2024/02/11 のログ
ご案内:「魔族の国」にシェティさんが現れました。
■シェティ > 魔族の国の一区画に在る、名前を持たない魔王の居城。
その傍らに広がる庭園の中で、パチン、パチン―――と規則的に響き渡る音色が在った。
「――――……さて、と。こんなもので御座いましょうか。」
やがてその音が鳴りやんだ頃、代わりに零れ落ちたのは誰に投げ掛けたものでも無い女の独白。
剪定鋏を手にした侍女風貌の女は月の明かりに照らされた夜の庭園――一頻り整え終えたその場所を一瞥してから、小さく息を吐く。
主人である魔王の身の回りの世話に城内の清掃をはじめとした雑務は従者である己の役目だ。
その中には必然的に、城内の一部である庭園の管理も含まれて居た。
■シェティ > 規則正しく整えられた植え込みと、その中で所々に咲いた色とりどりの花々―――。
専門の庭師によって手入れされた人間の国の王城や邸宅の庭園と比べれば幾らか見劣りしてしまうかも知れないが、
月明かりの下に広がる庭園の風景は、見る者によっては思わず息を呑んでしまう程に現実離れした美しさを纏っていた。
「――――………………。」
されど、それらはすべてこの庭園に咲き乱れた花々が持つ魔性が故である事を侍女風貌の女は知っている。
人間達の間では魔物の一種として危険視されるその花は、不用意に近付いた者へと蔓を伸ばして絡め取り、
彼等の血肉や体液を養分に、運が悪ければ苗床として成長と繁殖を繰り返す類のもの。
お陰で、侵略目的で領地へと踏み入った人間の冒険者や他領の魔族の何割かは、皮肉にもこの庭園を保つ一助となっていた。
本能のみで動く植物であるが故に、時として正式な客人や己を含む城の者にも見境なく牙を剥こうとするのは少々困りものであるのだが。
ご案内:「魔族の国」にタマモさんが現れました。
■シェティ > 【部屋移動致します】
ご案内:「魔族の国」からシェティさんが去りました。
ご案内:「魔族の国」からタマモさんが去りました。