2025/02/17 のログ
ご案内:「無名遺跡の一角(待ち合わせ)」にメルリアさんが現れました。
ご案内:「無名遺跡の一角(待ち合わせ)」にサラさんが現れました。
■メルリア > .
石レンガ造りのダンジョンの中に侵入してくる者の気配を察知していた。いや、正確には"使い魔"の魔力を感知したというほうが正しい。
何故ならば前回ダンジョンに挑み、そして送り返される直前に付与されたサラの"猫化"は状態異常ではなく、使い魔の猫の魔族の憑依だからである。そもそもメルリアには永続させる強力な状態異常を付与することは出来ないことはないが相応の準備が必要だ。
そしてサラに憑依している使い魔を通じて、ここに近付いてくることはもちろん、街にいる間のサラの行動を把握し尽くすことは容易なこと。
サラ・クラウン。名前はもちろんしっかり把握した。
元は少女でなく大人の男の冒険者であったこと、学園とやらに通いながら解呪の術を学んでいること、そしてそれを目的とした一度目のメルリアのダンジョン来訪であったこと。
性事情や、猫化に伴ってミレー族と間違われた被害の数々も、全部筒抜けだ。
「おっ、きたきた~♪サラにゃん、おかえりっ♪
今日はどんな御用かな?かな?」
黒色の霧が集まりサラの目前に立ちはだかる淫魔。ただしそれは実態ではなく、幻影。とっさに攻撃を加えたとしてもそれはただすり抜けるだけの結果に終わるだろう。
あなたのことをただ誂うためだけに現れたそれは、あなたニヤケ顔でわかりきった問いを投げかける。
■サラ > 「うわ、いる……」
淫魔の幻影が目の前に現れて、とっさに後方に飛び退る。
彼女を求めにダンジョンに再訪したはずなのに、いざ現れると
行われた狼藉の数々を思い出してげんなりした表情になってしまう。
「言わにゃ……なくてもわかってるだろ……
オレにくっついてるこいつを取ってもらいに来たんだよ」
幻に向けて、剣を抜いて突きつける。
今は帽子や衣服で隠すことができているが、かわいらしい猫の耳や尻尾が生えてしまっている。
もちろん、そう告げたところでバカ正直に解いてくれるはずもないだろうが……
■メルリア > .
「『うわ』ってなんだよ~?せっかく歓迎してあげたし、情報もあげようと思ったのにさ。
それに、ソレ、すっごく似合ってるのに。」
わざとらしく俯いて地面を蹴る仕草をして見せる。
次の瞬間、目前の淫魔は黒い靄となって消えて、次の瞬間にはサラの背後に。依然として全くの気配を感じられないことや、背後から腕を回してあなたの肩や猫耳に触れているのに感触がないことから、それが幻影だと察知するには十分な材料かもしれない。
「とゆーことでグッドニュースとバッドニュースでーすっ。
まずはグッドニュース。サラにゃんのそれ、実は私の能力じゃありませ~ん。ただ"取り憑かれている"だけ。街の中で解呪とか色々調べてたみたいだけど、残念ながらあたるべきはピュリファイアーだったね?
で、次はバッドニュースっ。コレ教えちゃったからには、サラにゃんを返すことはできませ~ん♪」
つらつらと述べた次の瞬間、サラの背後の石壁が轟音を立てながらと崩れ、退路を塞ぐ。
「じゃ、脱出頑張ってね~♪」
そうしてメルリアは再び黒い靄となって消えていく。いや、黒い靄となってあなたの持ち物の中に"侵食"した。
帰還のための転移のスクロールを所持していることは把握済み。メルリアは幻影投射の魔力をそのまま転用して、その転移のスクロールを侵食して"巨乳化のスクロール"に変化させた。
そうしてあなたを奥へ──未だ岩雪崩の轟音が反響し不気味な音の響く奥へと進む選択肢以外を奪うことにする。
■サラ > 「なんだって……?」
メルリアの言葉の真偽を確かめるひまもなく、状況が変わってしまう。
背後で瓦礫が落ちる音。あっという間に閉じ込められてしまった。
「くそ……オレなんかのために随分と盛大な歓迎をしてくれるじゃねーか。
そんなに気に入ったのか?」
本人は皮肉のつもりで言っているのだが、実は本当にそうだったりするのかもしれない。
「今度はあのときみたいには行かないからな……」
帰還用のアイテムや状態異常対策のアイテムなども取り揃えてはきた。
そのうちの一つがすでに変化させられてしまっていることに気づかないまま、
選択の余地なくダンジョンの奥へと歩を進めていく……
■メルリア > .
