2023/08/07 のログ
ご案内:「九頭龍山脈付近の山小屋」にザイヴァーさんが現れました。
■ザイヴァー > (お約束アリです)
ご案内:「九頭龍山脈付近の山小屋」に紅月さんが現れました。
■ザイヴァー > ―――それは満月の美しい夜の事。王都を離れ九頭龍山脈にある山小屋。
既に使用する者もおらず、だががっしりとした土台は残っているその小屋の上に、その男はいた。
「ふむ、月を見上げるならここに限るな」
そう呟いて小屋の上に立つ、ザイヴァー・グランフォード・カイゼル将軍。
その腰にはバスカードを携え、小屋の傍には、ザイヴァーが私用で使う飛竜「ボルバルドラグーン」が目を閉じて立っている。
『はー。月なんて見上げるのが楽しいなんて、人間ってやっぱ変わってんなぁ』
「黙れ愚剣。月には不思議な魔力があるものだ。日々の疲れを癒す何かがな」
『そう言うもんかねぇ。俺様は女を見てた方が疲れが癒えるけどなぁ』
「黙れ愚剣」
そんな言葉をバスカードと交わしながら、高き月を見上げ、一旦座る。
そして、懐から酒の入った瓶を出す。こういう時は東方から取り寄せた酒が合う。
こちらの酒が合わないわけではないが、東方からわざわざ輸入した酒の方が不思議と合うのだ。
天を仰ぎ、酒をグラスに注いでぐいぃ…と飲む。
「ふむ、この酒は意外と甘口だな」
そう一言。
■紅月 > 「…あれ、先客……?」
丁度男が一杯呷ったその時、小屋脇の獣道からひょっこりと顔を出したのは紅色の髪をした一人の女…飛龍に対して近すぎず遠すぎずの間合いに立ったまま、きょとんと目を瞬かせて。
ひゅるりと通り過ぎた夜風に浴衣の袖を遊ばせながら、同じくふわりと流れる髪を右手で押さえ、探った気配に誘われるまま屋根の上を見上げるが…はたして何か見えるだろうか。
ひとまずは敵意がないのを示すよう、微笑みながら声をかけてみようか。
「もし、何方か居らっしゃるかしら」
■ザイヴァー > 夜、虫の音がたまにしか聞こえぬ静寂ともいえる世界の中、酒を飲んでいれば、女性の声。
「……ん?」
そして、立ち上がると屋根の端から下を見下ろせば、そこにいたのは浴衣の女性。
「こんばんは、良い夜だな……」
そう声をかけながら、指を鳴らす。すると、飛竜は女の視界から隠れるように移動して。
「ふむ、見たところ、君もここの良さを知っているらしいな。先に座ってしまったが…どうかな?君も一緒に」
そうこちらも、敵意は無いぞと力強い笑顔で答える……
『お、こんな月夜にナンパか?』
「黙れ愚剣。お前は……全く」
その空気を茶化す剣の一言を、剣の柄をつかむことで黙らせつつ。
「まあ、何だ。良い月夜は、誰かと分かち合うものだ。どうだ?君も上がってこないか?」
と……
■紅月 > ほ、と息を溢す。
主人持ちの飛龍には主人以外に近寄られるのを嫌がる子もいるからどうか、と思ったが…どうやら変に警戒される事もなさそうで。
パチンという音一つで主人の意を汲みスッと移動する姿を見るに、非常に練度も高そうだ。
「休憩の邪魔してごめんね?」
と、飛龍の背に向けて小さく声をかけてから。
「こんばんわ。えぇ、そうなの。
…それじゃあお言葉に甘えさせてもらっちゃおうかな。
ふふっ、せっかくの月見酒が延期になるかと思ったや」
上から聞こえるのは二人の男性の声…となるともう一人いる、のだろうか?
