2024/02/13 のログ
ご案内:「無名遺跡」からミラさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にサウロさんが現れました。
サウロ > (無名遺跡のさらに地下深くの階層。
 ここまで訪れる冒険者はよほどの実力や経験があるのだろうと思える魔物の強さ。
 意思を持たず本能のままに徘徊する魔物を切り伏せては、行方知れずになった冒険者を探す。
 当人が見つかればよし。生きていればなおよし。
 大概が卑猥なトラップによって尊厳や人格を破壊されて苗床にされている確率の方が圧倒的に高い。
 遺品となる武器防具よりは、冒険者の証明となるギルドカードやタグなどがあれば、回収して周囲を捜索する、を繰り返す。)

「もっと深い階層に運ばれていった可能性のほうが高いか」

(知恵のある魔物、魔族、そう言ったものが男は殺し、女はかどわかす。
 生命の原点というべきか、やはり本能的な原理で動いているのだろう。
 更に下の階層に続く階段を下りながら、薄暗くかび臭い空気の中で、
 壁に等間隔で並ぶウォールランプの明かりの中、一体この遺跡はいつ頃からあって、
 どのような歴史を刻んできたのかと、金髪碧眼の青年騎士はそんなことを考えていた。)

ご案内:「無名遺跡」にメアリさんが現れました。
メアリ > 無名遺跡の地下深く、男が下の階層へ続く階段を下りながら思考を巡らせているとき。
背後の空気が揺らぎ、そこに男の背中を貫くような殺気が突如として現れる。
瞬間的に現れたと錯覚してもおかしくないその存在は、殺気と気配を表すのと同時に
強い力で男の背中の中心へと向けて蹴りを打ち込もうとし、まだ続いているであろう長い階段の
下のフロアに向けて落そうとする意志を持っている――

サウロ > 「────ッ」

(首筋に刃を当てられるような、瞬間的な死を思わせる殺気。
 先ほどまで物音も気配一つしなかった背後からの気配に両眼を見開くと同時に、
 背中にかけている盾へ、力強い衝撃が駆け抜けていく。
 ほぼ反射で避ける、という身軽な芸当は出来なかっただろう。
 鎧を貫通することはなかったが、後ろから思い切りの良い衝撃で浮いた体が踏ん張る為の足場は不安定。
 階段をあわや転落していくしかない──ガシャンッ、ガチャ、ガンッ、と金属質な音が転げ落ちていくその途中で、止まる。
 反射的に伸ばした手すりを掴めたのは僥倖だったか。
 長い階段の一番下まで転落することはなかったが、十数段は落ちただろう。
 頭をぶつけなかったことだけが幸いだった。)

「……ッ、弾丸(バル)!」

(単独詠唱、魔力を弾丸のように放つ基礎魔術。
 自分を蹴飛ばした殺気を持つ主の追撃を牽制するための魔力弾が数発階段の上へと放たれる。
 それが当たるか当たらないかは重要ではなく、敵性を視認し、体勢を立て直すためのものだ。)

メアリ > 転げ落ちる男の背中を見下ろしながらにやりと笑みを浮かべては、最後まで落ちることなく途中で
持ちこたえた男の傍まで階段を下りてゆく。
早急に距離を詰めるのではなく、至って普通に階段を下りてゆくような、ゆったりとした余裕のある足取り。

ランプの淡い光に照らされた女のその姿形は至って普通の人間と変わらないが、女から感じる魔力は異質な
もので、女自身の魔力と言うよりは不安定に揺らいでいる魔力が女の身体にねっとりと纏わりついて
いるかのような印象を与えるだろう。
もし男が魔力の存在や流れを機敏に感じられるくらい察しの良い者であれば、その魔力の根源は
女自身ではなく、右手に握られた剣であると推測できる。

剣は長い間手入れがされていなかった様にところどころ錆びついており、一見強い衝撃を与えれば容易に
砕けてしまうのではと思えるほどに脆そうなもので――

――そこにけん制の如く魔力弾が女めがけて飛んでくれば、狭い階段内でふらりひらりと半身で躱しては
また階段を下りて距離をつめるのだけど、今度は残り数段を一気に飛び降り
男の目前、暗がりでよく見えないような狭い階段の僅かな幅にバランスを崩すことなく片足で身軽に
着地すると、下りてきた勢いを片足に乗せて体制を立て直そうと図る男の胸元へ蹴りを入れた。
今度は確実に下のフロアへ突き落そうと、そんな意志を込めて

