2023/09/07 のログ
ご案内:「タナール砦」にランヒルド・ダールさんが現れました。
■ランヒルド・ダール > そもそも立地が悪いのだろう。攻め込むには易く、守るには難いタナール砦。
下手をすれば日ごとに支配者が変わる砦は今、人間陣営が支配している。
戦えば被害は出るが、かと言って軍を全く置かないなどすれば、人間の支配域へ魔族軍の素通りを許すことになる。
守っても損、守らなければ大損。そんな場所だから、兵士達の士気も底を突いて低い──
「はい! 迅速に動きなさい! 兵糧も武具も西門前に集めてください、すぐ運び出せるように!
どうせまた落とされるんだから、盗られる前に砦を空っぽに──あーちょっとそっちじゃない、方角逆ですー!」
──ひとり、か細い声を必死に張り上げている女がいた。
見る限りでは軍服こそ着ているが、戦場に似合わぬ線の細さ。気難しげな顔の美女──という所だろうか。
形の良い眉と眉の間に、ぎゅうっと皺を寄せた女が何をしているかと言えば、撤退準備であった。
砦の奪い合いの度に、兵士や物資を大量に失っていてはかなわない。
最低限の被害で魔族側の軍を疲弊させ、補給はさせないようにという些細な抵抗である。
「ああぁもう、きびきび動きなさい! 明日にも魔族の襲撃があるかも知れないんですから!
いつも逃げきれてるからって、明日上手く行くとは限らないんですよ……!」
戦いに倦んだ兵士達の中、出ない声を無理に張り上げ駆けずり回る軍服の女は、見るからに汗だくで。
汗で肌に張り付く布地が為、動きが余計に阻害されて疲れ、汗を掻く悪循環に陥っていた。
ご案内:「タナール砦」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 疲弊した砦に檄を飛ばす女を半ば無視していたが、目の前で吠えられれば流石に障るとでもいうように。
男は女の前に立った。砦の中なので、鎧は着ていなかったが上半身裸で休憩中といったところだ。
「そのくらいにしておけ。段取りは各隊長に回せばいい。
前線で戦ってるのはあいつらなんだ……言いたいことがあれば俺に言え。グスタフだ」
あいつらは休憩中だぞと、代わりにというわけではないが、腕章を見せて名前を名乗った。
女に比べればここでは通りのいい名と声だろう。
一般兵士にまでドヤ付けてる女の手を取って奥に連れ込もうとする。他の兵士に見せないように。
「お前が役に立つ女なら話は聞いてやる」
■ランヒルド・ダール > ぜーぜーと肩で息をしながら立ち止まる女。眼鏡をずらし、腕で目元の汗を拭う。
顔を擦っても化粧が落ちる気配が無いのは、そもそも化粧の類いをしていないからなのだろう。
……メイク道具を戦場に持ち込めるほどの心の余裕が無い、と言うことでもあるのだろうが。
さて。
目元の汗を一通り拭って、それでもまだ後から汗は出てくるのだが──とりあえずの、ぼやけた視界は確保できた。
映ったのは、何やら人間のような輪郭のもの。額にずらしていた眼鏡を元の位置に戻し──
「……だ、わっ!?」
上半身裸の男がいきなり目の前に立っていたのには、驚きの声を上げて仰け反った。
「な、なんですか藪から棒に。休憩中の兵士を働かせない程度の配慮はしてますっ。
……って、ちょっと! いきなり何を──」
伸びてきた男の手から、ざざざっ、と思いっきり後ずさりをして逃げる女。
兵士への指示だとか他のことの一切を忘れて、野ねずみのようなすばしっこさであった。
■グスタフ > 「藪から棒にとは随分な言い草だな。
落ち着きがないと言っているんだ。こっちは傷病者もいる。掴まれたくなきゃ……向こうでな」
指を向けて、歩きながら負傷者の部屋から追い出して。
指さした方向に歩き始める。
「触られるのが嫌なんだろ、来い。撤退準備ならある程度は済んでいるが――。
荷物より人だろ。結局あいつらをどーこーするのが大事だって話だ」
女の姿を視界の傍に認めながら続ける。
鎧を脱いだばかりだから、上着の替えがないんだよと、言いながら。
「なんで、落ち着いて、話す相手は選べ。その方がお互いいいだろ?」
■ランヒルド・ダール > 撤退に際して、人間をおろそかにしている訳ではない。……少なくとも、この女の認識では。
身一つで逃げ出して、食料も武具も魔族側に取られたら次の戦いは尚苦しくなる──との算段だ。
普段の女ならば無闇に胸を張って、理屈を滾滾と並べて論戦に持ち込んだのやも知れない。
が。疲弊は人間の脳を鈍らせる。今、この女はおそらく、木の棒を振り回して遊ぶ幼子程度の言い返し方しか出来ないだろう。
「お互い、じゃないじゃーないですか! ……むむ、話が有るというなら、聞くのはちゃんと聞きますが……」
男が指差す方向へ、少し遅れて歩き始める。
その後は兵士の運用について、管理サイドと現場サイドの摺り合わせなどしたのだろう──。
ご案内:「タナール砦」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からランヒルド・ダールさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」にロードさんが現れました。
■ロード >
「くくく…はははっ!ふははははー!ゆけ!人間どもを蹂躙するのだ!!」
現在、砦は大量の魔物の軍勢に攻め込まれている
統率こそとれていないが、物量による力押しで防衛は難航しているようだった
そう…統率はとれていない
「血の海に沈めてしまえー!」
後方にふんぞりかえっている少女にしか見えぬ、魔族
やたらとでかい声でいかにも魔物を指揮している風だが、そうではない
魔物がちょうど砦を攻めているところに出くわしたので、後方で偉そうにしているだけである
なんとなく、全盛期の頃を思い出して気持ちいいなって
ご案内:「タナール砦」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 砦に忍び込んでみれば、なにか後方で偉そうにしている幼女を発見した。
たいした力ももっていないような気がする。
魔物たちもその少女の言うことを聞いてる風もなく。
あ、同士討ちしてる。
「あれじゃあ、血の海に沈むのはどっちだかなぁ……」
少女の後ろから呟いて、にっこりと。手を振って見せて。
少女の口を塞いで攫って行く。
「ま、こんな後方でふんぞり返ってるんだ。ちょっと来てもらおうか」
ご案内:「タナール砦」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「タナール砦」からロードさんが去りました。