2024/01/24 のログ
ご案内:「タナール砦」にタマモさんが現れました。
タマモ > タナール砦、人の側と魔族の側の境、互いが取り合う戦いの場。
そんな砦の見張り台、その更に屋根の上に、ふわりと少女は降り立った。

「さてはて、今日はどちらじゃろうかのぅ…?」

今来たばかり、今の砦が、どちらに占領をされているのか分からない。
しかし、どちらであろうとも、少女の対応は変わらないだろう。
来たからには、何か面白いもの、面白い相手を見付ければ、遊ぶだけ。
ここがどんな場所か、なんてのは、少女にとっては些細な事なのだ。

さて、今の見張り台に、誰かが立っているだろうか?
それとも、何かしらあって、砦内に集っていたりするだろうか?
前者ならば、その相手に悪戯をするかもしれないし。
後者ならば、砦の中にまで、足を踏み入れる事だろう。

タマモ > 軽く、周囲を見渡してみる。
視線が通る方向は、魔族の国の方角…うん、いつもの眺めだ。
ひょい、と屋根の上から、見張り台の中を覗いてみる。
…どうやら、誰も居ないみたいだ。

「となれば…まぁ、仕方無いか」

ぐ、と屋根の縁に手を掛け、ぐるん、と弧を描くように中へと飛び移る。
とん、と着地をすれば、見張り台を降りて行き。
後は…そのまま、屋上の扉を抜け、砦の中へと入って行く。

とりあえず、抜き足差し足忍び足、気配はそのままに、砦内を歩き回る。
一応、今はどちらが占領しているのか、確かめなければいけない。
もしかしたら、もぬけの空との可能性も…無い事はないのだ。

廊下を通り、適応に部屋を見て回り、地下とかもあったら見てみよう。
そんな感じで、少女は砦内を練り歩くのだった。

ご案内:「タナール砦」からタマモさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にソフィーさんが現れました。
ソフィー > 夕暮れの城で聞こえた怒号の内容が、今日の遊び相手。
砦が再び魔族に奪われ、将軍の一人が部下に怒鳴り散らしていたのが聞こえ、青い瞳で猫をかぶる自身は怖いですねなんて、お淑やかに微笑んで良い子を演じておいた。
とはいえ、それもそれで本性を知られている相手には意味がなく、城に来る来賓向けの取り繕った姿。
夜になれば自身の身代わりとして、魔法で作った精巧な人形をベッドに寝かしつけ、夜の世界へと飛び出していく。
今宵の遊び場は血飛沫舞い散る戰場、城を占拠した魔族の配下達を上空から月を背に見下ろしながら腕組してニヤついている。

「いっぱいいるじゃん、どれぐらい当たるかな~♪」

掌から魔力の塊を生み出すと、青白い光が次第に膨れ上がっていき、月と重なっていく。
今宵の月は妙に明るいと言わしめるような、特大の魔力球となったそれをぶんと投げ放つ。
地上の魔物やら魔族やらからみれば、空の月が落ちてきたかのような存在感の塊に見えるだろうか。
しかし、次第に近づくそれはボンと弾けると、無数の弾丸へと変化していく。
青白い魔力弾の雨霰、それが城を選挙する者達を次々と撃ち抜いて行くのを見下ろしながら、唇の端をにんまりと釣り上げていき、瞳は赤い弓張り月となる。
着弾した弾丸が巻き上げた砂埃が消え、辺り一帯に動く姿が見えなくなると、背中に浮かべた魔力の蝙蝠翼がゆっくりと空気を叩きながら下へと降りていった。

「……よっわ、皆やられてるし。こんなのに梃子摺るってどんだけ弱いのよ、あのハゲ」

転がっていた屍を一つ蹴り転がしながら、ケラケラと可笑しそうに嘲る。
もう少し骨のなる相手がいたら楽しい夜になったのに、なんて思いながら周囲を見渡す。
まだ息のある雑魚はいないだろうかと、少し弄んで無様な声でも聞かないと楽しめやしない。
鼻歌を歌いながら道行く先に散らばった手足を、空き缶のように蹴り飛ばしながら、魔物の紫の血が飛び散っていった。

ご案内:「タナール砦」にグスタフさんが現れました。
グスタフ > 喧騒で埋め尽くされた戦場に静寂が訪れていた。
一瞬のことのように思うが、ほかの者は壊滅したらしい。
その中心には少女らしき影が一つ。見た目通りの少女ではないのだろう。
まだ生き残りがいないか、少女のような魔族はしらみつぶしに探す気らしい。

あー、どうするか。タバコでも吸いたい気持ちを堪えて試案を巡らす。
逃げるのは無理だろう。ならば突っ込むしかないか。
暗殺特化型の自分なら、他よりは勝算があるだろうが。
教会の最秘奥の切り札もある。