サウロ > (青年は生粋の魔術師ではなく、多少齧った程度の知識しかない。
 ここに相棒たる魔法剣士がいれば一目で襲撃者の状況を見抜けただろう。
 見上げた先にいるのは妙齢の女性だった。
 銀の髪に、妖しく笑う口元、青い瞳の美しい顔立ちに加えて、纏う軽装は女性らしい凹凸を見せている。
 肉感的な柔らかさを示すような白い地肌もさながら、街を歩いていれば誰もが目を留めてしまうだろう。
 なので一瞬、魔族か、と考えた。
 が、様子がおかしいことに気付いたのは、その右手に握られた不釣り合いな剣。)

「呪われた装備か…? っ、!」

(言葉を発することなく、また過去にそうした呪われた装備に意識を乗っ取られた者を見た過去がある。
 だとすれば、女性は被害者かもしれない。
 魔力弾を避けて階段を降り詰める女性が跳躍し、危うげなく着地し、その重力と体重も含めて再び蹴り飛ばそうとする足を、
 手甲をつけた腕を前にして防ぐ。
 これが後衛職などであれば、彼女の──あるいは彼女を操る魔剣の思うままになっただろう。
 が、それこそ怪力を誇る魔物の重い一撃すら受け止める盾役としての胆力と筋力を持っている。)

「っぐ、……失礼、手荒くなるぞ!」

(手すりを掴む手に力を込めて耐久し、蹴り落とそうとした彼女の足を掴んで、バランスを乱そうと。
 彼女の体が崩れるならば、その隙に右手首を掴んで捻りながら足から離した手で肩を押し、
 彼女の身体を反転させ、後ろ手に関節を押さえつけて階段にうつ伏せに倒すという、
 犯罪者を無手で制する時の一連の流れを、その場で行おうと。
 その際に剣を手放すか、あるいは手放さないのであれば、片足を上げて階段の段差でてこの原理のように、叩き折ろうと試みる。

 ──もし足を掴むこと自体に失敗するなら、彼女の起こすアクション次第で今度こそ下のフロアまで転落していくだろう。
 その衝撃は大きく、暫くは身動きも取れなくなる筈だ。)
 

メアリ > 鞘に収まる左腰携えた剣があるにも関わらず、女はその錆びついた古めかしい剣を握っていて
更には剣を納める鞘らしきものは持っておらず裸で持ち歩いている状態。
男の認識通り、それは呪詛を帯びた魔剣であった――

男の身体に打ち込まれた蹴りは、女がもともと持ち合わせていた力も相まって相当な衝撃をその身体に
伝えるだろう。それこそ怪力な魔物と劣らず、むしろそれ以上の衝撃かもしれない。
だが流石盾役といったところ。普通の冒険者ならば抵抗する間もなく吹き飛んでしまうような打撃を
受け止められてしまえば、攻撃を受け止められた瞬間にわずかながらバランスを崩してしまう。

足を掴まれたことにより大きく崩れた重心、男の思うがままにその場に押さえつけられてしまう。
しかし後ろ手で関節を抑え込まれているにも関わらず、これまた魔物顔負けの馬鹿力で抵抗を見せ、暴れる女。
その手には手放すことのない剣がしっかりと握り込まれている。

男が剣を叩き割ろうと試みる前に、抑えられている状態のまま身体が仰向けになるように身を捻ると
自分ごと男を道連れに階段を転げ落ちて、剣への攻撃を回避しようと試みる。
そうなれば自身へのダメージも免れないが、本体である剣を守るためには捨て身もいとわないといったところで

