2023/10/22 のログ
ご案内:「タナール砦」にパルフェさんが現れました。
■パルフェ > 今現在、このタナール砦を守るのは魔族達。
どちらかと言えば攻める側の人間が人数差で有利、そう思われた。
攻め入る人間達は砦の門にまで到達し、その門も攻撃を受け破壊されてしまう…そう思われた時、それが起こった。
砦の門を覆う、闇を纏いし加護の力。
それは人間達の力を激減させ、逆に魔族達の力を激増させる。
形勢は一気に逆転し、一時、押し返すのに成功した、今はそんな状態だ。
「私の力をもってすれば、この程度は造作も無い事なのだ。
きっと、この先に居るはずの魔王様の為なら、いくらでも協力は惜しまないぞ」
砦からの見晴らしの良い壁の上、広がる魔族の国を見詰めながら呟くのは一人の少女。
魔族が占めているはずの砦なのだが、その少女は間違いなく人間。
もっとも、その服装は見る者が見れば分かる暗黒神官が纏う神官着だ。
この砦の門を守った加護を発動したのがこの少女の持つであり、だからこそ砦内に居る事を認められている。
人間、正しくは人間の称える神を見限り、魔族の側に付いた暗黒神官、それこそがこの少女なのだ。
■パルフェ > 人間だからこそか、この国の神の情勢を正しく理解していないところがあり。
見方を変えると彼女のそんな強く持った意思は滑稽なものなのだが、それを知る由もないのは不幸中の幸いか。
「あぁ、私一人でも大丈夫、しっかりと見張っていよう。
良いから交代の者達を連れて来るのだ」
砦の見張りは彼女を含め三人程度。
その残りの二人も交代なのだが、念の為に一人ずつ呼んで来ようか?との問いに、彼女はそう答える。
押し返してそう経ってはいない、攻め込むのを再開するのはまだ先だろうとの判断による言葉だ。
人間は数でしか攻められない、そう思うのは油断か現実か。
ともかく、二人に行かせた今、この場に居るのは少女一人となった。
ご案内:「タナール砦」からパルフェさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にシェティさんが現れました。
■シェティ > 現在は人間側の手に渡ったタナール砦。
其処から少し離れた場所を通りがかった魔族の女は運悪くも哨戒中の兵士の一団に取り囲まれてしまい、
結果、砦の地下深く――冷たい石壁と鉄格子に囲まれた牢獄へと繋がれ虜囚の身となっていた。
「――――………………。」
すぐさま数名の兵士が訪れ、魔族側の情報を聞き出す為の、或いは彼等の嗜虐心を満たす為の尋問が執り行われようとした最中、
魔族の軍勢が攻めて来た――と告げる声に駆り出され地下牢を去って行くその姿を見送ったのが数刻程前の出来事。
地上で繰り広げられていた争いの気配はひとまず収まった様子だが、果たしてどちらの軍勢が勝利し砦を手中に収めたのか、
地下牢に繋がれた侭一人取り残された侍女風貌の魔族の女には、其れを知る術を与えられていなかった。
■シェティ > もし人間側が防衛に成功したのであれば、戻って来た兵士達によって尋問の続きが執り行われるであろう事は明白。
仮に魔族側が奪取に成功したとしても、その相手が同族だからという理由だけで己を虜囚の身から解放してくれる保障は何処にも無い。
「どちらにしても、抜け出すのであれば急ぎませんと………ッ。」
さりとて、両手首を繋ぎ留める鎖と枷は人間と大差ない女の膂力では到底引き千切れるようなものでは無く、
捕らえられた際に首元へと嵌められた妖しげな首輪――人間達が魔法封じの呪具と呼んでいた其れの所為で魔法の行使も侭ならない。
そうして、抵抗が徒労に終わる度に両手を拘束する鎖が重々しい音を立てては、
今の砦の支配者達にその存在を知らしめる結果としかならない事実に、侍女風貌の女は困ったように眉根を寄せる事となるのだった。
■シェティ > されども、砦の地下深くに在るその場所は誰からも忘れ去られてしまったかの如く静寂に包まれた侭。
その砦の支配者となった誰かが虜囚の身となった魔族の女の前へと姿を現わしたのは、其れから更に数刻が過ぎてからの出来事だった………。
ご案内:「タナール砦」からシェティさんが去りました。