2023/12/09 のログ
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ご案内:「魔族の国」にアルジェントさんが現れました。
アルジェント > くぁ、と欠伸に開いた唇からわずかに牙が覗く。
蒼とも紫ともつかない毛並みを冬風に揺らして、猥雑な通りを歩く。

いまの己の雇い主でもある街の領主は、割とまっとうに統治してるほうらしい。
石畳も、街の建物の外観も人の国とさほど変わりはないようには見える。
巨獣用の入り口などの差異はあるが。

人の国とは違う技術体系とはいえど、それなりに職人なども抱え込める力があることを示している。

人とは違う寿命を持つ魔族の中には、いまだ苔むし朽ちた場所を根城とする存在もなくはない。
要は己が足りていれば問題ないという思考はわからなくもない。

此方の姿じゃなきゃ原野をかけて、その辺の洞穴を寝床にすることは己にとっても否はないことなのだから。

「────せっかく街にいるんだし、なにか面白れぇことあればいいけどさ」

欠伸交じり。露店の呼び込みなんかが耳に届くのにぱたりと狼耳を跳ねさせて。気にかかること
退屈しのぎを探してる。
オーバーサイズのコートを気だるく着こなしたその裾から覗く尾を揺らし。

何の気なしにのぞく露店のひしめく通り。
売り込みの声音をなおざりに耳に流しつつ、懐に伸びてくる不埒な手を時折跳ねのける穏やかな時間。

アルジェント > 「んー、今は特にいいや。毒ならまだしも媚薬なんてどう使えっての」

薬剤を扱ってるらしい露店主の売り込み。
傷薬から毒薬。果ては惚れ薬だの媚薬だの。その効果のほどは怪しいとして一蹴しつつ。
己にそんなものが必要に見えるのかと唸って応じた。

傷跡を消す薬も今更だなあ、と、嘯くものの。やり取りをいとってるわけでもない。

それなりに客も多いから、隙を狙う不届きな手が時折あるのは、まあ人の街もこれは変わらないのか。

ひら、と手を振ってひとまず薬売りの露店から身を退かせ。
己の興味を引いてくれるのは他になにかないものか、と金目を細めた。

装飾品って柄でもないしなあ、とそこからはそっと視線を外す。
それなら後は、何か食い物か。酒か。

割合即物的な欲求に寄るのはやはり人じゃないからなのか、顎先を撫でつつ思案した。

アルジェント > 「うーん、どっかで何か買って………、狩る、のもありだね」

久しぶりに野を奔るのも。悪くはないかあ、と呟きを残して。
繁華街の露店通りをゆっくりと離れていった

ご案内:「魔族の国」からアルジェントさんが去りました。