2023/08/11 のログ
イェン > 「…………………………」

(視線を誤魔化す事もなく、いっそ不躾なまでに見つめられれば下着と大差のない―――むしろ、普段身に着けている下着の方が布地面積があるのでは無いかと思える水着姿に羞恥が浮かび、感情の動きを何ら覗かせる事のない白皙の無表情にも仄かなピンクが滲み、すらりとした肢体もどこか居心地悪そうに内腿を擦り合わせた。とは言え、こちらの水着を大胆なんて表現する彼女の方が余程いやらしく見えるのは、彼女の身体がイェンの物より大人びた肉付きを有しているからなのかも知れない。ついついじっくり観察してしまいそうになるのを、無理矢理視線を外して誤魔化しながら)

「私が住んでいたのは帝国の内陸部でしたから、比べられる程ではありませんが………そうですね、美しいと思います」

(初めて海を目にした時はそのスケール感にただただ圧倒された物だが、潮風の匂いにも慣れた今、改めて目にした海岸の景色はレジャー施設として整えられている事もあるだろうけれど、純粋に美しく思えた。高く広がる蒼穹と、それを写し込む透明度の高い水面のコントラストは、白浜に程よく配置されたヤシの緑も相まって、無表情を常とする留学生の胸内にも何か心沸き立つ想いを抱かせる。)

「無理に全てを回る必要も無いとは思いますが……」

(返す言葉は淡々と、しかし、引かれる手に抗うこと無く貴族娘のお尻を追って歩き出す。ただ立っているだけでも汗の滲む陽光の下、海産物を主とした食材を鉄板で豪快に調理して振る舞う屋台の数々。その対面では色とりどりの浮き袋や水眼鏡、波乗り板などが売られていて、水着姿で行き交う人々と共に独特の活気を作り出していた。留学生はそれらに興味深げな無表情を向けつつも、先導役たるクラスメイトの誘いを遮るつもりはないらしい。すれ違う海水浴客や出店の店主を始めとした多くの視線を集めつつも、まずは彼女が向かう先へと付いていく。)

ヴィルヘルミナ > 「…まぁ、その様子だと貴女が自分で選ぶとしたらもっと落ち着いた水着でしょうね。
私もその方がいいと思うわ。泳いで楽しむのが第一だもの」

彼女の、少々分かりにくいが恥ずかし気な様子を見て、ヴィルヘルミナは言う。
もっと布地面積も多くデザインもいい水着はいくらでもある。
やっぱり次からは自分で選んだ方がいいわよとイェンに言いながら、
彼女にすすすと近寄り、その腕にむにゅ、と胸を押し付けつつ。

「……でも、私の水着は貴女に見てほしいのを選んだのよ?見てくれないと悲しいわ」

そう、そっと耳元で囁いた後、小悪魔めいて笑いながらイェンから離れる。
そして、手を引っ張りながら屋台の集まるエリアを眺めて。

「そうね、無理に全部回る必要はないけど…行きたいところには行っておかないと損よ?
夏が終われば次に行けるのは一年後。同じ店がまたやってるとも限らない」

そして彼女の場合、シェンヤン帝国に帰らなきゃいけなくなることも考えられるだろう。
そうなれば、中々行きにくくなるのは当然の話で。
しかし、ヴィルヘルミナは屋台の方でなく、海の方にイェンを引っ張る。

「でもまぁ…まずは泳ぎましょう!
お腹を空かせてから食べに来た方が美味しいものね♪」

そして、他のレジャー客を器用に避けつつ、波打ち際まで走り始め。

イェン > 「ええ。流石にこんな、軽く紐を引っ張られただけで脱げてしまうような水着は、なんだか落ち着きません。中にはお尻が紐だけといった物もありましたから、それに比べればよっぽどマシですけど……」

(デザインとしてはホルターネックのトップスと、ローライズの横紐ショーツ。幸いにしてTバックでは無かったが、それでもお尻の割れ目を半分ほども覗かせる布地面積の少なさは、手の平で常にお尻を隠していたくなる。無論、それをすると余計に悪目立ちするだろうから、留学生は何てことなさそうな涼し気な表情で水着姿を披露してはいるのだけれども。)

「――――そう、ですか……。では、機を測ってしっかり見させてもらいます」

(豊乳を押し付け蠱惑的な囁きを注ぐクラスメイトにどきっと鼓動を弾ませながらも、鉄壁の無表情は妙に生真面目な言葉を返すばかり。それでもここから先は、気付けば切れ長の紫瞳が貴族娘の水着姿を眺めているなんて事が多々見られる様になるのだけれども。)

「ええ、貴女の言う通りですね。ですが、余り慌ただしいと落ち着いて楽しむ事もできなくなってしまいますし……」

(目的を多く詰め込み過ぎて、結果的に思い出として残るのは早足での移動の疲ればかり、というのでは流石に本末転倒という物だ。イェンとしては目的地は出来るだけ絞り、その分この国に来て最初に仲良くなったクラスメイトとの思い出を色濃く残しておきたかった。)

