2025/04/05 のログ
ご案内:「タナール砦」にソワナ・エディソンさんが現れました。
■ソワナ・エディソン >
その日、砦は煙を上げていた。
砦が燃えているのではない。
過剰魔力に反応した皮膚表面が焦げ蒸す煙 まだほんの少し冷える夜
その熱は煙となって薄く辺りに漂い、火とはどこか違う匂いを漂わせている。
亜人 魔族 そして―――人間
混ざり合った魔族側の勢が砦を侵攻し、取り返しかけている現状。
杖と布地が主の軽装と言える魔導士の主な姿で歩くソワナ。
雰囲気に威圧はない。 茶髪のミディアム ニコ目の瞳が映らない糸目
雰囲気自体が、どこか丸いものの眉をひそめている姿で見つめられる人間勢。
それには、嫌悪 むしろ、汚いものを見るような目で見ている。
見つめられているとははっきり言えないニコ目でもわかる、その視線。
それに対し、剣を持つ者らは一種の畏怖がある。
そして、近接戦闘に対する驕りをぶら下げる。
魔導士が無遠慮に近づいてきている中で、剣速一刀
自信のある者が繰り出す一歩の間合い詰めで起こる衝突に対し、象牙色よりも少し赤みが掛かる色合いの魔力光
それをソワナは滲ませると、左手を広げ、五指の革に包まれた指先。
視界に入った目の前の突き出されたそれは一歩が始まる前。
その腕を超えて切り裂く前に、目の前に出現する地面を彩るのではない。
目の前に対して彩った魔力円による防御の盾が阻むようにし、刃とぶつかり合った。
砦内の場がそう広くはない空間だ。
回り込むこともできやしない盾の出現は、剣の足を鈍らせる。
「邪魔しないで。」
腹の其処から嫌がるような低い声。
その魔力円が、紋様を回すようにして半径を縮ませ、周囲に四つの光球が生まれる。
四つの起動 角を描くジグザグ軌道と共に、剣との応酬。
どこかで見たコーヒーキャンディの暴虐のように、口を突き破って喉を超えた一球が成立するまでの嬲りがそこにはあった。
「…、…。」
赤と泡 せき込むそれに対し一瞥すると、他がさっさと“済ませて”しまった。
「―――。」
その表情は、どこか清々したと言わんばかり。
ご案内:「タナール砦」からソワナ・エディソンさんが去りました。