それにしては気配が、こう、何か変な感じだが。
姿を見せた殿方の衣装はパッと見でわかる程度には立派な物であるし、妙なことは起こるまいと一人納得して。
「よ、っと。お邪魔しま…す……?」
ト、と軽く地を蹴り、カランと下駄を鳴らして屋根へと降り立つ。
乱れ髪を軽く手櫛で整えながら顔を上げれば…
「あれ、ひとり…? さっきの声は…?」
と、また目を瞬かせ、キョロキョロと見回した後には今度は首も傾げて。
■ザイヴァー > 「ははは、月見酒には最高の月だ。この機会は逃せないよな」
そう笑顔を向けつつ。相手が軽く屋根へ飛ぶのを見ると。「ほう」と感心し。
「中々に身軽なのだな……見たところ、東方の衣装だが」
そちらの出なのか?と聞きつつ、相手がキョロキョロするのを見て。
「ああ、さっきの声の事か?気にするな、雑音だと思えばいい」
『雑音はひどくねぇか?ザイヴァー』
そう剣の声を雑音呼ばわりすれば、剣がカタカタと震え、声を発する。
「黙れ愚剣。普通、剣が喋ると相手を驚かせるんだ」
『へーっ。俺を黙らせたきゃ…むぐぐ…』
剣の柄を握り、それ以上の声を潰すと。
「すまないな、この剣は、複雑な呪いでしゃべるようになってな……」
と肩をすくめつつ、目の前の相手にグラスを手渡し、「飲むかい?」と。
「俺はザイヴァ―という。ま、この国ではそこそこ有名だが…今は、タダの月見酒中の客だよ。君は?」
そう名を聞こうか。
■紅月 > 「浴衣がわかる人か、珍し…ぉおっ!?
えっえっ何この子面白い!」
キラキラと…それはもうキラっキラと目を輝かせて喋る剣を凝視する。
新しい玩具を見つけた子供にも似た上機嫌な笑顔のまま酒器を受け取り、軽く眺めた後…
「…え、もしかして清酒っ!?
いただきますいただきます、わぁ〜嬉しい…!」
あっちにこっちにと興味が尽きず、こんどは彼の名を何度か小声で復唱し…
「ざいば、ぶぁ……なるほど、ザイバーさん。」
早々に正しい発音を諦めて。
「私はコウゲツ。
お察しの通りアチラの方の出身で、故郷の字では“紅の月”と書きまする。
しばらく仕事でマグメールを離れてたんだけど、だいたい王都で冒険者してるよ」
言いながら握手でもしようと右手を差し出してみる…
もし握手してもらえたら嬉しそうに微笑みを向けて。
「……で、その子は…?」
わくわくと好奇心を微塵も隠さずに、愚剣と呼ばれた彼の名を問うてみた。
■ザイヴァー > 「あはは、仕事がら、いろんな国と交流していてな」
衣服に関しては、多国間の交流の場などで見たことがあり、知っていた。
だが、バスカードを可愛いと評されれば、酒を吹きそうになって。
「こ、こいつが可愛い……?」
『あっはは、中々見る目があるじゃんか、この娘さん』
そう上機嫌な声をバスカードは漏らすだろう。
そして、清酒については。
「ああ。俺は東方の国と特別な交易路を知っていてな、そこから買ったんだ。
こういう、何かを見ながらの酒はこの酒に限るからな」
そして、相手からの自己紹介を聞いて。
「ふむ、コウゲツ……紅の月と書くのか。なるほど」
そして、相手が手を出せば、こちらからも手を伸ばし、そっと握る。
手は剣だこやら何やらでかなりごついので、握って痛がらせないよう、そっと。
「ふ、月の名を持つ者に、月下で合うとは。何か特別な感じを受けるな……」
『何を粋がってんだよザイヴァー。俺の事を紹介しろよな』
「……」
そう急かされ、コウゲツからも興味津々ですという視線を受ければ、苦笑しつつ。
「こいつはバスカード・ヴレイカー。まあ、一応聖剣だ。喋るがな」
『ヨロシクな、コウゲツの嬢ちゃん……一応じゃなくて、しっかりと聖剣なんだぜ?』
そうバスカードからも自己紹介しつつ…
『しっかし、美人さんと一緒に月見酒なんて、いい気分じゃねぇの?ザイヴァー』
「黙れ愚剣……まあ、やはり二人の方が、酒が旨いのは事実だな」
そう言おうか。
■ザイヴァー > 【次回に持ち越しです】
ご案内:「九頭龍山脈付近の山小屋」からザイヴァーさんが去りました。
ご案内:「九頭龍山脈付近の山小屋」から紅月さんが去りました。