サウロ > (関節を抑えつけても尚暴れるその膂力の強さを甘く見ていた。
 否、蹴りの衝撃を受けた時点で察するべきだったか。その力の強さを。
 バランスを崩させ、その場に押さえつけたが、階段という場から彼女に怪我を負わせることを、無意識に躊躇ったか。
 その錆びつく魔剣を踏み折ろうと足を上げたタイミングで身を翻した瞬間、
 押さえつけるには力が足りなかったのだろう、暴れ、身を翻した彼女から、
 身体ごと体当たりをされたのだろう。
 浮き上がる足が、踏ん張る為に後ろに引かれるより早く、あるいは階段という不安定な場所故に、
 踏み外した足は空を蹴って体が傾く。)

「しま、っ、────!」

(捨て身とも言えるような体当たりをした彼女の体を抱えて、頭を掌で抑える。
 そこからは転げ落ちていく二人分の身体が、下のフロアへと放り出されるだろう。
 全身に走る衝撃と痛み、頭もどこかで打ったのか、視界が明滅して意識が一瞬途切れていく。
 落ちていく直前に抱きかかえたとは言え、長い階段から共に転げ落ちた彼女にも少なからずダメージはあるだろうが。
 起き上がってその状態を確かめるには、気絶状態では難しかった。)

メアリ > 砂ぼこりを立てながら激しい音と共に雪崩れるように転げ落ちてゆき、身体は下のフロアへと投げ出される。
その途中捨て身に走ったのが仇となったか、落ちる途中で握っていた剣が運悪く手摺の隙間か欠けた壁の隙間
にでも引っかかり、手から抜けてしまって――

相当な衝撃ながらももとより人一倍頑丈な身体、更には男が身体を抱えてくれていたこともあり
衝撃で身体は痛むものの意識を手放す程ではない。

「……んん?」

剣を手放したために意識を取り戻す身体。地面に倒れてからしばらくして、のそりと起き上がりながら呆けた
声を出し、寝起きさながらのぼんやりとした眼で傍に倒れる男を見下ろした。
記憶は剣を見つけたところで途切れている為、どうしてここにいるのか、なぜこんなにも身体が痛むのか
そして横に倒れているこの男は一体誰なのか……
女はこの状況を一切飲み込めず内心混乱している。一度きょろきょろと周囲を見渡した後、男の顔を覗き込み
ながら頬をぺちぺちと軽く叩いて

「あの……大丈夫ですか?」

女の周りに先程の禍々しい魔力の気配はもうどこにもない。

サウロ > (夢から覚めるように意識を取り戻し、呪われた魔剣の制御下から解放された彼女の傍に倒れる身体はあちこち酷く痛む。
 どうやら魔剣に乗っ取られていた間の記憶がないらしい彼女に起こされ、意識が戻ってくる。
 整った顔立ちと、金の睫毛の下から覗く碧の双眸が、焦点を合わすように細められながら、
 数度瞬きをして、覗き込む彼女の顔を視界に入れた。
 そこには先ほどとは別人のような雰囲気を纏う表情があり、最悪の事態ではないことを理解して。)

「……、……う、っ…、…剣、は?」

(あの魔剣は何処へいったのか、壊れたのか。
 少なくとも殺気を感じられない彼女は理性が戻っていると判断し、痛みを堪えるように怜悧な眉を寄せて、周囲へ視線をやる。
 壊れたならいいが、遠くへ手放しただけなら、あれは壊さなければと。)

メアリ > 「剣……?」

目を覚ました男の碧眼と視線が交わう。
見ず知らずの相手とは言え、意識を手放していたようだから少しばかり心配していたのだけど
すぐに意識を取り戻した様子に安堵して。
剣は?と問う男の言葉に何のことかと首を傾げ、再び周辺をちらりと見るがそれらしいものはない。

剣の在処はここから数メートル離れた階段の上、先ほど女が押さえつけられていた場所から数段下のあたりに落ちているが、階段の足元は闇が深く現在地からでは目視は不可能だ。

痛みを堪える様子の男を見れば、男の上半身を抱き抱えて身体が辛くないようにゆっくりと起こし
片腕を背中に回して支えながら腰に提げていたポシェットを探る。
特殊な空間魔法が掛けられたそこから回復用のポーションが入った小瓶を取り出すと
栓を抜いてから男の口元へと運び

