2023/10/18 のログ
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ご案内:「魔族の国:国境付近山脈地帯」に九音物さんが現れました。
九音物 > 何故地図の値段に差があるのか。
答えは今、自分で噛み締めていた。北の方角にあると言われていたゾス村を目指し、曲がりくねった道を歩む事数日。
地図には山脈を超えればゾス村である旨が記され、そのように地図に描かれている。
にもかかわらず、だ。
今己の足が踏みしめているのは紛れもなく魔族の土地であり、瘴気を含んだ土。
軽く足を土に踏み込ませる様にすれば、毒素とも言えるそれがキノコの胞子より細やかに舞い上がり、視界に入って来る。

なまじその身に別々の存在を取り込んだが故に、今自分が吸い込んでいる瘴気にすら気が付けなかったのが災いした。
足元に転がっているのは、鎧を着こんだ植物型のモンスター。絶命はしていない、筈。

「…………………あの親父。」

物凄く不機嫌そうな声を出して足元の怪物を困ったように見る。
五戒の関係で命を奪う訳にも行かず、かと言ってこんな植物形態の魔物をどうやって治療しろと言うのか。
鎧を外すと、中には表面がこんがり焼けて何故かバターの様なおいしそうな匂いがする植物型魔族。
取り敢えず雷を落した結果なのだが――。

「……うーん。口もわからないから薬草丸も駄目。」

水でも掛けるか、と近くの水源を探しさまよっているのだが。
手にした地図にはそんなもの記されていないし、そもそも信用も出来ない。
困った。都合よく誰かが通れば世話を押し付けられるのだが。

九音物 > ベースが植物みたいだし、水でもぶっかければ良くなるだろう。
絶対良くなる、そうと決めた。なので水を探す。自分の竹筒の水に手を付ける訳にも行かず。一応神様の加護をやらを受けている水なので、追撃になってしまいかねない。
魔族の土地の生き物なのだ。魔族の土地の水の方が良かろう。
水をぶっかけて、最悪立て看板でも作り、薬草丸とか埋め込めば勝手に回復するハズ。
魔物とはそういう便利な生き物なのだ、多分きっと。

棒手裏剣を手に取りだしてダウジングの真似事……失敗
一瞬だけ空高く跳躍して周囲を見渡そうとするも、はげ山の為水は見えず
魔物を探したが近くにいない。
となれば。

「…………おびき、だす?」

じり、と。足元から舞い上がる僅かな神気と魔に近い気。
それを組合せ、足から臍へ。臍から心臓へ。
心臓から右手を天に突き上げ雷雲を呼び込む。
黒々とした雲を生み出し、雷の気配を帯びた瘴気が周囲の力を取り込み、雷だけを周囲に何発も落としていく。
落雷の都度激しい轟音と、地響き。
さらにクレーターの様に落雷の痕跡が焦げた土と共に掘り返され、周囲は土煙に塗れていく。
余計迷ったり探しにくくなるんじゃなかろうか。

九音物 > ひとしきり雷を降らせる術を終えた後で耳をそばだてる。
魔族の国側より複数の足音と風を切る音。おびき出すには多すぎたので、とっとと逃げだすべく山脈を再び上り、ゾス村と思われる方角へ向かい移動を開始した。
本来はゾス村の近辺で社を立てる場所を探したりしていたのだ。
決して哀れな犠牲者を生む為の活動ではなく、霊桜教の社を建てても大丈夫そうな集落を探す事が目的。

魔族の国であれば別に雷が雨の様に降る位は良くあるだろう。
多分。あってほしい。

ご案内:「魔族の国:国境付近山脈地帯」から九音物さんが去りました。