ」

海上での依頼を請けることについては乗り気の姿勢。
こうして目の当たりにしてみて、海への興味がより募ったのだろう。

「行くわけないでしょっ。
 誰かさんと違って身持ちが固いのよ、こっちは」

そこよりも世間知らずな部分を心配されているとは露知らず。

「……いいわ、そこまで言うなら見せてあげる。
 水の扱いにかけてはエルフの右に出る者はいないってことをね!」

近くまで来て、さて何をするのかと思えば。
両手いっぱいに掬った水をあなた目掛けてばしゃりと浴びせかける。
なんてことはない、水を使ったじゃれ合いだ。

メリアス > 「仕方ないでしょう。
 比較的新人の貴方に回せる依頼は選ぶべきだし。

 ま、そういうことなら探してみるわ」

せっかく興味を抱いてくれたのだ。
彼女がそのように外の世界に興味をもってくれるのは素直に好ましい。
そんな保護者のような心配はまだまだ続くのだろう…。

「あら、誰かさんって誰のことかしら?
 そんな知り合いがいるなら大事にしたほうが良いわよ?

 って、きゃっ!?

 ふ、ふっ…やってくれるじゃない。
 この程度の水遊びで私が遅れを取るとは思わないことねっ!」

ぴしゃっ!と浴びせられた海水が心地よい。
全く怒るところではないけれど、やられっぱなしというのはこちらの矜持に反する。
仕返しとばかりに同じく水を掬って思い切り浴びせかけた。

ローリエ >  
「わぷっ!
 ふん、このくらい……って、しょっぱぁッ!?」

正面から水を浴びても怯まない……が、これは海水。
まったく想像だにしていなかった味わいに思わず悲鳴を上げた。
顔を顰めながらぺっぺっと口の中の水を吐き出す様は隙だらけ。

メリアス > 「ほーら、隙だらけ。
 これでも湖と一緒って言えるかしら?」

そんな様子を見て、この女が近づかないわけもなく。
ぎゅっと抱きついて見せながら楽しげに微笑む。

「ふふ、あなたが知らないことが多いんだから、あんまり強気になったりシないことね…。」

ふふふと得意げ。
さながらお姉さんマウントといったところか。
実年齢は間違いなくエルフの方が高いのだろうけれど…。

ローリエ >  
「うぐぐ、油断した……
 海の水ってこんなにも泉や湖と違うものなのね」

悔しそうに唸りつつ、抱き着かれること自体には無抵抗。
普段から露出高めとはいえ、濡れた柔肉がむにゅりと歪む様はいっそう艶めかしく映る。
特に今は互いに水着姿なこともあり、肌と肌の触れ合う箇所が多い。

「なーに威張っちゃってんの、よっ!」

しかし、やられっぱなしは彼女のプライドが許さない。
水の精霊に呼びかけ、手を使うことなくあなたの背後から不意打ち気味に背筋を水でなぞり上げた。

メリアス > 「そうよ。住んでる魚だって違うんだから」

ふっふっふ…と知識マウント。
少し得意げになりつつ、もう何度目かの柔肌をやんわりと撫でる。
普段なら肌の熱ばかりを感じるところだけれど、海の水の冷たさも伝わって心地よさを感じさせる。
その扇情的な様子は色々とクるものがあるけれど、公共の場だからと理性はそれを引き止める。

「…ひうっ?!」

思わぬ不意打ち。
同時に漏れ出すいつもなら出すことのない可愛げのある声。
普段なら自分の体で軽くどついてくるくらいなのに、妖精まで駆使してくるとは思わなかったのか思わず背を丸めて手を離してしまう。

ローリエ >  
もはや肌を軽く撫でられる程度では何も言わなくなったのは信頼の表れでもある。
あなたが相手でなかったら、その手を払い除けていたところだ。
冷たい水と人肌の温もりのコントラストが心地良い。

「あら、かわいい声♪
 言ったでしょ、水の扱いなら右に出るものはいないって。
 精霊(この子)込みでエルフの力なんだから」

指先に水精霊を止まらせて、勝ち誇った笑みで胸を張った。

メリアス >  
「…ちょっと驚いただけよ…」

思わず出る負け惜しみ。
同時に湧き出る劣情に似た、ちょっとお仕置きしてやりたいという気持ち。

「でも…ふぅん?
 …エルフの力ってこの程度なのね?」

煽りに乗る性格でもないのだが、そこまで生意気を言われれば分からせたくなるのも人の性だ。
まだまだこちらに寄ってこない限りは人の目にはつかない距離だろう。
遠目から見れば女子同士がじゃれあっているように見える…はずだ。

そう確信するや再び近づけば、おもむろに片手で尻肉を鷲掴みにしていやらしくその柔肌を揉みほぐし始めた。

ローリエ >  
「ふふん、どうだか。
 背中が弱かったりするんじゃないのかしら?」

ここぞとばかりに揶揄おうとしてくるが、あなたの言葉にムッとして。

「この程度ですって? なわけないでしょ。
 本気を出したらあんたなんて―――んぁっ♡」

不意に水中で尻を鷲掴みにされ、揉みしだかれる。
今度はこちらが恥ずかしい声を上げてしまった。

「ちょっ、あんた……んっ、こんな所で何考えて……!?」

こうも密着した状態では振りほどいて逃げることもできない。
手元は水に隠れて周りから見えないとはいえ、野外で突然セクハラまがいのことをされて抗議の視線を投げかけた。