やるしかないか。覚悟を決めるために、相手の姿を見て。
少女の可憐さに見惚れた。一目ぼれといってもいい。
だが、それが甘い誘惑であると、警鐘がなっている。
それでも、彼の歪んだ願望が身体を突き動かした。
好意と情欲が直結している男は、どこか壊れていた。

殺気はない。音もない。陰から影を駆け抜け近づく。
とはいえ、相手の手練れた様子では、こちらが触れるより先に気付かれるかもしれないが。
”奥の手”を構えながら接近して、拳を振り上げその細い首筋に打ち下ろす。

ソフィー > 「こんなの強い魔法で全部ぶっ飛ばせばいいだけじゃない、あっ、そっか、アイツラじゃこんな事出来ないもんね」

それをやれというのは酷というものかと、嘲笑しながらの散策。
見た目だけなら幼い少女といったところだが、内包する黒い魔力は魔族の物に近い。
近いという言い方なのは、血筋に人間が混じったことで多少の変化を起こしたためだ。
人間が発する魔力の波長が混じり、そちらに傾ければ人間に化けることも出来るのだが、今は本来の力を剥き出しにして戯れている。
虫の息だった魔物が逃げようと這いずるのが見えれば、ぷすっと吹き出すように笑いながらそちらへと近づいていった。

「ほら頑張れー逃げれるかもしれないよー、がんばれーがんばれー」

棒読みで嘘100%の応援を投げかけながら、魔物の背後をゆっくりと追いかける。
既に下半身は魔弾の破壊力でずたずたになっており、出血も酷いが、両足の骨がへし折れて捩れるように拉げていた。
唇の端から紫の泡ブクを浮かべる魔物と並走するように歩きながら、門の方角へと近づいていき、そして途中で動きが止まる。
出血多量で事切れた魔物を、冷えた眼差しで見下ろしながら、ガッと蹴り転がして仰向けにしていく。
そのまま心臓の上を踏みつければ、最早鼓動の気配はなかった。
つまんないのと唇を尖らせながら再度蹴り転がした瞬間、背後から迫る拳が首筋にぶつかる。
体そのものは幼女と大差ない筋力しかないが、こんな魔物を蹴り転がせるのは自身に魔力を纏わせているからだ。
身体強化に回された魔力が攻撃を阻むように衝撃を吸い込んでいくと、背中に生えていた蝙蝠翼が巨大なはさみへと変化していく。
それをそちらへと倒していき、刃の間に収めて断ち切ろうと閉じていき、反撃を仕掛けつつ振り返っていった。

グスタフ > 触れた拳の衝撃が殺されたのを察して、拳を開いた。
血の付いた掌を押し当ててみる、血が首筋につくなら触れられることはできたということだ。
翼が断ち切狭に変じるのを見て、身体を引くには遅すぎると悟った。
避けるだけなら体術で可能だろう。だが、それでは反撃が間に合わない。
切り札を早々に切っていく。振り返った顔ににやりと不敵な笑みを浮かべて。

「短距離転移」

パキンと骨の折れるような音がして、数センチの距離を空間転移した。
普通のニンゲンなら意識がブラックアウトしかねない衝撃と、自分の肋骨を犠牲にして
彼女の身体をすり抜けるようにその小さな身体のさらに内側に潜り込むように転移した。
低い体勢からアッパーをするように下から掬い上げる拳の先には聖なる釘が握られていた。
洗礼済みの礼装の一種ならどうかと、まさに祈りを込めた一撃を彼女の胸元に突き上げる。

ソフィー > 魔力を纏っているものの、触れるだけなら首筋に血をつけることが出来る。
斬撃や打撃、刺突に魔法といった攻撃であろう接触に対して破壊力を軽減するような膜というのが防御性能の部分として働いていた。
振り返った先に見える姿、日焼けしたような肌の色をした背の高い中年男性が第一印象。
ただのオッサンじゃんと内心思いながらも、鋏に切り落とされるのが関の山と思っていたが、切り札の起動音声に眉がぴくりと跳ねる。

