2024/03/03 のログ
ご案内:「タナール砦」からプリスカさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にマーラ・パーピーヤスさんが現れました。
■マーラ・パーピーヤス > 先日までは王国軍の占領していたタナール砦。
しかし今現在、あるべきだろう人間の気配が砦からは殆ど失われていた。
代わりにそこにあるのは、占領していただろう王国軍の鎧を着込んでいる屍の数々。
そのどれもが争った形跡があるも、争っただろう敵と思われる姿が一切見られない。
砦内の大広間らしき場所、そこに唯一残された幾つかの気配がある。
一人の少女と、屍として転がっていた者達と同じ王国軍の鎧を着込んだ二人の男。
ポツンと佇む少女を余所に、その二人の男は剣を構えて対峙していた。
実力は均衡しているのだろう、お互いに手傷は軽傷であるも、疲労からか肩で息をしている。
同じ王国軍の兵士同士で対峙している、それ自体も不思議に思う事だろうが。
その場に居合わせ、その男達をしっかりと観察出来る者が居たのなら、どちらも正気を失っているのに気付けるだろう。
「……」
そんな男達を見詰める少女だが、その表情にははっきりとした感情は見られない。
異様な周囲の状況も、目の前で起こっている事も、さしたる事ではないかのように。
■マーラ・パーピーヤス > 男達はお互いに、決め手となる一撃のタイミングを見定めようとしている。
そうした状況である為か、なかなか動きを見せない二人ではあるのだが…
「そろそろ、終わりにして欲しい…のです。
えっと、こんな場所に、ずっとは居たくないので…」
佇んでいた少女がポツリと漏らした呟き、それと共に少女から流れ出る不可視の力が周囲を覆う。
流れ出た力がゆっくりと二人を覆っていって…そして、次の瞬間に二人は何かに押されたように動き出す。
同時の渾身の力を込めた一振り、二人の刃が交差し、互いの体を斬り裂いた。
大量の出血と共にドサッと地面へと倒れ込み、そのまま、動かなくなってしまう。
「あぅ…」
どちらかが残っていたら、どうなってしまっていたのか分からない。
それなのに、誰も残る事のなかった今の状況に、不思議とオロオロと戸惑いを少女は見せた。
「しょうがないのです…久し振りの御馳走、だったかもしれないのですが」
それでも、そんな様子を見せたのは少しだけ。
気を取り直したかのように、キョロキョロと改めて辺りを探るように見渡していた。
ご案内:「タナール砦」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 占領していた王国北方のタナール砦や周辺部隊からの定時連絡が一切途絶えた。
王都騎士団本部に届けられた一報が物語るのは即ち、駐屯部隊の全滅である。
元々、最前線である要衝の砦は奪い奪われを繰り返して陥落も珍しくはない。
だが、文字通りの音信不通になる程の全滅は稀有な事例であり、
状況確認を余儀なくされた騎士団は、内々で付き合いのある冒険者に指名依頼を出す事になる。
要するに一軍を派遣する余裕はないが、さりとて、並みの斥候では対処できないとの判断であった。
「……こいつは酷い有り様だが、妙だな。魔族の襲来を装った他国の仕業か?」
無人に近い状況のタナール砦に忍び込んだのは外套を纏った白羽の矢が立った一人の冒険者。
無惨に転がる死骸に恐れる事もなく淡々と確認をしながら不審そうに訝しがる。
王国軍の鎧を着込んだ兵士達には争った跡が見られるものの、敵である魔族の死体が見当たらない。
怪訝に感じながらも、砦の奥から聞こえる剣戟の音色を察知すれば、足音を忍ばせながら駆けていき。
「あれは……、」
その入り口で壁に身を隠しながら中の様子を窺えば、丁度、王国の兵士が相対して、
互いに互いの剣で斬り合う様と、それを見届ける一人の少女という異様な光景が視界に飛び込んできて。
■マーラ・パーピーヤス > 後からやって来た、そんな彼は運が良い。
少女の力は発現させた瞬間に効果を発揮する為、その場に居合わせなければ効果を受ける事はないのだ。
今回の場合、この空間内に居た者だけの欲求を歪めて増大させる、だったから。
ただ、その現場を見た彼には、大きな違和感は確かに感じる事だろう。
「あ……」
さっさと王国に向かおうと考えて、最後の確認をする。
その確認に見渡した視線の先に、その姿が見えてしまう。
「え、えっと…えと…」
ここで怯えた演技の一つでもすれば、多少はやり過ごす先立てとなるのだろうに。