「回復のポーションです、飲めそうですか?」

一般的に販売されている至って普通の回復用ポーションで、小瓶の口からはふわりと薬草特融の匂いが香る

サウロ > (どうやら付近に一緒に落ちてきたわけではないようで、ほっと息を吐く。
 身体を起こすのに手を貸されて、なんとか上半身だけを起こして痛めた箇所に手を添える。
 不意に口元に寄せられた小瓶、そこから香るポーション特有の薬効の香り。
 自前のものも持ってはいるが、取り出すのにもまた苦労する。
 ここは甘えさせて貰おうと頷き、口元に寄せられたそれに口をつけた。
 傾けて貰えるなら、そのままポーションの中身を全部呷ろう。)

「…っはぁ…、…ありがとう。
 その様子だと、さっきのことは覚えていないようだが…」

(純粋に心配する彼女に礼を言いながら、ポーションで痛みが引くのを待ちつつ、
 階段のある方へと視線を向ける。
 闇が深い階段のふもと、その上のほうへと視線を向けてから、彼女へと視線を見つけ。)

「おそらく君は、どこかで少し錆びついた剣を見つけたんだろう。
 その剣はどうやら呪われた武具と呼ばれる類だ。
 それに体を操られた君と、そこの階段の上の方で、少し交戦することになってね。」

(事情を説明しながら、彼女の手首を見る。
 強く掴まれた痕があるはずだ。それに気付けば、手荒なことをした、と言って申し訳なさそうに軽く頭を下げる。)

メアリ > 付近に落ちてきていれば、それこそ魔剣の呪いに蝕まれ、再び剣を取り男に刃を向けていただろうが
距離が出来てしまったことが幸いして、今は一時的に呪縛から解放されている様子。

男が頷けば、ゆっくりと小瓶を傾けて中身を口の中へと流し込む。
飲み切った瓶をポシェットに戻して片付けながら、男の言葉には首を傾げる。

「さっきのこと?……すみません、何のことかさっぱりで。
先程まで迷って歩き回っていた筈なのですが、気が付いたらここに居て、傍にあなたが倒れていました。」

この異常な状況から何かあったのだろうと察し良く気が付くと、自分の今の状況を伝えてから続く言葉を待って

「……えぇ、確かに。迷っている途中にあなたの言うような剣は見つけましたが……
なるほど、そういう事だったのですね。ではやはり、あなたをこんな風にしてしまった原因も私ですか。
……すみません、何と言っていいのやら」

困った様に男を支えている手とは別の手で眉間を抑えて謝罪を口にするがすみませんの一言で収まるような状況でないのは明確。

「手荒?……いいえ、あなたにしてしまった事に比べたらどうってことありませんから、どうか気にしないでください。
それよりも、その、例の剣は?」

目覚めた時から感じていた身体の痛みはこの男と戦闘したが故のものなのだろうと解釈し
手首の痛みについて謝罪を受けると、首を横に振って気にしないでとお願いした。
そして周辺には見当たらない事の発端である剣は何処に行ったのだろうと、不思議に思えば尋ねてみて

サウロ > (彼女からの事情を聞けば、やはりと納得の表情を浮かべた。
 ある程度を伝えるだけで事態や状況を察したらしい様子にも頷きながら、
 困ったように眉間に手を当てながら詫びを入れる彼女に首を横に振る。
 魔剣を含めて、呪われた武具や装身具に身を乗っ取られてしまう事案は少なくない。
 魔力が侵蝕されているだけならまだ間に合うが、魂まで侵蝕されてしまえば完全に手遅れになるところだった。)

「ダンジョンでは危険と死は隣り合わせ堕。だからどうか気にせずに。
 君が無事に主導権を取り戻せたのなら、良かった。」

(そう告げて微笑を浮かべれば、いくらか回復した体力に力を入れて、身体を起こして立ち上がる。
 ポーチから自前のポーションを取り出して飲み干し、追加の回復をかけてから、彼女にも一本差し出して。
 先ほど貰った分のお返しと、同じように転落した彼女の体もダメージがあるだろうから、と。
 周囲に見当たらないとなれば階段の上かと視線を向けた。)

