2025/05/04 のログ
■影時 > (声を放てば、……なァんて、うまくことが運ぶかね?)
己が足で探索し、確立させた進入路は新たに地図を書き起こし、記録している。
それまでの間で目立った遺留品、または戦闘の痕跡と呼べるものは見つかっていない。
未帰還者達が運良く無事?に先に進めているのか。
或いは、運悪く捕縛等されて、深層へと引き込まれているのだろうか。考えるとどちらもあり得るのが厄介だ。
単独で進入している身の上でわざと声を上げるのは正しくは無いが、近くにいるなどすれば、答えが返るだろうか?
「――――おぉぃ。誰かァ、居るかー?」
すぅぅぅぅ、と大きく、深く、深く。息を溜めて、此れから進むであろう方角に開いた出口に声を放つ。
石造りの部屋に殷々と響く声は大きく、強く。同じ場に居る者が在ったなら、うるささに耳を押さえかねない程。
此れで魔物等が寄ってきたなら? それは勿論、その時次第だ。
少なくとも見回り、安全確認を行ったならば考えなしに突き進むより、遥かにマシだろう。
仮に魔物が集団で寄ってきたとしても、玄室の出入り口の幅は城門よろしく広くない。やりようはある。
■影時 > ――応えはない。
――否。悲鳴とも呻きともつかないものが色々入り混じってやってくる。
(……ははぁ。奥から逃げてきてる類か? 思った以上に運が良いじゃァないか)
足音と明瞭に判別できるのは、ざっと3人位といったところだろう。
それ以外? 人間、這いずるようにできているかね? 出来ているならそれはもう人間じゃあるまい。
傍らに置いた刀を取り上げつつ立ち上がり、水袋を腰にぶら下げる。
そうして気勢を整え、間近の接敵を伴う避難者の到来を待ち構えよう。
何にしろ――先ずは事情を聴いてから、今後の事も考えないといけないのだから。
ご案内:「無名遺跡」から影時さんが去りました。