2024/11/29 のログ
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ご案内:「タナール砦」にヴィロサさんが現れました。
ヴィロサ > 配下からの急報。タナール砦の戦況に大きな変化ありだ。
様相からして良くない報せであることは直感で気付いた。案の定苦戦しているらしい。

「随分と手ひどくやられたものだ。仕方のない奴らめ」

バサバサと背中の翼を羽ばたかせ、空中から戦況を見下ろせば羽ばたきを止めて勢いよく急降下。
数日前までは圧倒していた拠点の一つが早くも奪還されようとしている。

「魔法か?」

いきなり上官が空から隣へやってくるや否や、兵士の表情が強張る。
一言発した問いに、兵士は首を横に振った。

であれば、噂の魔導機械か。そう言えば近年は王都も魔導機械による戦略兵器の開発に注力しているとスパイから報告があったか。
……それでもないらしい。


「ほう、人間どもに手懐けられたドラゴンにお前達は虫のようにして駆除されたわけか」

腕を組みながら、余裕を見せて笑う。
直に見聞きした訳ではないため、未だ半信半疑だったがあれだけの優勢があっさり覆った現実と死に目の配下を見れば、
嘘と断じるのも危険である。


「面白いな。人間どもも、わたし達に負けない為には何でもする訳だ。
 ひとまずは、調子に乗ってるここの連中から分からせてやるぞ」

黒々とした剣を掲げ、行くぞ と一喝すれば周囲の空気が引き締まる。

ヴィロサ > 竜の存在が真実であれば、今頃は他の拠点を落としに向かっているのかもしれない。
女にも翼はあるが高空を身一つで飛び続けるには限度がある。

いざ対峙すれば空から降りて来るのを待つのは分が悪い。
騎手を仕留めるにせよ一筋縄ではいかない。
せいぜい、小回りを生かした足止めが精一杯だが素人でなければ竜ほどの巨体が持つ不便さは推して知るところだろう。

そもそも現れた時点で出鼻を挫けなければ甚大な被害が確定してしまう。
それほどまでに、竜は強大で力で止めるのが難しい存在である。

「捕まえる?バカを言うな、そんな易々と大人しく従えられる獣なら今頃誰かがしているぞ?
 仕留めたら血を抜いて軍全員でステーキにして食ってしまえ」

竜の肉が食用に耐えうるかなど、もちろん知った話ではないが。
雑食性の魔物も多くいる。物好き共に知らせてやれば竜の鱗や爪などを好んではぎ取っては持ち帰ることだろう。

「ついでに生意気な乗り手は殺した竜のイチモツで貫通して下品に逝かせてやるか。
 股が裂けて泣き叫びながら失禁して無様に死ぬ姿が思い浮かぶな!!
 ……なに?雌だったら?知らん!くだらん事を聞くな!!」

下品に笑うと、強張っていた配下たちに呆れられながら砦へと前進。
手負いで逃げて来る者たちとすれ違い、五体満足の兵士たちがバトンタッチ。

地上から、空からうじゃうじゃと黒々とした兵士が奪われた巣の奪還に燃える。

ヴィロサ > 翼を生やした黒い軽装の魔族たちは素早く駆けまわり、飛び回り、身体能力で人間を圧倒する。
素手で鎧ごと人間を凹ませ真っ二つにする者もいれば、矢弾の如く刺突を浴びせる者もいる。

「その程度か!!!ディルドの方がマシだな」

自身に振るわれた剣を篭手で握りしめ、軽く力を込めればパキン!!と折ってしまう。
力の差を見せつけられた兵士はその場で逃げだすが、体格も顔も大してそそらなかったので捨て置くことにした。


砦を奪還された今、奪い返してもまた取り合いになるのは目に見えている。
だが、一度は圧倒しながらも繰り返し敗北し貪り喰われれば兵の士気はどん底に陥ることだろう。

優れた兵士や将も多数いるようだが、どんなに頑張っても並の技量や精神力しか持ち合わせない兵が大半。
誇りや矜持ではなく単なる生活や欲求の為にしか戦わぬ者もいる。

「やはり弱いな!!!お前達、”おかわり”の時間だぞ。
 くれぐれも背後から刺されない程度にしておけ」

またしても始まる凌辱劇。
そして、先の拠点陥落を通じて彼女たちが率いる魔族軍は狡猾さを手に入れる。

……斬り伏せた敵兵を持ち帰り始めたのだ。
複数人で四肢を拘束したまま、砦の上階から飛び立って敵陣へと攫っていく。
砦に居座るつもりはないのだろう。

こちらへ性的な視線を向けた者には否応なく股を開き事に及ぶ。

淫魔の系列である彼女たちの主とする戦法は性だ。
魔族憎きで攻撃を止めぬ者もいるが、人間たちの間でも「死なないしヤれる」などという噂が広まったのだろう。
中には明らかに倒してくれと言わんばかりの呆れた者まで。

魔族たちに持ち帰られていながら、下心満載で下品に笑う敵兵士に「屑め」と吐き捨てると、
そのまま配下が拠点へ連れ去っていくのを見届ける。

「わたしの優しさが知れ渡ってしまったようだな」

砦を見下ろし、腕を組んだまま宙に浮かぶ女。しかし、拠点の奪還には至らない。
それでも、着実に人間が制圧した砦から敵戦力が目減りしていく様を見届けていた。