2023/12/01 のログ
ご案内:「無名遺跡」にエルトシャンさんが現れました。
■エルトシャン > 棍棒を手に襲いかかってくる小鬼の群れを、その得物を奪い取って蹴散らす女。
この手のモンスターはすぐに襲いかかって来るが、危険とみればすぐ逃げ去っていく。
「全く、ゲンキンですわねえ」
その変わり身の早さに、呆れた様な溜め息を漏らす。
血と、よくわからないものが付着した棍棒を見下ろし、それをポイと放り捨てる。
武器は必要に応じて調達すればよい。
獣人の膂力と、膂力を活かす体術を軸に戦うほうが、身軽だ。
ダンジョンでは、武器が使えなくなったら手も足も出ない、という状況が怖くもある。
体の動かし方を知っている者特有の、体幹が左右にブレず、ほとんど足音が立たない歩みで、再び先に進み始めた。
今日はどこまで行こうか──
折角幾つも階層を降ったのだから、何か成果を見付けて帰りたいところだが。
ご案内:「無名遺跡」からエルトシャンさんが去りました。
ご案内:「無名遺跡」にキュアポットさんが現れました。
■キュアポット > 無名遺跡にある地下迷宮。
冒険者であれば一度は立寄る初心者向けで有名な迷宮である。
出現するモンスターもゴブリンや強くてオークやスケルトンレベル、トラップに至っては擽りや簡単な落とし穴くらいで、危険性はほぼほぼ皆無である。
モンスターにしても定期的に中~上級冒険者が間引きするくらいで、別名訓練所とも度胸試しの迷宮とも呼ばれている。
さてそんな安全な迷宮であるが、時と場合に寄る。
例えばであるが、油断した冒険者や無謀な冒険者は手痛い歓迎を受けることもあるし、罠だって無防備に飛び込めば骨折したり、そこを魔物に襲撃されると命の危険性だって無いことはない。
もうひとつ例外がある。
そこに誰もが想定してないモンスターが出没すること。
それも誰かの通報や目撃情報により直ぐに間引きされるのだが、今夜はその中でも例外的な例外が存在した。
それは落とし穴に偶然湧いたキュアポットと呼ばれるスライムに近しい医療用魔導生命体である。
迷宮の通路のど真ん中に巧妙に隠された落とし穴。
すぐ目の前には落とし穴に誘うように宝箱がこれ見よがしに設置されている。
で、宝箱に誘われて落とし穴に落ちるわけだが、キュアポットが湧いている落とし穴は落とし穴自体はこの迷宮に存在するびっくり要素的な落とし穴で、人によっては落ちても脇の下くらいまでしかない深さであり、ちょっと縁が滑らかになっていて、這い上がるのは難しそうな、筒状の落とし穴であった。
感覚遮断、何ておしゃれなものもなく。
ただただ普通の落とし穴、落ちればズポと足先から腰くらいまでたっぷりとスライムに埋まりはするが。
ぬるま湯のように温かく、他のスライムのように消化するような効果はない、ただただヌルヌルドロドロの湯に落ちた、そんな印象を受けるであろう落とし穴の罠だった。
ただ誰も近づかないければただの落とし穴である。
今宵は罠にかかるものもなく、たぷたぷよ揺れるのみであった。
ご案内:「無名遺跡」からキュアポットさんが去りました。