「もしかしたら、転落する時に手放したのかもしれない。
 ここからじゃ見えないが、近づくだけで、また体を乗っ取られるかもしれないな…。
 ひとまずは、安全地帯に移動しようと思うんだが」

(そのまま放置するわけにもいかないし、彼女が帰れなくなるのも困る。
 ダンジョン内にある転送装置を使えば入口まで無事に戻ることもできるかもしれないが、まずはそれを見つける必要もある。
 一旦離れて安全地帯で休息して、体力を完全に回復させてから今後の行動指針を決めた方がいいか、と判断した。
 もしまた魔剣に乗っ取られてしまった場合は、いくらか回復したとはいえ、
 負傷したままの身では手加減など出来ないし、されないだろう。
 最悪どちらかの死が想定される。それを避ける為だ。
 そのことについて彼女の考えを聞こうと、そちらへ顔を向けて「君はどうしたい?」と問いかけて。)

メアリ > 「……ありがとうございます。」

此方を気遣うような言葉を向けてくれる男の優しさを感じては、微笑みを浮かべて素直に礼を述べた。
自身の分のポーションを差し出してくれるのなら、厚意に甘えることにして、改めて礼をしてから
それを受け取って中身を飲み干した。
直ぐにポーションの効果は表れずとも、動き回るくらいの余裕はあるので、難なく立ち上がり
男が視線の先を目の前の階段の方に向けているのにつられて、己もまたそちらへと視線を向けた。

「……ッ」

その瞬間、ぞわりと体中に何かが這いずり回る嫌な感覚に襲われる。
意識を乗っ取られるほどではない。ただ確かに、先ほどまで己を蝕んでいた魔剣が、自身を呼びこちらへおいでと手招いている。その感覚に表情は強張り、冷や汗が垂れた。
あちらへ行ってはいけないと身体は分かっているのに、無意識に足は一歩、階段のある方向へと歩きだそうとする――

男の問いかけにハッと我に返ると、踏み出そうとしていた一歩は留まる。
心臓が握り込まれているみたいに苦しく、鼓動がドクドクと煩い。なぜか呼吸も上手くできずに息が荒くなる。
青ざめた表情でしばらく男の顔を黙って見つめていれば、無理に絞り出した微笑みを向けて頷き

「……そうしましょうか」

それ以上の言葉はない。否、冷静でない頭で絞り出す言葉はそれが精一杯だった。

サウロ > 「……大丈夫かい?」

(剣の処分をどうするかと考えた時に、一先ずは安全な場所で休んでから対処を考えようとして、
 彼女の意見も問うたところでその表情が蒼褪めている事に気付く。
 階段の方へと踏み出そうとした彼女はどこか苦しそうで、距離が離れていても影響があるのかと眉を寄せた。
 やはり今のうちに破壊しにいくべきか。
 否、強行すればまた身を守るために彼女を害するような命令を出すかもしれない。
 となれば、やはりさらに距離を開けて、影響下から脱するべきと判断した。)

「行こう。少しでも離れた方が良い」

(そう告げて、同意を絞り出した彼女の背に手を当てて階段から離れるように歩き出す。
 呪われた装備の解呪は、やはり神殿に行って神官に解呪して貰うのが一番だ。
 呪われた武器自体を破壊するのも手段ではあるが……どうしても対処法の知識が不足している。
 魔物の気配は遠く、正常な空気と水場のある小部屋があった。
 テーブルに椅子に棚、簡易の寝台と休める場所もあるが、使用された痕跡は薄い。)

「あまりいい場所とも言えないが、ひと息入れるには十分だろう。
 ……そういえば、名乗り遅れた。僕はサウロ。自由騎士だ。君は?」

(部屋のランプに火を灯しながら、改めて彼女と向かい合う。鎧の外套を外して寝台の上に敷けば、そこへ彼女を誘導し、休むように伝え。)

メアリ > 少しでも離れた方がいい、とその言葉には同意だった。
背を向けて歩き出す己の背後、そこにあるであろう魔剣の存在確かに感じながら、男と共に歩き出し
この場所を後にする。

