2024/12/30 のログ
■オズワルド > 「わわわ、わかりましたぁー!」
スッ転んだ姿勢から、体を起こす。一瞬だけ視線がうろついたが、穴の方から聞こえて来た足音に、何かを探すことをあきらめて。
転がるように穴の下から脱出し、明かりの方へ。ほとんど四つん這いに近い姿勢で明かりの範囲に転がり込み――その背後から伝わってきた、爆発的な熱量。
「アッツゥイ!」
思わず声を上げてしまいながら、ヘルプしてくれたエッチな格好の人の隣で何とか立ち上がり、振り返って熱源の方へ視線を向ける。
危ないと逃げる、その発言に、コクコクコクと無言で何度もうなずいて了承を示す。いやだって、追ってきた連中がやばいのは理解しているので――
「アッ一応風の魔法とか使えるんで完全足手まといではないんですけど指示に従うんで――」
言ってる間に、炎の中で、バチバチバチ、と何かを焼く音が響く。ふと、ゆらりと炎の中で揺らめく影。
キィエラァァァァァァ!
奇怪な咆哮と共に、一匹の獣が炎の中から飛び出した。ナイフで仕留められたモノと比べて、おおよそ倍のサイズ。
ただし、その口は通常の獣とは違う、人の手くらいは丸のみ出来そうなサイズの円の形に広がり、中には噛んだものを押しつぶす乱杭歯。
黒い毛皮に炎を帯びながらも、二人の方めがけて突き進んでくる――!
■エスト > 素直に言う事を聞いたことに内心、よろしいと思いながら巣焼き用の道具を投げ込む。
もし少年が戸惑って逃げるのが遅れていたとしても投げ込んでいたのだが。
穴の中で盛大に炎が燃え上がるのを目にし、これで終わってくれればいいのだけどと隣で立ち上がる少年を一目見て穴に視線を戻し。
「これで全部燃えてくれたらいいけど。風の魔法は遺跡の中だとね……。あ、どれぐらい数はいた?」
少年の使える魔法を聞き、これが火ならば迷わずに追い打ちを頼んだが、風なら経たに使ってもらえば火の勢いが増して自分たちもまかれる危険を考えるとおいそれと頼めず。
穴の中で燃える音に大丈夫だろうかと肩の力を抜きそうになったところに聞こえる咆哮。
そして飛び出してきたのは魔物の親玉なのか倍近いサイズの個体。
「これは…手持ちじゃ無理かな」
この大きさなら手持ちの武器ではどうにもできないと直ぐに判断。
一瞬だけ少年に目を向けて。
「風の魔法をあれに全力で。それで逃げるよ。
貴重品がないならカバンも諦めたほうがいいかも」
少年にそう告げては、放って!と魔法を放つことを命じ、少年がそれに従い風の魔法を放ち、魔物動きが一瞬でも鈍れば、少年の手を掴んで上の階層に向かう通路へと駆け始める。
■オズワルド > 「とりあえず追ってきたのは6匹と、なんかデカイのが1匹。後巣穴っぽいのに同じかちょい多いくらいの数、ちいさいのが――」
よもやまとめて野焼きにされるとは思っていないため、もはやえっちな格好の人には感謝しかない。
ひとまず自分が目撃した情報を共有しながら、いつでも走り出せるように立ち方を調整。
魔力だけはスタッフに集めて、いつでも打てるように意識を集中し――
「あっ、やっぱでかい奴も追ってきてたぁ!?
了解ブッパして逃げまァす!
