2023/09/18 のログ
ご案内:「タナール砦」にフェブラリアさんが現れました。
フェブラリア >  
「……やはりあまり、長居はよくなさそうですね」

魔族の国との最前線とも言えるタナール砦。
そこを練り歩く、一見すれば魔族とも勘違いされてしまいそうな、馬車を率いる一つの小柄な姿。
しかして白のドレスを身に纏い、青い竜の尾を揺らすそれは、紛れもなく人の側。
フェブルアーリアの令嬢たるフェブラリアは、さる事情から、ここタナールへ直に物資を輸送していた。

海運を主とするフェブルアーリアが普段、この陸たる砦に顔を出すことは無い。
しかして時に、こうして物資を港から運ぶことはある。
そうした際に戦地とも言えるこの場に来る為には相応の備えが必要だ。
安全に物資を輸送するためにも、それなりの力が在るものがその任に付かねばならない。

そうした中で、竜の力を持つフェブラリアがこの場に居るのも当然だ。
少なくともフェブルアーリア家の中では、彼女が一番の実力者であるのだから。

フェブラリア >  
…とはいえ、そのフェブラリア自身がそう零したように、あまり長居したい場所ではない。
戦場に駆り出されることに異論もなく、彼女自身も戦地に赴く立場である。
しかしてここは自らにとって理想の戦場とは程遠い。
フェブラリアにとって住処、本拠地となるのはやはり海、水場に他ならない。

「(…………いえ、今更そんなことを言っていても仕方ありませんね)」

一瞬浮かんだ思考を振り払い、フェブラリアは小さく息をつく。
今は目の前の仕事をこなすことこそが肝要だと気持ちを切り替えた。
あくまでも目的は物資の運搬、そして護衛である。
故に彼女はただ黙々と馬車を走らせ、目的地へと向かっていく。

ご案内:「タナール砦」に刘 若汐さんが現れました。
刘 若汐 > 魔族の国との境界線が近いとされるタナ―ル砦の内部にて
砦内に数多くいる傭兵や工作兵に交じったとある薄汚れたどこにでもいそうなおっさん工作兵がいた。
全体的に汚れており長年そこに詰めていそうな感じのおっさん。
何処からか運ばれてきた物資の運搬や壊れた箇所の修理や修繕などに駆り出されて幾日か。

「今日もどうなるだろうか、困った困ったっぁ」

最前線なので何処かしらで小競り合いが起きていてもおかしくない場所であり、
工作兵だからあまり大々的に戦場では役に立たないおっさんだ。
早く次の物資が来ないかなぁ、と空を見上げて待っていた。

フェブラリア >  
「…あそこですかね」

そんな工作兵がいる砦へ、とうとうフェブラリアの馬車は辿り着く。
砦の兵士らに止められるも、身分証を見せて問題なく通される。
そしてそのまま中に入り、馬車を止めれば彼女はここの物資管理を預かる兵士の姿を探す。

「すみません、物資を届けに参りました」

そうして偶々目についたのが、何処にでもいそうな年配の工作兵。
あまり前線に立つようには見えないが、だからこそ裏方仕事を任されていそうだ、と判断したのだろう。
丁寧なカーテシーと共に、彼女は彼にそう声をかけたのだった。

刘 若汐 > くたびれて汚れたおっさんは馬車の音に気づくと
見上げていた空から馬車が現れた方へと顔を向ける。
肩を揉み解しながらぐぐーっと延びをし首もちょっと回してから

「はーやれやれ、やっと来たなっ!」

うし、老骨に鞭打って頑張っちゃうゾと小言を口にしながら木箱から腰を上げて
馬車から降りてきた小柄な…尻尾の生えた令嬢?いやここ最前線だよ!?
似つかわしくないんだ!!…が馬車と共に来たのだから輸送を任された人で間違いないのだが。
手元にこれまた汚れた書類の束を捲りながら え、この人が輸送の運搬と護衛の人!???と二度見したおっさんだった。

「やあ…え!? おまんさんが 物資運搬の人!? いやすまん許してくれ。
 何処から何の物資を運んでくれたんだい?」

物資保管リストを見ながら確認がしたいと含みを持たせながら、
女性へと挨拶がてら手続き用の書類とかあれば渡してくれないかとお願いをしながら、
途中頭を下げたのは失礼な事をしたへの謝罪だった。

フェブラリア >  
「ダイラスの方から、食料の方を主に。
あとは幾らか武具の輸入品やらを、ですね」

物資リストに目を向けつつ彼女はそう答える。
手慣れたその様子は、容姿に反して相応に経験を積んでいるのが垣間見える。
おそらくは書類なりも彼方は準備をしてないのだろうと悟れば、
懐からペンと書類を取り出して、工作兵へとそれを差し出す。

「ああ、申し遅れました。
私はフェブラリア=フェブルリア=フェブルアーリア、
国からの勅命により、物資の輸送にやってまいりました」

さらりと自分の名前を告げ、彼女はカーテシーと共に一礼を見せた。

刘 若汐 > 「ダイラスってーと港のある都市からか、
 はーやれやれやっと新鮮な海の食べ物が食えるってか、
 みんな後で喜ぶぞっ ずーっと瓶詰と塩漬肉にレモンだったしなぁ」

物資が届かないと食べ物関係がマジでひもじいものになり果てる。
そもそも新鮮な野菜や果物(レモン除く)や生食関係は二週間で食べきらないと衛生的に危険である。
炊事班は別にいるからそっちはそっちで物資を渡せば腕の見せ所とばかりに喜ぶだろう。
それはさておきペンと今回の必要書類を渡されれば受取り物資の方へと近づいて見る前に。

「お、…貴族の出身ですかい!?
 勅命やべえ。平民のおっさんじゃこんな場所以外出会えねえわ。
 あ、おれはジョンって名のおっさんよ、ここでは物資管理のおっさんだあな。
 じゃさあっさと確認してサインして手続き済ませるわ、ちょっと待っててくれや」

そう声を返してから貴族様(そう勘違いした)を待たせないように
素早く丁寧に無駄なく一つ一つチェックをして確認していく。
一通り確認し終われば受取りのサインに名を書いてから
自分でチェックをしこれでお終いとばかりに借りたペンと書類一式を彼女に返そう。

「おつかれさん、手続きは終わったぜ。気をつけて帰ってくれな!」

何処からか何人か作業現場から同じような汚れたおっさん工作兵や炊事のおっさんが現れて抱えて持てる物資を持ち運び始めた
おじさんパラダイスが暫し続く。

フェブラリア >  
「保存のための魔法は施してはおりますし、塩漬けにした加工品などもありますが…
そこまでの長期保存は出来ませんので早めに消費するように心掛けてくださいませ」

そう一言断りを入れて、チェックする様子を暫し見守る。
おおよそ問題はないであろうことに、面倒はなさそうだとホッと一息しつつ、言葉を返していく。

「ええまあ、こんな形ですが当主ですので。
ジョンさん、ですね、また物資を運ぶ際にはよろしくお願いします」

そして一通りチェックが終わったのを確認すれば、ペンと書類を受け取り目を通す。

「それではあとはお任せいたします。
私はこれにて、目につかぬルートを辿りまして帰還いたします。」

そんな何処かむさくるしいパラダイスを横目に、一礼をすれば彼女は馬車へと乗り込んだ。