2023/12/25 のログ
ご案内:「タナール砦」にクローネさんが現れました。
クローネ >  
「はっ…どいつもこいつも大したことないねー」

今宵、タナールの砦に攻め入ってきたのは有象無象、魔物の軍勢。
指揮官がいるのかどうか、それこそは不明だが…こうやってクローネのような雑多な冒険者いまで依頼がまわるのだ。
ただただ数だけは多く、手が足りなかったのだろう。

クローネにとってこういった戦場は得手とするところ──適当に魔法をぶっ放して広域を爆破してまわればそいれだけで戦果があがる。
大雑把で面倒臭がりな彼女にとってはこれ以上ないストレスの解消にもなる。
珍しく依頼に張り切っているのか、砦のあちこちで爆煙と爆音をあがっていた。

クローネ >  
爆炎の中を一匹の魔物、四足の獣が駆け抜け、クローネへと飛び掛かる。
…が、クローネは不敵に笑みを浮かべると詠唱などすら行わず掌を差し向け、空中でその獣を爆撃し撃墜する。
雑魚散らしには定評がある女であるが、今日はことさらに調子が良い。

「雑魚ばっかじゃん? ちったぁ骨のあるヤツいないわけぇ?」

やや退屈げに爆炎散る砦の中を単独で進軍する。

これまで出てきた魔物といえばどれもこれも大したことのないレベルの獣ばかり。
この程度の雑魚ばっかりじゃ数稼いでもたいした手柄にならないな、と内心舌打ちしつつ。

こう、ちょっとくらい大物をヤれたほうが報酬も弾む、ってものなのだが。

クローネ >  
「(…ま、とか言って魔王とかにご足労されても困っけどね)」

気怠げに片手間を払うように魔物を爆破しながら砦の中を進む。
この調子だと自分と同じ様に依頼を受けた冒険者達も、ただただ討伐した魔物の数でも競っているんじゃなかろうか。
無論疲弊することを考えれば……

「その内に打ち止めになってもらわないと、だけどさぁ?」

砦の向こう側から押し寄せる獣の群れが見える。
特大のをお見舞いしてやるか、とほくそ笑み、両手に魔力を集中させる。
陣と詠唱による魔力の変換は身体に刻んだ紋様で構築済み、魔力さえ高めれば隙なく撃てる。
面倒を嫌うクローネ故の陣不要・無詠唱の魔術である。