2023/08/10 のログ
ご案内:「セレネル・レジャービーチ【海の庭】」にヴィルヘルミナさんが現れました。
■ヴィルヘルミナ > 【待ち合わせ中です】
ご案内:「セレネル・レジャービーチ【海の庭】」にイェンさんが現れました。
■ヴィルヘルミナ > 王国南部、広大なセレネルの海。
そこに面した、王都から直通馬車で向かえるとある海岸にその施設はあった。
夏季限定で営業される、レジャービーチ。
有数の資産家サマーヴァケーション卿が中心となって設営された豪勢なものだ。
「ふふ、まだかしら?」
砂浜近くに設営された更衣室の前で、金髪の貴族令嬢は誰かを待っていた。
その水着はシックな黒で纏められ、上品ながらも露出は大胆なビキニだ。
白い肌とのコントラストが、彼女の恵まれた体型を強調する。
空を見れば澄み渡る青い空。空を飛ぶカモメ。普段は嫌になる暑さもこの時ばかりは気分を盛り上げる。
そして砂浜は見渡す限り、楽し気に遊ぶ客や施設の従業員で溢れていた。
■イェン > 「――――少し派手な気がしますけど、広告塔であることを考えるならこれくらいで丁度良いのかも知れませんね。私としてはいい迷惑ですが……」
(更衣室。安物の鏡の前でポーズを取って己の水着姿を確認する。小柄であってもスラリと長い四肢を備えた肢体を下品にならぬぎりぎりまで布地の切り詰められたビキニで覆ったその姿は、基本的には制服姿をデフォルトとした少女の印象を大きく変える物だった。黒に近い紫の布地は夏の日差しの影響などまるで感じさせない雪白肌とのコントラストもくっきりと、成人して間もない少女に大人びた妖艶さを与えていた。そこに金糸で描かれた《龍》の刺繍は王国産の水着とははっきり異なる風情を醸し、黒髪の美貌を苛烈に彩る目弾きの朱と共に異国情緒溢れる魅力を作り出す。そうして最後、ビキニトップに収まる双乳の位置を調整し、尻肉に食い込むショーツの縁を整えて)
「―――――お待たせしました、ミ……ヴィルヘルミナ様。意図した物ではありませんけど、揃いとなりましたね」
(更衣室から出た所、イェンの物よりも扇状的に思える黒水着で見事に育った白躯を覆った貴族令嬢の出迎えを受けたなら、いつもの癖の愛称呼びを既のところで繕って無表情が頭を下げた。こちらは正確に言えば暗紫色ではあるが、一目見た印象は黒ビキニとなるだろう。それ故揃いと表現し、金刺繍の分平民たるこちらの方が豪奢な印象を与えてしまっている事に若干の申し訳無さを滲ませる。とは言え、帝国産の水着を売り込むための広告役を期待された上で商会から送りつけられてきたこれを身に着けないという選択肢はないのだけれども。)
■ヴィルヘルミナ > 「あら、こうして見ると……やっぱり大胆ね?
本当は貴女自身がどんなものを選ぶか楽しみたかったけど、これはこれでアリかしら」
イェンの水着姿を頭から足先まで眺め、によによと笑みを浮かべるヴィルヘルミナ。
彼女のそれは、貴族である己よりもしかすると豪華かもしれない。
聞けば、それは彼女の実家の商会から送られてきたのだとか。
伝統と格式に縛られる貴族より商人のほうが派手を好むのは道理かもしれなかった。
「どう?王国の海は。と言っても私もここに来たのは初めてなのだけど…」
うだるような暑さの中では学業をしようにも本腰を入れられない。
そこで学院生にはこの時期夏休みが与えられていた。
そんな中飛び込んできた新しいレジャー施設のニュースは暇を持て余した学院生たちを強く惹き付ける。
ヴィルヘルミナもまたそうであり、こうして学友のイェンを誘って訪れたのだ。
「じゃあ早速行きましょうか?もたもたしていると回り切れないわよ!」
ヴィルヘルミナはイェンの手を引き、歩き出す。
所謂海の家のみならず、近くの街道にはまるで祭りじみて屋台が並んでいる。
更には遊泳を盛り上げる浮き輪やビーチボールの貸し出しも行われており、
学生二人を楽しませるには十分な娯楽量だろう。