2024/01/24 のログ
ご案内:「無名遺跡」にさんが現れました。
> 無名遺跡中層。其処は地下深くでありながら、天蓋には空が映り天蓋の下に日差しを注ぎ石造りの町並みを照らしていた。其処に人気はない、魔物の姿すらとんと見掛けない、偶に鼠や兎程度が草木を食むぐらいのしんとしたところ。――其処な一つの家屋の扉が開かれる、途端、どぽん、どぽん、どぽん、どぽん……と、家の中一杯に詰まっていた、水色に粘着きながら淡く輝く液体が通路に溢れ出す。どぽん、どぽん、溢れて、溢れて……。

「――」

大きな街路も排水口も浸すほど溢れかえった粘液の一箇所から、
ぬらりと湧き出る女。
人間ではないのが一目にわかる粘液と同じ色で滴る、髪に、肌。

「ふぁ~……ぁ……」

其れは今迄眠っていたようで大欠伸をして大きく伸びをしたあと。
何処へ行くのか当人すら解っていなさそうな茫洋とした表情で、
ずるりぬちゃりとと大蛞蝓が身をのたくらせた様な音を立てて、
下半身の成形がうまくいかないのかする気がないのか上半身だけ成形したまま移動をはじめる。

今日はどうしようか。先日はたらふく食べたたくさん孕ませた、けれど、まだまだ、まだまだまだ、まだまだまだまだだ、食べると気持ちよくて幸せだし増えるのは気持ちいいし幸せだ。……誰かとお喋りしても時々幸せになれる、それもいいかもしれない。

食欲と繁殖欲とお喋り欲。何れも同じぐらいの割合で、

「ん~~~?」

自分でも不可思議な感覚に首を傾げている、と……
誰かあるいは何かがこの廃墟群へ入ってくる。
入口周辺に配置してある一部の目と耳がそう伝えてきて、
そちらのほうへとずるずると這いずって行く。

ご案内:「無名遺跡」からさんが去りました。