2024/11/07 のログ
ご案内:「無名遺跡」にラヴィニアさんが現れました。
■ラヴィニア > とある無名遺跡の中層、だと思われる階層。
自然の洞窟をそのまま迷宮化させたようなダンジョン。
人工的な要素のあるダンジョンと違い通路や部屋を明るく照らすものは何もない。
なぜこんな場所に
自分の領域でもない無名遺跡に。
なぜこんな装備で
新品のシャツとズボンとショートソードとバックラーと皮の胸当て装備で
ダンジョンの真っ暗闇の中で一人ぽつんと立っているのか。
自分でも大変理解し難いのだが、現状を招いたのは人間の善意であった。
平民地区にある冒険者ギルドにお邪魔した際に、
いつも通りギルドの内装や受付嬢の顔を見て、
王都に来た理由を何とか思い出そうとうろうろしていたところ、
ある冒険者のパーティーに捉まりみすぼらしい服装が悪かったのか、対話を試みる前に勝手に境遇を妄想され、
勝手にパーティー申請をされ、反論をする前に今着ている装備を着せられ、
初心者用の迷宮に連れてこられて、テレポーターの罠に引っ掛かり、
――…現状に至る。
行き成り4~5人に囲まれては慌てるのは無理もない、筈。
何か色々と詰められて否定と肯定をして対話を試みているつもりが、
きがつくと、こんな状況なのだ。
どうしよう?
明かりになりそうな物はここに飛ばされた際にロストした。
幸いなことに自分は魔物なので暗闇の中を見通すことができるので、行動に支障はない。
ただ海より離れた場所過ぎて鼻が利かないし、
テレポートのおかげで出口の方向もわからない。
どうしよう?
押し付けられたとも言える貰ったばかりのショートソードを文字通り齧り、
鋼鉄の刃を鋭い歯で噛み砕き咀嚼しながら、考える。
■ラヴィニア > こうして本来なら迷宮のコアである魔物の冒険が始まる。
海水がなく本気が出せないというハンデは決して小さくない。
もし海水がコップ一杯でもあれば、この矮小な姿を捨てて本来の力の半分でも出すのに、と。
闇の中を歩きだす。
ショートソードを美味しそうに齧り、貪り食いながら。
幸い食糧には事欠きそうにもなく。
ご案内:「無名遺跡」からラヴィニアさんが去りました。