新たに現れた男の姿に頭が真っ白になり、再び戸惑ってしまうのだ。
■トーラス > 二人の王国兵の同士討ち、そして、この場に似付かわしくない青白いドレス姿の少女。
撤退の二文字が脳裏を掠める前に琥珀色の双眸と三白眼の黒目の視線がかち合う。
瞬間、反射的に爪先に力が籠められると砦の石畳の床を蹴って一直線に走り出す。
「――――っ……!」
腰に佩いたロングソードの柄に手を掛ける事はなく丸盾の裏側に潜めた隠し武器のダガーを駆けながら引き抜けば、
己の掌を皮膚一枚浅く斬り、鋭い痛みが走るのを感じて眉間に皴を刻み込み。
何が原因であるのか、此方と比較して初手の対応に途惑う少女にイニシアチブを取れば、
全身でぶつかっていき、その体重差で相手の身体を砦の床へと押し倒そうとして。
「動くな。……お前は一体、何者だ? これをやったのはお前の仕業か?」
押し倒す事が叶うならば、己の血で曇る銀刃の先を突き付けながら、詰問の声を飛ばし。
滴り落ちる鮮血の雫が一滴、少女の貌を濡らす事だろう。
■マーラ・パーピーヤス > 少女には身体的に特別な力は何もない、戦闘センスもないし、直感も持ち合わせていない。
戸惑っている中で、いきなり突っ込んで来る男。
実のところ、そんな痛み程度では彼女の力が発現されれば、それに対抗しうる手段とはなりえないのだが。
彼女の鈍さが幸いしたのか、彼女からは何の被害も被らずに押し倒す事が出来てしまう。
「あぅ…な、何なのですぅ…
わ、私、何もしてないのですよぉ…?」
押し倒された彼女の態度は、明らかに怯えてビクビクとしている。
頬に滴る彼の血が、余計に怖がらせる要因にもなっている…と、彼には見えるだろうか。
ただ、怯えているのは確かなのだが、彼の詰問に答える彼女の視線はさ迷っている。
それをどう受け取り、どんな判断を彼が下すのか。
■トーラス > 王国兵の死骸だらけの砦内で独り残されたドレス姿の少女。
この状況で彼女を疑わない存在がいるならば、底抜けのお人好しか余程の間抜けだろう。
尤も、彼とて正確に相手の正体やその恐るべき能力を看破する事は叶わない。
積み重ねてきた経験上、同士討ちする兵士達を見て、幻覚か催眠の類であると判断して、
咄嗟に自傷による痛みを負いながら少女の事を押し倒して自由を奪うに至る。
「何もしていない奴が、目の前で兵士が斬り合いをしていて悲鳴の一つもあげずにいるものか。
大方、幻覚系の能力を使う魔族だろうが……白を切るならば、身体に聞くとするか」
己に組み敷かれて怯えるような様子を見せる少女の反応に男の悪癖が覗き出る。
彼女の能力で欲求を増大させられる迄もなく、果てしなく自分自身に正直な性格。
簡単に押し倒せた事で、膂力では自身に劣ると判断したのも相俟って、
小柄な少女の身体を一瞥して舌なめずりをすれば、己の欲情をぶつけようと、
手にしたダガーの刃をドレスの胸元に当て、其の儘、布地を引き裂いてしまおうとして。
■マーラ・パーピーヤス > 可能性としてはどこかしらから連れ込まれた、ともあるが、それにしてはこの状況下で落ち着き過ぎる。
確かに彼の考えている通りにまずは疑う事が第一の状況ではあるだろう、それが正解でもあるのだから。
もっとも、この状況で彼女の力を使ったところで彼を止める術ともならない可能性が大きい。
結局のところ、彼の持った何の欲望を増大させたところで襲われるには変わらないのだろうから。
ただ、もっと細かく言ってしまえば…襲われる事に、心の底から怯えたりはしていない。
こうした状況は何度も経験しているし、ここからの流れも色々と体験をしている少女なのだ。
「あ、あぅ…そ、それは、そのぉ……あっ…!?」
どう言い訳をしたものか、そう考えたところですぐにボロを出す少女なのだから意味はない、のだが。
しどろもどろと言葉を詰まらせながらも、改めて確かめるように見詰める彼の表情。
それを見れば、今最も彼から感じられる欲望は手に取るように理解してしまう。
押し倒され、圧し掛かられている事で動かせない体、そこに彼の手にしたダガーが胸元を滑れば。
柔らかな布地は音も無く切り裂かれ、見た目よりも豊かに見える乳房と、それを覆う下着が露にされて。
まるで彼の行為に乗っかるかのように、大きな抵抗はなくも羞恥に顔を染め視線を逸らすのだった。
ご案内:「タナール砦」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からマーラ・パーピーヤスさんが去りました。