2024/02/25 のログ
ご案内:「タナール砦」にクローネさんが現れました。
■クローネ >
「………だるっ」
物静かな、平和そのもののタナール砦。
絶え間なく戦火が上がるこの場所には珍しく、平穏な空気が流れていた。
砦の中ではあくせくと兵士や傭兵達が右往左往、控えめにも静寂とまではいかないが。
魔物から奪い返された砦の中には次なる襲撃に備える者、けが人の治療に当たるもの、様々である。
さて、女と言えば。
暇つぶしに安価な依頼を受けた。内容は砦に物資を届け、そのまま1日砦の防衛の人足となること。
想像してみればまぁ簡単に想像できることだったわけだが…。
「(どーりで安いわけだわ。くっそ暇じゃん)」
サボってるように見られないように人目のなさそうな砦の隅の部屋にすごすごと退散。
このまま一日いるのか…と項垂れる。雰囲気的に襲撃もなさそうだし、退屈の極みである。
ご案内:「タナール砦」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 砦を取り返したら、何はともあれ補給と補修。
あまりにも争奪戦が日常化しており、戦闘後のアフターケアはルーチン化している気配さえ。
だからこそ、手配は迅速確実。
正規軍としての補給部隊とは別に、商人や冒険者を用いた補給も間々見受けられよう。
斯様な具合で、砦を訪れたちんまい商人。
ひとしきりの手配が終われば、肉体労働に適していなさそうな見目もあって自由時間に近しい。
作業中の者を邪魔する趣味も無いから、足が向かう先は人気のない所と相場が決まっていて。
「ぬ、先客…確か…クローネというたか。
サボり…けふんっ、休憩中といったところかのぅ?」
サボりと指摘してしまっては、自身もサボり犯と指摘もされよう。
言葉を濁した商人は、女も所属する輸送班の取りまとめ役。
物資の調達ごと請け負っているのだから、当然の人事ともいえよう。
翻って、このくっそ暇な仕事の募集主でもある。
不満を言うなり、ちくちく嫌味を零すなりには、丁度良い標的役かもしれぬ。
くりんっとした大きな黒目に、さらっさらの黒髪。
どこから見ても、お子様にしか認識されがたい風貌だけれど、
見目によって手加減してくれるような女ではなさそうだとは、人相学からの述懐。
■クローネ >
「…うわ」
女が発した言葉は露骨に、やっべ見つかった、とでも言いたげな声色である。
それは無論、仕事がダルくてサボっているのだから後ろめたさがないわけでもない。
問題は見つかった相手が今回請け負った仕事の主であるといったことだ。
「サボりって口にしちゃってんじゃん。
しょうがないじゃんやることないんだからさー?」
小部屋に積み上げラられた木箱に気だるげに腰掛ける女はそう不平不満を口にする。
言い訳をだらだら並べるような性質でもないのだろう。
「(つーか、最初っから思ってたけどなんでこんなガキんちょが依頼なんて出してんのやら)」
迎えるは怪訝な視線。
どっかいいとこ…帝国のおぼっちゃまか何かか。
にしては喋り方がジジイじみてる。
まぁ、ただのガキではないのだろう、と。
■ホウセン > 些かバツが悪そうに見えなくもないような。
つり目気味の目から伝わる感情を見定めようと、体の正面を女に向けて。
図々しくも、雪駄をペタペタと鳴らして歩み寄ろう。
その面の皮の厚さは、子供らしい子供の範疇外か。
だというのに、木箱に座しているといっても、確実に商人より目の位置は高く。
斜め下から見上げる格好だ。
「ま、それはそうじゃな。
何分、腕力頼みの仕事の方が多いぐらいじゃから、儂とて暇を持て余しておるしのぅ。
余人を責めるつもりはありゃせんが――」
薄っぺらい肩を竦め、言い訳に一定の理解を示す。
実際のところ、荷物をここまで運ぶのが主目的で、労役はオマケのようなもの。
帰還時、補給物資の代わりに怪我人を運ぶため、
搬送の手配が整うまでの隙間時間の活用目的でしかないのだし。
腕組みをして、ふむふむと値踏みするような、納得しているような頷きを幾度か。
「どうせ時間が余って仕方ないというのであれば、もうちっと”充実した”仕事を用意できんでもないのじゃ。」
口を開かなければ綺麗なだけの唇が、微妙に緩んで。
男漁りが激しい冒険者なら、そんな表情は幾度向けられたか枚挙に暇がないかもしれない。
”下心あり”と、欲の存在を隠そうともしていない。
問題は、女の食指が動くかどうかだが――