「ふぐっ!?」

一瞬のうちに懐に潜り込んでくる男の拳が胸元へ迫る。
低い姿勢になって鋏をくぐり抜けられたものの、所詮人間の拳程度大したダメージにはならないと、こちらも魔力を掌に込めて叩きつけようと球体にまとめあげていく。
防御より攻撃を選んだのは裏目に出てしまい、聖別された釘から発する清き力を纏った一撃は防御を突き破る。
ガラスが砕けるような音を響かせ、体にまとっていた防御膜が破損すると、そこを突き抜けた拳が胸元を直撃する。
ほとんど膨らみのない乳房の合間、肋骨の隙間に叩き込まれる拳の衝撃と聖なる力が心臓を打ち付ける。
ドグンと大きく脈動した途端、心臓がバグを起こしてしまい、一瞬止まっていく。
呼吸がひきつり、瞳を白黒させる最中、やっと再起動した心臓ではあるが、不規則な鼓動が血管を圧迫し、苦悶へと変わる。
かひゅっと掠れた息を吐きだしながら仰け反り、後ろへ蹈鞴を踏むように下がっていくと、胸元を抑え込みながらうつむく。
そして、ぎりっと奥歯を噛み締めながら、震えながらに顔を上げて幼い顔が憎しみいっぱいに睨みつけていた。

グスタフ > 「逃がさないぜぇ……いや、逃げないよな?」

後退る少女に俯いて下から舐めるような視線の男には情欲が宿っていた。
戦闘で興奮しているのか、苦しそうな少女の顔に興奮しているのか。
懐から取り出した子袋を投げつける。煙幕染みたそれは吸っても巡る血に触っても毒。
男は服薬し続けて影響はないが、こんな絡め手も効くかもしれない。
そも男の唾液も血も麻薬と大差ない。毒も薬も、区別はない。
彼女の首筋についた血だって媚薬のようなものだ。

もっているものは使う。
蜘蛛を思わせる地面に張り付いた動きで近づくと、刺さった釘をさらに奥に叩きこもうとすがる。
彼女がどんな能力をもつかわからないが、釘は磔を意味する。身体を変化させることはもうできないだろう。
物陰に引きずり込んで、獲物を捕食するかの如く。彼女を食べてしまいたいと、叶うならその肌に舌を這わせるだろう。

ソフィー > 「っ……ちょっとパンチ入っただけで調子乗ってるわけ? オッサンのパンチなんて、こんなのすぐ回復するんだから!!」

苦悶に呻いていたものの、体は魔族の血筋を引いた屈強さ。
呼吸も脈の乱れも落ち着き、突き刺さった釘は今の状態では触ることは出来ないが、大したダメージではない。
舌なめずりするような視線に生理的な気持ち悪さを覚えると、肩がビクリと跳ねるものの、キモ…と呟くぐらいの余裕はまだまだある。
そして、投げつけられた小袋は何か仕掛けがあるだろうと先程の一撃から警戒し、横に跳ねて回避していくも、地面に落ちて撒き散らされる煙幕からは離れようと更に下がる。
しかし、そちらに目を取られたのは不味かった。
死角に潜り込まれ、気付いた時には地面から伸びる拳に目を見開きながら、両手で庇い手をする。
膂力も防御力も、まだ釘の影響で強化魔法を再展開しきれておらず、少し威力を阻害する程度しかない。
掌ごと押し返され、手の甲から釘に激突していくと、ブチブチッ!! と肉の繊維が引き千切られる音が響く。
強引にめり込む釘の痛み、焼けるような拒絶反応、そして、心臓を傷つけて浄化の毒素が体に回れば、瞳孔どころか総身が震えてしまう。
釘の部分からしゅわしゅわと白い煙を発し、つつっと胸から伝い落ちる紅い雫。
ぐらりと体がゆれて片膝を着こうとしたところで、頬を撫でる舌の感触にゾワゾワと悪寒が重なって息が震える。

「キモいっていってるでしょ、オッサン!!」

それでも小さな釘程度では魔力を完全に封じきるとまでは行かない。
苦痛と苦悶に耐えながら、再度魔力を練り上げていくと、背中から撒き散らすように青白い光が飛び散る。
それが背後で形を降りなし、無数の蝙蝠と変化すれば、一斉に彼へと殺到していく。
弱っているのもあり、破壊力抜群とまでは行かないが、一発一発が長弓で放たれた矢ぐらいの破壊力はある。
ゆるい追尾性能の付いた弾幕で反撃し、力で叩き伏せようともがいていく。

グスタフ > 「そう言うなよ傷つくなあ」

密着していれば大技はくらわないとタカをくくっていたが。
釘に穿たれてなお、身体の一部を蝙蝠と化し武器にする姿には舌を巻いた。
縋るように抱き着けば、二人はそのまま地面の中に……いや影の中に沈んでいく。

「そいつは悪手だったな、お嬢ちゃん」

煙幕で気がそれて、男の攻撃に油断したのもあるだろうが。
男の下の影が大きくなっていることには気づかなかったろうか。

「短距離転移があるなら長距離転移もあるんだぜ」

とぷん、と沈み込むように影の中へ二人が消えれば無数の蝙蝠と切り離されて。
二人は砦のどこかへと転移してしまった。

ご案内:「タナール砦」からソフィーさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からグスタフさんが去りました。