呟くサラの声に返事はないが、声はしっかりと淫魔に届いている。どこかで確実にあなたの動作や言動一つ一つを観察して、嘲笑っている。
奥へ進むと、一本道だった通路は分かれ道に差し掛かる。分かれ道の壁には石板があり、
『第一階層:迷宮
半刻以内に脱出出来ぬものに呪を課す』
との記述。
そんなシンプルな説明文から分かる通り、この階層は迷路。分かれ道の先に分かれ道、と続くだけで、魔物もいない単純な迷路だ。
そしてその分かれ道を進んだ瞬間、サラの頭の中には不思議と情報が流れ込む。それは数字の羅列。それが徐々に減っていくことからそれがタイムリミットであることを示している。
■サラ > 「なんだ……呪……?」
何かが自分の中でカウントダウンしはじめたのがわかる。
姿を見せないが、自分を弄ぶメルリアの気配を感じて、背筋に嫌なものが走る。
しかし、愚直に迷路を進む以外の選択肢はない。
魔物も罠もない迷路に苦戦する要素はないが、
カウントダウンに焦る気持ちと、メルリアが仕掛けてくるに違いない陰湿な仕掛けへの警戒が
進行速度を落とさせてしまうだろう。
■メルリア > .
迷路は決して難しいものではない。特に冒険者として活動してきたサラならば通ってきた道の記憶などは容易いだろう。
が、もちろんそうは問屋が卸さないのが狡猾な淫魔。
現状、見え見えの罠の存在は見えないが、そうして視線を下ろしていならば、そこを突然横切る小さな影。
『チュー!チュー!』
甲高い鳴き声を上げながら走っていくのはただの魔物ですら無いただのネズミ。
シチュエーション的に驚く事はあるかもしれないが、正常な人間ならばそれまで。
しかし、今のあなたは猫化しており、素早く動くもの…それもネズミを目にしたならば狩猟本能が擽られて、それを追わずにはいられなくなるだろう。
■サラ > 「なんだよ……なにもないのか?
虚仮威しか……?」
しばらく探索を続けて、罠の気配すらないことに拍子抜けした様子で
進行速度を上げようとした矢先に、視界に飛び込んでくるものがあった。
「にゃっ……!」
ネズミを目にして、猫としての狩猟本能がにわかに抑えきれなくなる。
思考よりも速い速度で、身体が反応する。
気がつけばサラは四つん這いになって、逃げ去っていくネズミを
追いかけ始めてしまう。
■メルリア > .
『チュー!』
ネズミは蛇行をしてサラの手を的確に避ける。そうして10秒程度の追いかけっこが続いたあとに、ネズミはあなたの通れない小さな穴に潜り込んで姿が見えなくなってしまった。
そうなれば擽られ続けていた狩猟本能から我に返る時が来るが…果たして夢中に追いかけていた間の道を覚えているかどうか。
ここから見覚えのある場所を求めて引き返すか、一か八かで奥に進むかは自由だが、いずれにしても突然猫になりきって走り出したあなたの姿を見ていた淫魔がくすくすと笑う声が迷路に響いた。
■サラ > 「あっ……」
我に帰る。いくら警戒しても無駄だった。
こんなネズミは罠とすら呼べない代物だったから。
四つん這いになるのをやめて見渡せば、もうどこにいるのかわからない。
「ま、まだだ、まだ、元の道まで戻れれば……」
屈辱にわなわなと震えながらも、なんとか冷静さを取り戻して引き返そうとする。
そうしている間も刻々とカウントダウンは進む……
■メルリア > .
引き返した先では、幸い見覚えのある道まで戻ることができる。T字路のその道は、猫の耳によって鋭敏化しているその聴力によって風の音を感じ取れる事ができるかもしれない。
カウントダウンは残り半分。しかし目的地が近いかもしれない風の音から現状では余裕がある…のかも。
そうして正しい分かれ道に進んだ先に、更に三叉の分かれ道。今度は風の音ははっきりと聞こえ、ゴールの方向を確信することができるだろう。
が、それをやはり妨害するのがここの手口。
『チュー!!』
ゴールの方向から別の方向へと駆け抜けていくネズミ。その先の道は、ただハズレなだけではなく、見え見えの桃色の魔法陣が2つも。
二度目の狩猟本能による誘惑に耐えられるかどうかはサラ次第。
■サラ > 「うわっ、またっ……」
再び現れるネズミに、またしても四つん這いの猫モードになってしまう。
そうしてゴールの反対方向まで追いかけ……かけたところで、目の前の魔法陣に気づく。
さすがにそれを目にして、狩猟本能よりも警戒心のほうが勝ったようだ。
正気を取り戻し、立ち止まる。
「はあっはあっ、こんな手に何度もかかると思うなよ……!」
ひっかかりかけていたが、それはともかく
ネズミを背にし、ゴールがあるはずの方向へと駆け出すだろう。
ご案内:「無名遺跡の一角(待ち合わせ)」からメルリアさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡の一角(待ち合わせ)」からサラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にアンヘルさんが現れました。
■アンヘル > 無名遺跡内を供を連れず、散策する。
アンヘルにとってここは宝の山とも言える場所である。
モンスターは上手くやれば素材が手に入るし、時には傷ついた冒険者を見かけることすらある。
普通に手を貸すだけでも今後の糧になるが、より深い傷を負っていた場合は身体で払ってもらう。
なにせ相手は今死ぬかどうかの瀬戸際。
交渉する余裕など始めからないのだから。
「今日も良い事があるといいけどな。」
鼻歌を歌っていると、広めの部屋に辿り着く。
魔法で樹の根を呼び出すと、椅子代わりにして一息。