2024/09/15 のログ
ご案内:「タナール砦」にクレイさんが現れました。
クレイ >  この砦には現在幸運が起きていた。どちらにとっての幸運か。それは双方かもしれないし片方かもしれない。もしかしたら思い違いで片方が面白そうだから見逃しただけかもしれない。
 今回、この男は雇われの傭兵や冒険者。階級の低い騎士の一部を連れて砦を攻めろと言われた。だが、その砦の様子を見て溜息を吐いた。
 バカバカしい。止めだ止め。
 そんな一声と共に彼は自身を伝令として砦に走り書類を渡した。そしてその伝令の内容が受理された。

 さて、戦争とは勝てば良いのか、そして負ければ悪いのか。断じて否である。
 たとえ勝とうとも次に続かなければ多数の犠牲を出すだけ出して犬死である。
 逆に、1戦敗北しようともその後にそれ以上の利益が出れば勝利なのだ。
 今回、こちらは数こそは多かった。だが寄せ集め。まともな連携も無く、力があるのは一部しかいない。
 逆に魔族側は精鋭が多かったが数が少ない。
 攻めれば砦は落とせたかもしれない。だが守りが出来ない。
 逆に魔族は攻められれば砦が落とされていた。と男は勝手に思っている。
 つまり戦っても双方に不利益しか生まない状況。
 まぁ魔族側が面白半分に招き入れただけだったり、これも作戦の内だったりするのかもしれないが。
 少なくとも攻めた所で失敗して壊滅するか、ボロボロで砦を奪った所で援軍の魔族に滅ぼされるか。こっちの軍はそのどちらかであった。

 故に伝令に出た。そっちが防衛に成功したってことで良いから戦うのやめねぇ?とその結果……一時疲れをいやしたり、本来ならほぼあり得ない交流。騎士と魔族の戦士の交流会が始まっているに至る。そりゃそうだ。一応自分達は戦っている事になっている。すぐに戻るわけにはいかない。
 時間を潰す必要がある。大軍を隠しながら。そんな事は出来ない為こうして砦内への駐留が許された。まぁ単純に寄せ集めの軍。もし暴れても今の状態の場合、あっさり鎮圧される。生きて帰れるのは一部だろう。
 だから誰も暴れない。というか暴れる必要がない。誰だって死にたくなんて無いし戦いたくなんて無いのである。
 しかしとその様子を男は眺める。

「ここまで上手くいくとは。相手の指揮官、相当優秀だなこりゃ」

 まともにやっても勝ち目なかったかもこれなんて苦笑いで端の方で酒を飲む。

クレイ >  
 なぜここで優秀だと見抜けたか。答えは単純だ。
 攻めるより受け入れる方が難しい。魔族だって戦争をしている。当然、仲間を殺された奴らもいるだろう。
 それを封じ込め、利益があるからと説得し、こうして人間を招き入れて、それ所か一部では交流会を開けるレベルに軍の統率を取っている。
 優秀と言わざるおえない。
 少なくとも暴れれば死という恐怖で暴れていないだけのこちらとは違う。

「ん、ああ。それならあっち」

 話しかけてきた魔族に道を教える。臨時娼婦の場所を教えた。
 こんな状態だ。商売を始める奴も当然いる。娼婦や男娼のような事をやったり、それぞれの国でしか取れないものを物々交換したり。
 ある意味で、街よりも平和な空間だった。
 

ご案内:「タナール砦」からクレイさんが去りました。