メリアス >  
「…ローリエに何度も背後を取られるほどヤワじゃないわ?」

そんな言葉に否定を含まない反論を返して。

「本気を出したら、なにかしら?
 ふふ…なら本気を出させなければ良いわけでしょう?」

いつも通り、落ち着いた声色ではあるものの、その行動は少しばかりムキになってるような。
聞き慣れた恥ずかしげな声が聞こえれば今度はこちらが満足げな笑みを浮かべる。

「あら、あんまり大きな声出すとバレちゃうわよ?
 まだお尻に手が当たってるだけだし…この距離でバレたりシないわ…。
 ごめんなさいってちょっと素直になるだけで許してあげるけど?」

暗にこれ以上はまだしないという意味でもあるが、収まる範疇なら続けるという意味で。
ゆっくりと、その肉を味わうかのようなねっとりとした手付きでモミ♡モミ♡と揉みあげてみせて。

ローリエ >  
「この……っ、調子に乗って……!」

さっきまで調子に乗っていたのは自分の方なのに、棚上げして睨みつける。
とはいえ、本気で嫌がっているわけでないのは付き合いの長いあなたなら分かるだろう。
そうでなければ、そもそもここまで近付かせはしないわけで。

「あんたねぇ……!
 んくっ……誰が謝ったりするもんですか!」

揉まれるたびに身体が熱を帯び、くぐもった声を漏らしつつも、あくまで強気な姿勢。
しかし、流石に周囲を気にして落ち着かない様子だ……

メリアス >  
「貴方も勝ち誇ってたじゃない…。
 …でも、貴方のそういうところ好きよ」

そういうところは図太いというかなんというか。
けれども、本気で嫌がっているならそこの精霊の力を遠慮なしに使っているはずだ。
つまりは、こちらの土俵に乗ってくれるということで。

「ふぅん…その強気がどこまで続くか試してみようかしら…♪」

そう強く反発されると逆にそそられるというものだ。
この程度の責めでは彼女の強気の姿勢を変えられないだろうかと、先程まで揉んでいた手はより大胆に水着の中へと手を潜り込ませ、アナルの入り口をツンツンと突くように僅かに挿れたり抜いたりを繰り返して見せる。

ローリエ >  
「こんな時に言われたって嬉しくないってのっ!」

嬉しくないとは言っていない。
水の精霊はコイツらまたやってるよ、と呆れた様子で海に潜っていった。

「ちょ、何する気―――っひぁ!?
 どこ触って……んぅうッ♡」

ただ揉まれていた時とは明らかに異なる反応。
指先が触れれば、アナルがキュッと吸い付くように締まる。
それを繰り返されるだけで全身の力が抜けてしまった。

メリアス >  
「ふふ…こういう時くらいしか言う機会がないものだから。
 許して頂戴?」

などと宣う。
別に他のタイミングで言えるのはそうなのだが、言葉自体はまた本心なわけで。

「あら…そういえばこっち触るの初めてだったわね。
 の割に…ふふ…かわいいのね、ローリエ」

力の抜けた体を身体で支えながら、遠慮なく責めを続行する。
吸い付きが良さそうな尻穴の様子に、女はやはり楽しげに人差し指をゆっくりと挿入して。

「ほーら…♡
 いいの?ごめんなさいすれば、抜いてあげるのに」

そう意地悪を囁きながら、ずぷぷ…と人知れず細い指は彼女の身体をゆっくり貫いていく。

ローリエ >  
「この、ヘンタイっ……!」

捨て台詞のような罵声にも覇気はなく、されるがまま。
ここが水中でなければ膝が震えていたかもしれない。

「当たり前、でしょ……んぁっ♡
 そこは、触るようなとこじゃ……ひぅっ♡」

実際、自分でもそういう目的で触れたことなどないはずなのに。
彼女のアナルは驚くほどすんなりと指を受け入れてしまっていた。
秘部を弄られるのとは異なる刺激に戸惑いながら、それでも屈することはせず。

「誰、が……ぁああッ♡ 深いってぇ……っ♡」

じわじわと奥まで侵入してくる指。
入口の狭さに反して、柔らかい肉襞が包み込んでくる。

メリアス >  
「どっちがヘンタイかしら…?
 こちらで感じちゃうローリエのことかしら…」

いかにもわざとらしくすっとぼけながら、片腕で彼女を支えつつ片腕はローリエの尻穴を蹂躙する。
傍から見れば変なこと…とまでは行かなくともイチャイチャしてるようにみえるのには違いないだろう。

「普通は、ね…。
 でも、感じちゃうなら使わないともったいないじゃない?」

前もかなりの感度であるはずだが、初めてであるにも関わらずこの反応は目を見張るものがある。
実はこちらのほうが弱いのだろうか…そんな分析をしつつ、未だ屈す様子のない彼女を更に追い込もうと指を動かす。

「…♡
 えっち…。

 私の指がもっとほしいって吸い付いてくるわ…♪
 随分と気に入ってるみたいね?」

すっかり奥まで飲み込まれた人差し指を、今度はあえてゆっくり…ゆっくり引き抜いていく。