2024/08/24 のログ
ご案内:「無名遺跡」からシアンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にシアンさんが現れました。
■シアン > 「見つけちゃったよ……」
冒険者ギルドからの指名依頼。
『行方不明になった新米の捜索』
無名遺跡を根城とする魔物商人たちからのお願い。
『料金を踏み倒して逃げていった冒険者の探索』
どちらも遺品が見つかれば上出来。
ぐらいのつもりで遺跡へと踏み入り2日後の事。
「どうすっかなこれ……」
無名遺跡中層階。天蓋には、青い空と白い雲が映り込み、周りには、王国の歓楽街にも似た然し無人の町並み。其処へと、迷宮内にて発見した、蜘蛛の糸で真ん丸に梱包された“探しもの”を二つ手掴みで引き摺ってきてそこらに転がしながら近くにあったベンチへと腰と尻とをどっかり落としては足を組んで嘆息する。まさか、二人共見つかるだなんて思わなかった。
「一応。息は。くそが。面倒臭ぇ。あるわ」
何方とも顔だけぽんと飛び出て両方とも白目を向いて気絶しているが息はある。
死んでくれてれば放っておいて報告だけで済んだのだが……
生きているなら、持って帰らなければならない。
人一人抱えてここから上層まで向かうのも骨だというのに人二人はかなりの手間だ。
どうしよう。と、頭も抱えたくなるというものだ。
■シアン > ここから出入口までの、罠……は、位置を把握してあるから問題ないとして、襲いくる魔物も気を付けていれば多少はやり過ごす事が出来るにしてもかなりの七面倒臭さ。加えて、二人共、蜘蛛型魔物の巣から盗んできた形になるから今頃盗まれた側はそれはもう髪があるなら怒髪天状態であることに間違いない、故に、匂いか何がしかでこの二人を探し出して自分にも襲い掛かってくるのもまず間違いない。
「ん~~~~~」
見捨てちまおうか?
「ん~~~~~」
いやデブの不義理の方はそれで良いとして新米は可哀想だな?
「………………」
あれこれと悩み時には誘惑に首を傾げては何度も溜息が零れ出る。
得物の鉄杖はいつでも手に取れるよう側にと立てかけておいて……
懐から一服、兼匂い消しがてらに香草を含んだ煙草を出して咥える。
マッチを一擦りしてから起った火を煙草に移して、唇を窄め、吸い、もう一度吸って肺まで取り込んでから吐く。もく、と濃い紫煙とともにようく発酵した紅茶葉にも近い香りに包まれながら首を傾げる。
「こんなこったらパーティ組、いや、つか、こんな事態になるとか思わんわ」
捜索依頼というのは見つからないのが常だ。
二人探して二人見つかるなんて運が良い、いや、運が悪いにも程がある。
恨み言も愚痴も溜息も何度だって溢れる。