「はい、そうしましょう――――っと、待って下さい、ミナ。そんな、いきなり走っては……」

(嫋やかで華麗な貴族令嬢に見えて、その実は武の名門ゾルドナーの一子に相応しい剣力を備えた彼女の事。人混みにぶつかったり、砂に足を取られて転んだりなんて事はないだろうが、黒のビキニで扇状的に飾られた柔肉が揺れに揺れるのは免れ得ない。乳房以上に豊満さの違いが目に付くクラスメイトの尻肉が、弾む足取りに合わせて揺れ撓む様子にイェンの双眸は勿論の事、すれ違う男達の視線もまた誘引される。彼女においていかれぬ様、こちらも小走りとなったイェンもまた、Eカップの双丘を瑞々しく弾ませる事となっているのだけれども、それに気を回す余裕は持てなかった。)

ヴィルヘルミナ > ヴィルヘルミナも鍛えた身なら、イェンもまた鍛えた身。
砂浜で人を避けながら走るなど造作も無いだろう。
途中少女達の年齢に比べて豊かな方の体付きに目をやる者もいるだろうが、
ヴィルヘルミナのような貴族に不用意に声を掛ければ最悪無礼討ちもありうるゆえ、
人前で強引なナンパをされたりなどの心配は無い。
そして波打ち際までたどり着いたヴィルヘルミナは、躊躇なく海の中に入っていくと、
振り向いてイェンにばしゃり、と水を軽くかけて。

「あは!水も滴るいい美人ね!」

そう言って笑えば、その後は水を掛け合ったり、沖まで泳いでみたり、
浮き輪を借りてみたりと年相応に遊ぶことだろう。
お腹が空けば屋台で買い物し、ついでに出し物を見物したり。
そうして心行くまで堪能すれば、いつしか太陽も大分傾いていて…。

「ふぅ…楽しいけど、そろそろ貴女もゆっくり休憩したい頃じゃないかしら?」

しばらく遊んだ後の波打ち際。どう?とヴィルヘルミナはイェンに訊ねる。
レジャービーチは真昼間ほどではないにしろまだまだ客は多い。
騒がしく、気分は盛り上がるが、休憩にはどこか静かな場所に行きたくもなるだろうか。

「実は……借りてるのよね、プライベートビーチ」

そう言って、再度イェンに手を差し伸べるヴィルヘルミナ。
王族、貴族向けプライベートビーチ。決して安いものではないが、彼女も貴族。
それも辺境伯ともあれば借りることなど造作も無い。

「今からそこで…貴女と二人っきり、どう?」

悪戯気な笑みで、ヴィルヘルミナは訊ねた。

イェン > 「―――――ひゃっ!? ミナ、不意打ちは卑怯です! 正々堂々と、あっ、きゃあっ」

(使われている布素材や縫製技術の高さなど、ビキニだけでも平民では手の出せない高価な物。それでも見る目のない者からすれば今のヴィルヘルミナは無防備極まる水着姿の女学生でしか無いはずだ。にも関わらず安易な声掛けなどが行なわれないのは、陽光を反射する金髪の艶やかさや、シミ一つ見受けられない白肌の美しさ、そして何気ない所作の一つ一つから滲み出る高貴な血のおかげだろう。おかげでイェンも年相応の少女の様にクラスメイトとのビーチレジャーを心ゆくまで堪能する事が出来た。そうして二人で半日程の時間を過ごせば、高みより乙女の柔肌を炙り続けていた陽も大きく傾き、水平線を茜色に染める頃となっていて)

「ええ、そうですね。流石に少し疲れてきましたし……」

(後はもうシャワーを浴びて水着を脱ぎ、夕食の後に今宵の宿へと戻るばかり。そんな風に考えながら友人の問いに答えた留学生は、続く言葉にいくらか丸く開いた双眸を瞬かせる。彼女の声音に潜む意味深な気配。同性愛者である事を公言して憚らず、女同士で愛し合う背徳を初めてイェンに教えた相手でもある彼女の事。まず間違いなくそうした狙いもあっての事と理解しながら此度のバカンスを受け入れた留学生は、夕日に照らされた頬にじわりと朱の色を滲ませながら)

「―――――そう、ですね……。少なからぬ金銭が掛かっているのでしょうし、無駄にするのは、勿体ないですし……」

(ごにょごにょと言い訳めいた言葉を連ねつつも彼女の手を取り、クラスメイトが貸し切りにしたというビーチに向かう。《そのつもり》で繋いだ手指は先程までの屈託のない友人同士の接触とはどこか異なり、武人とは思えぬ柔らかさと繊細さを強く彼女に伝えていた。)

