2025/03/01 のログ
ご案内:「タナール砦」にシャンタルさんが現れました。
■シャンタル > 魔族からタナール砦を奪還するための戦いは山場を迎えていた。
城壁を突破した王国の兵士達が次々砦になだれ込み、魔族の軍勢と激しい戦いを繰り広げる。
そのような光景の中、甲冑を身に着けていない黒装束の集団が悠然と戦場を歩いていた。
戦闘には、背の高い一人の女。彼女は徐に杖を取り出すと、魔物の集団に向けて振るう。
「潰れろ」
瞬間、黒い稲光のような魔力が生じ、王国兵と戦っていたオークの数体に直撃する。
すると、彼らは途端に悲鳴を上げながら、見えない何かに押しつぶされたかのように体がひしゃげ、地面に倒れ伏す。
「この程度の魔術も耐えられないか、大した兵ではないな」
黒魔術による重力操作は、この魔術師、シャンタルの得意とする魔術の一つ。
リッチとなり死の概念を捨て去った大魔術師である彼女はもはや人間の姿をした戦略兵器だ。
杖を振るい、魔族の軍勢に次々と悍ましい死をもたらす様は、
味方のはずの王国兵にも恐怖の感情をもたらしていたが、
本人は全く無頓着に魔物を屠り続ける。
「こんな連中では大したデータも取れまい。とっとと取り戻すとするか」
シャンタルは、足取りを崩さず砦を進む。