エアストライクッ!」
デカブツ相手の判断を、全力支持。集めて置いた魔力で周囲の空気を引き寄せて風の球体を作り出し、迫りくるボス格獣に向けて射出。
目標に向かって衝突すれば、爆発的な勢いで風を叩きつけるという魔法なのだが――こんな狭い場所で、火の気のあるところで使えば、当然のように火の舌が通路を舐めていく――暴風で、ボス格が再び火の中に突き飛ばされたのは幸運だろうか。
ともあれ、目的通り敵はひるんだ。えっちな服の女の人に手を引かれるがまま、全力で駆けだして。
「カバンの中はちょっと今回の収穫物だから落としたくないけど、命にはッ。命には代えられないッ…!さらば今回の儲け、或いは先輩らとのカードの負け分に充てるはずだった一財産…!」
涙ながらに、自分の魔法のせいで火がついたカバンを捨てて、通路を駆ける。
「あと、あいつら嗅覚で追いかけてきてるみたいなんで匂いが強いものでごまかしとか聞くかもですって足早いですねっ。」
冒険者としてはまだ駆け出しの上に学生の身の上。本職の冒険者とは身体能力にまだ差がある。若干遅れがちではあるが、荷物を捨てたおかげでどうにかこうにか、追いすがる速度で駆け抜ける。
■エスト > 「ちょっと数が多いね、それ」
少年の言葉に巣は結構な範囲で広がっていると考え、しかも数が多いので一度引きあげるしかないと。
小さいのはともかく、あの大きいのは手持ちではどうにもできない。
ならば怪我をする前に引き上げるのが最善策であり。
「火力が足りないみたい。急いで」
火傷はしているだろうが動ける大型に目を向け。
少年が文句も言わずに風の魔法を打ち出し、それに魔物は再び火の中へ。
副産物で火の勢いが強まりはしたが逃げて、次に来るときには消えているだろうと。
兎も角、それらは今はいいと少年と共に走り。
「死んだらそれまでだから。今回は諦めて」
一度駆け出せば後は逃げの一手。
カバンを捨て付いてくる少年を一目だけ見れば、真っ直ぐに来た通路を駆け。
「形的に獣みたいだしね。匂いが強いもの……持ってる?
これぐらいできないと、冒険者はできないよ」
依頼に出るにあたり、必要でなければ匂いがきついものは先ず持たない。
その匂いで予定外のモノを引き寄せる可能性があるから。
少年に持っているかと尋ねながらも駆ける脚は止まらず。
そうして振り切らないように注意しながら先を走り先導し、
「この先、狭いよ」
それを少年に告げては半倒壊した通路、邪魔な瓦礫を乗り越え。
少年が続きそれを乗り越えたのを確認してはあるものを思い出し。
そしてそれ、ランタン用の油をあるだけぶちまけ匂い消しに使い。
こっちだよと細い通路、上に戻る道に少年を連れて向かって。
■オズワルド > 「逆に風魔法で臭い消しはできるんで今走りながら使用中ですっ。一回撒けたんで有効だと思いますっ。」
全力疾走中での魔法行使は、それこそ学校の強化訓練でしかやってない。一応できるけど、できるけども!即時完全消臭はちょっと無理!
二人の体の周囲をそよ風が吹いて、少しずつ少しずつ、匂いが落とされていく。
「冒険者、思った以上に、走り仕事。字余り。」
魔法を使ったり全力疾走したりしても、無駄口叩けるくらいの元気はあった。
狭いよ、と言われれば、最悪スタッフすらも捨てることになるかと一瞬絶望したものの、棒くらいは通す余裕があった。
先にスタッフを通した後に、瓦礫を乗り越え転がるようにまた走り出し――
「油…足止めです?」
転ぶ奴? 臭い消しへの利用とまでは判断が追い付かない駆け出し冒険者。
今はともかく、臭い消しの魔法を継続したまま、先輩えっちな服冒険者さんの後を追いかけて――
あっこの服後ろから見るとお尻がちゃんと隠れてて見えないッ。
新たな気付きに、思わず表情がきりっと引き締まった。
■エスト > 「それなら……それを早く言って欲しいよね」
どうやら少年が既に魔法で臭い消しを使っていると聞けば、おそらくは大丈夫だろうと考える。
それでもできる限る距離は取っておかないと何かで再び見つかっても困るからと。
「走るっていうより、体力がないとね」
すぐに疲れるようではとても遠征などはできない。
なので全力でそれなりに走れる程度の体力は必要だと説明し。
強引にすればあの魔物も通れるかもしれない崩れた通路を抜けて更に走って距離を開け。
「知らない?ランタンの油って臭いがきついんだよ」
この匂いで自分たちの匂いは完全に消えるはずと告げては、空になった容器は破棄。
そうして遺跡の出口へ、上へと進んでいき。
「もう追いついてこないだろうけど……結構余裕あるね」
あと少しで遺跡から出れる、と言う所で足を止めて少年を振り替えし。
暗に視線に気が付いていたことを告げて。
■オズワルド > 「オレの口は一つしかないんで、言えることは限られているんです。悲しいですねっ。」
早口言葉は苦手だと暗に自白しながら、走って、走って、走る。
うえっほ、と途中で深呼吸のなりそこないなんかもしながら、だが。何とか走り続けてついては行けているあたり、及第点くらいは貰えるだろうか?
