2024/11/09 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」に淫堕仙人さんが現れました。
淫堕仙人 > 煙に巻く。その言葉が戦場と呼べるこの山の裾野に顕現していた。
森の中、自分を追ってきた冒険者や暗殺者。
それらを煙管の煙で視界を狭め、煙の中で同士討ちを。自ら樹齢数百年を思わせる太い大樹に頭から突っ込み、気絶をしている。
煙に巻かれた状態では数の有利は意味をなさない。それを知らないはずはないだろうに。

「――ほっほっほ。山の木々は良く人を迷わせる。」

煙に含まれている幻覚剤が。そして木々のざわめきが正常な判断を奪い、誰かが子の仙人を捕縛する。もしくは討伐すれば良い。
そちらに思考の天秤を傾けさせていたのだった。
煙の幕から離れた位置。大岩の上に腰を下ろした仙人は、腰から外したひょうたんの口に吸いつく。
――淫法である女性と契約を結ばせたこの瓢箪は、空間を超越してその女性の乳房から母乳めいた体液を瓢箪に飛ばすことになる。
無論それは快楽を伴うために、彼女は今乱れているか、それとも堪えているかは定かではなかった。

「ふぅむ、しかし男ばかりでは趣に欠けるのう。」

改めて煙の中を「視る」
男ばかりの様に見えるが、女の獲物はいなかろうか、と。

淫堕仙人 > 煙に巻かれているのが先陣。
息をひそめていた後続隊が岩の上に腰を下ろし、瓢箪に口をつけた時を見計らったように魔法を、飛び道具を打ち込んでくる。
救助に向かうよりも討伐を優先してくるあたりはこちらが本命。
恐らく先陣には価値が低いモノばかりが集まっていたのだろう。

「煙遁の仕組みくらいは把握しておると思ったのじゃがなぁ。」

眉一つ動かさない。
刃先の鋭い苦無や手裏剣は煙に巻きとられ、あらぬ方向へ軌道変化させられていく。
魔法――火の魔法は煙の中で勢いを奪われ、その魔力ごと煙に食われ消えてしまう。
風の術、強風ではなく突風を収束させる錐の様に穿つ魔法も軌道をそらされ、木々の上へとその軌跡を変更させられていた。

「殺すなら接近。これがワシの攻略法じゃよ。」

淫堕仙人 > ぴ、と指先から一つの小枝を落とす。
小さく火のついたそれが瞬間的に膨れ上がり、大岩どころか周辺の木々を飲み込むまで膨れ上がったかと思うと瞬く間に鎮火して煙に巻かれていた襲撃者も。
後続のどう対処していいかわからない主力の面々も。
ほんのりと表面だけが炙られ、防護されていれば火傷さえ負わない程度。
その炎の後で大岩の上に目を向けると仙人の姿は既にそこにはなかった。

「ほーっほっほぉぅ。」

梟の様な声をあげながら森の奥へと進む仙人。
討伐隊か、暗殺者か。どちらにしろ、男ばかりでは食指も動かぬといった風情で仙人は場所を変えて釣りを楽しむ事にした様子だった。

ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」から淫堕仙人さんが去りました。