休憩するのには十分すぎるほどの場所に辿り着く頃には、魔剣によって乱された心は落ち着きを取り戻す。
部屋の明かりを灯す男の様子を眺めながら立っていれば、寝台の上に促されるのだがどうにも少し躊躇いを見せて腰を下ろそうとはせず

「えぇ、そうですね。むしろ十分過ぎるくらい
……こちらこそ、名乗り遅れてしまい申し訳ございません。私はメアリと申します。
サウロ様、先ほどは助けてくださりありがとうございます。」

胸に手を当て丁寧に自己紹介を行うと、改めて礼をする。
直接的に男から助けたと聞いたわけではないが、剣を手放し意識を取り戻す手助けをしてくれたのは
間違いなくこの男だろうと理解していた。
なのでそんな恩人の外套の上に汗と砂ぼこりに塗れた身体を下ろすのは躊躇いがあったわけで……

「サウロ様がこちらを使ってください。私は椅子があれば十分休めますので……
それにまだ、身体が痛みますでしょう?」

ポーションを飲んだとは言えどきっとまだ全快ではないだろうと思い、むしろ男がそちらを使うようにと促した

サウロ > 「様など不要だよ。貴族とかではないからね。
 助けられたのはお互い様だ。宜しく、メアリ」

(金髪碧眼という貴族によくある容姿ではあるが、国の騎士のように畏まられるとなんだかむず痒い。
 それでも、彼女自身がそういう性格であるというのなら無理強いもしない。
 躊躇う様子を見れば不思議そうに首を傾げた。
 寝台には埃も積もっているだろうからというつもりだったが、彼女が躊躇う理由もわかっていない様子。
 逆に促されればそれはそうなのだけどと少しばかり思案するように視線を彷徨わせる。)

「だが、君を差し置いてというのは……、いや、分かった。
 少しだけ休ませて貰おう。自然回復に治癒の導術を重ね掛けるから、回復するまで君も良く休んでくれ」

(そう伝えてから、鎧の留め具を外して外し、寝台に軽く腰を掛けてから導術を発動する。
 暫くは互いのことについてや、ダンジョンにどういう経緯でやってきたかだとか、
 そこから発展してここ周辺のこと、国内の都市や王都についてなどの話に花を咲かせながら、
 完全回復するまでの時間を過ごしていただろう。
 その後は、対処方を話し合いながら、脱出したか、戻って剣を破壊したか。それは二人のみが知ることとなり──。)

メアリ > 無理強いは無くとも男が様付けは不要だと言ってくれるのなら、サウロさん、と呼び名を変えて男の名を
呼ぶことにした。自身がどう呼ばれるかは気にしないが、流石に呼び捨ては性格的に躊躇いを感じるようで。

「えぇ、ゆっくりお休みになられてください。」

男がベッドに腰掛けたあと、こちらもまた椅子に腰を下ろして身体を休ませてもらおうと。
完全に身体が回復するまでの間は和やかな空気で話に花を咲かせながら、その時間を穏やかに過ごす。
回復が終わる頃には、肉体的な回復だけでなく精神浸食で疲弊していた心も回復し平常に戻っているだろう。
その後は男と共に例の剣について対処法を決めつつ休憩場所を後にして――

ご案内:「無名遺跡」からメアリさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」からサウロさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にイェリンさんが現れました。
イェリン > 酒場で低額で得た怪しい儲け話をもとに足を運んだ無名遺跡。
何かあればラッキー程度の気持ちで潜っては見たが、運が良かったのか本当の話だったのか幾つか階層を下に潜ったある部屋で見事にお宝を見つけることができ。

「あればラッキー程度だったけど本当にあったね。
これだけで元は取れてそう」

そう言っては見つけたお宝、装飾をされたナイフや大小の宝石を前に頬を緩ませ。
それらを一つずつ手にしては良い物だと知識を元にそれなりな鑑定。
持ち帰り売れば十分な金額になると素人計算ではあるが十分に解る品は最近の仕事よりも儲けが多く。

それらに目を奪われて周囲への警戒心が疎かになり。
そんな状態でそれらを荷物にしまい込めば、他にはないかとその部屋を漁っていく。

ご案内:「無名遺跡」からイェリンさんが去りました。