「ああ、そういえばそうでしたね。最近魔法頼りッぱで使ってなかったからすっかり忘れてましたっ。
えーっと、それなら油のにおいを除去して消して。」
ぶつぶつ言いながら使い続ける消臭魔法。一度ふわりと優しく風が吹けば、これで完全に、匂いが一度消え去った。しばらくの間は、周囲のモノの香りもうつらぬ風の結界が二人の周囲に張られることになり。
「これでひとまず、しばらくは臭い消えた状態になるんで――
ふっ、このオズワルド。エロにかける情熱は人一倍。今回はえっちな先輩冒険者のお陰でずっと元気でしたよ――!」
どや顔で親指を立てるサムズアップ。どうやら、ついてこれたのはエロの力が大きかった様子で、その証拠に、振り向いたえっちな先輩冒険者さんの体のラインとか露骨に見ている。じっ…!
「って見てる場合じゃなかった。まだ離れた方が良さそうですよね?」
■エスト > 「……大事な事は先に言ってね?」
確かにその通りではあるが、そういう必要なことは先にと言い。
多少速度を合わせているとはいえ、このペースで走れるなら上々かなと。
「魔法だけに頼るといざって時に困るよ」
魔法は便利ではあるが使えないときも想定しないといけないとくぎを刺し。
少年がランタンの油のにおいも消してしまい、吹いた風を感じては自分のにおいを一度確認し。
「それなら直ぐには来ないかな。
誰がえっちなのかな?置いて行ってもいいんだけど」
どや顔でそんなことを告げられると、呆れた顔になって置いていくと宣言し。
その露骨な視線に恥ずかしそうに身をよじって、
「一気にここを出るよ。そうしないと危険だし」
後どれだけいるか正確な数が判らないなら、早く出てしまわないと危ないから。
そう告げては走りはしないが歩き出して。
■オズワルド > ひとまず、先輩冒険者からのありがたいアドバイスは、脳の中にしまい込んだ。
「ウッス。了解です先輩。 大事なコト大事なコト…連中のいた洞窟は、遺跡からけっこ近かったけど、北西の方にあった感じですね。こっちの出口の方角はどっちの方でしょ。」
一端速度が落ちれば、話をする余裕も戻ってきた。すー、はーと呼吸を繰り返しながら、歩き出す先輩冒険者を追いかける形に。
「後、あんまり離れると魔法切れるんでできればおいてかないでください先輩。具体的には15mくらいが効果範囲です。」
大事なコト、その2。一つしかないお口くん、呼吸も出来るしただいま大活躍中。
「しかし…くっ、恥じらう先輩可愛い。ずっと見ていたいけどそうしたらおいていかれそうなジレンマ。
とりあえず、えっちな先輩って呼ばなくていいように、名前教えてもらっていいですか。自分はさっきも言いましたがオズワルドです。」
少なくとも窮地は脱したと判断すれば、口の方は軽快に動き出す。時折、きょろ、と周囲を警戒する目線を巡らせつつ、先輩冒険者から離れないように足を進め。
■エスト > 「あの穴、別の洞窟に繋がってたんだ?そうなると…他につながってる穴もありそう。
この遺跡の出口は南だよ」
少年の連中の居た洞窟と聞けば、その洞窟と遺跡がどこかで繋がっている可能性を考え。
思っていたよりも大きなグループなら一度報告を上げる方がいいと考えて。
「それぐらいの距離なら、そうそう離れないよね?」
15mもあれば大丈夫、少年が遅れなければだが…それは言わずに後少しで出れると言って歩き。
「本気で置いて行ってもいい?