ヴィルヘルミナ > たどり着いた砂浜は、先ほどとはうって変わって静かなものだった。
少人数向けであり、そこまで範囲は広くない。しかし、二人ならそれで十分だ。
レジャービーチにあったものより少しばかり高級感のあるパラソルの下、
冷たいジュースで喉を潤しながら、二人してシートに座り、夕焼け空を眺める。

「どう?綺麗でしょ?ここは景色が売りですって」

交易路に近いのか、帆船が行き交うのが遠くに見えるその眺めは、海の風情に溢れている。
今度は船旅もどうかしら?とイェンに語り掛けながら、ヴィルヘルミナはその肩に身を寄せる。
そして、手に手を重ね、細い指先を絡めて。

「……私の誘いでここまで付いてきたってことは、そういうことだと思ってるけど、
間違いがあったらいけないわ」

そして、上目遣いに、イェンの顔を見て。

「ねぇ、その気ならたまには貴女のほうから押し倒してくれる?」

魔術師であるなら、ここの警備が万全で、誰も覗いたり乱入したりは出来ないことがわかるだろうか。
解放的でありながら、誰にも見られないシチュエーション。
欲望をぶつけても、咎める者は誰もいない。

イェン > (水着と共に送られてきた帝国製の高価な日焼け止めをしっかりと塗り込んでいたとは言え、朝から真夏の日差しに晒され続けていた白肌には未だ熱が籠もっていた。その身体を立派なパラソルの下、予め敷かれていたシートに降ろし、暮れなずむ夕日を二人並んで見届ける。茜色の陽が水平線の向こう側に消え、群青に染まった夜空の端に僅かな夕焼けを残すばかりとなった頃、そっと重ねられた繊手にイェンの細肩がぴくりと跳ねた。)

「…………ミナのセリフとは思えませんね。どうせおかしな事でも……やっぱり」

(確かに無理矢理処女を奪うなんて真似こそしなかったけれども、ここまで大人しく付いてきたイェンの意図を改めて問う様な慎重さなどは無かったはず。肉食気質の貴族令嬢らしからぬ物言いに、二人きりなればこその失礼なジト目(といっても普段の無表情と大した違いはないのだけれど)を向けた留学生は、続く言葉に態とらしいため息を漏らしてみせた。無言のまま、ちらり、ちらりと朱化粧の施された双眸の紫瞳を左右に動かして、じわじわと高まっていく頬の熱を自覚しながら)

「―――――――ん……っ♡」

(クラスメイトの傍らに付いた手を支えとし、すい…っと伸ばした水着姿が奪うのは啄む様なバードキス。夏の日差しの熱を残した豊乳をクラスメイトの爆乳に擦りつけて、ちゅっと軽やかなリップノイズを響かせて貴族令嬢の下唇を食み取り震わせる。そうして鼻先が触れ合わんばかりの至近距離からじわじわと炎熱を強めていく白皙の美貌でじっと友人の勝ち気そうな紅瞳を見つめ)

「――――ん、ぅ♡ ん、ちゅっ♡ ちぅ…っ♡ ちゅむ……、ちゅぅう…っ♡」

(再び重なる口付けは半開きの唇から伸ばした舌を彼女の口内に挿し入れて、重なり拉げる双丘もそのままにレジャーシートの上へと友人の水着姿を押し倒しながらの本格的な物。未だ若干の硬さはあれど、同性相手の舌まで入れたディープキスへの忌避や戸惑いは無く、むしろ積極的に友人の口腔を味わおうとする積極性さえ覗かせた同性愛者ならではの糸引く口付けが、漣ばかりが静かに響くプライベートビーチで淫猥な水音を長く奏でる。)

ヴィルヘルミナ > 【中断、継続】
ご案内:「セレネル・レジャービーチ【海の庭】」からイェンさんが去りました。
ご案内:「セレネル・レジャービーチ【海の庭】」からヴィルヘルミナさんが去りました。
ご案内:「迷路通り」にタン・フィールさんが現れました。
タン・フィール > 王都の一角……商店街や住宅街などが連なる表通りたる、広い道から裏路地へと通ると、
一部の住民からは「迷路通り」と呼ばれる、複雑に入り組んだ区画へと繋がる。

王都で薬草や薬の素材となる様々なものを買い終えた、小さな薬師の幼子は、
このあたりにも穴場となる店や素材屋などはないものかと好奇心にかられ、自ら足を踏み入れる。

しかし、高い壁、似通った屋根…迷路通りの名前に負けぬ入り組み方の路地は、
瞬く間に小さな子を巻き込み、もう戻ろうとしても簡単には元の路地には出られない。

「ぉ、おおーーーっ…これが、うわさの迷路通り……っ…
…ええと、こっちから来たから……あ、あれ…?あれ…?」

いよいよ迷子になりきる前に、来た道を戻れば良いとタカをくくっていた幼子は、
迷いの森や、迷わしの妖精の術に化かされているかのように、面白いように戻るべき道の選択を誤り続け、
どんどんと奥深くの迷路…否、迷宮じみた、暗く狭い路地へ進んでいってしまう。