エスト、名前はエストだから。あと少しで出れるからね」
周囲を警戒しながらついてくる少年に気を配りながら歩いていけば、やがて前方に明かりが見え。
あそこまでたどり着けば遺跡の外、予想外のことが起きただけに無事に出れることに安どの息を吐いて。
■オズワルド > 「そうなりますねー。 脳内マッピングはしてあるんで後で何かに書き出して報告かな。
南…ってことはオレがこっちまで来たルートにすぐ出れそうで助かります。隠しといた荷物は回収できる…。」
ふー、と細く長く吐き出す吐息。カバンの中身はなくしたが、何もかもなくなったわけではないことには安堵が強い。特に、帰りの食糧とか酒とかそういうの。
「ふっ…おれみたいなスケベ男には近づきたくないって言われることが多いので、魔法改造して範囲を広げました。」
どや顔で自慢話をする道中。斜め後ろを追いかける形で歩いているから、おそらくどや顔を見られることはないだろうけれど。
「あっあっ、勘弁してくださいエスト先輩。
あー、頼りになる先輩に助けられてオレは幸せ者だなー。お礼に酒の一盃もおごらせてもらえませんかねー。」
でかい声は出せないので、代わりに抑揚たっぷりに。どこかひょうきんにも聞こえる調子でのたまって。
前方に見えて来た、外の明かりにほっと息をついた、直後。
キィエラァァァァァァーーーー……、
遠く離れた場所から、咆哮が響く。
すでに出口が近い場所からは遠く離れた場所。しかしそれだけの距離を隔てても聞こえたのは、それだけの怒りを覚えているということだろう。
「…しばらく、この遺跡には近づきたくないですね。オレ、討伐隊入れるほどの実力ないんで。」
■エスト > 「そういうのをきっちり報告するだけでも報酬は貰えるからしっかりね?
そっか、荷物が配収しやすいならよかったね」
少年がどんなルートで来たかはわからないが、来た道に近い様子によかったねと返し。
遺跡を出たら近くのギルドに向かう最短ルートを考え。
「それ……そっちを直すべきだと思うよ」
それで魔法を改造するのはある意味すごいが、まずそれを直すべきだとあきれ。
雰囲気的に絶対に威張っているというのを感じて。
「本当に調子がいいね?
まあ……奢られるのは嬉しいけど」
本当に調子がいい言葉に息を吐くも、無事に出てたという安ど感もありまあいいかと。
そして遺跡を出れば遠くから聞こえる先ほどの咆哮。
無事に振り切れたと、今は戻りたくないなという考えが入り混じり。
「それは私も……じゃ、私は行くよ、オズワルド君。
ちゃんと帰るんだよ」
急ぎ報告することもできたしね、とそう告げては少年に寄り道をしないようにと告げては歩き出して。
■オズワルド > 「色々教えてくれるエスト先輩優しい。これはもう天使では?」
その天使をエロい目で見た人は私です。
肩とか細いなー。後脇エロいなあ…。ついついスケベな目で見てしまう癖は治らないので――
「オレのドスケベを矯正するのは正直無理かなって。」
どやぁ…。雰囲気、変わらず。呆れられても治らない、どころか勝ち誇るドスケベ。
「よっし、OKもらえた。連絡先教えてくださいよ、先輩。マジで奢るんで。
良い感じの酒場知ってるんで…ツケ効かないからちゃんと金も貯めておきますから。」
少しでもOKがでればするっとのっかる調子のよさ。まさに調子がいい男。
獣の咆哮が聞こえても、その調子のよさばっかりは変わらぬ様子で。
「了解です。荷物だけ回収したら、ぱぱっと帰ります。
先輩もお気をつけて。ちゃんと飲み行きましょうね、約束ですよー。」
ともあれ窮地は切り抜けた。
また今度の約束が出来るのを嬉しく思いながら、いったんは先輩を見送る形になって。
こちらもまた、荷物の隠し場所めがけて小走りに歩き出す。さあて、帰って報告して、多少なりとも稼ぎを補填する利益を得るとしようか――。
ご案内:「無名遺跡」からオズワルドさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からエストさんが去りました。